ネオジオ最後の作品。ストーリーは無く、零をベースに対戦バランスを整えた作品。そのバランスの良さで評価は非常に高かったものの、家庭用ネオジオでは無告知で「残虐度」を妙な形で固定。元々、零スぺ以外も家庭用ネオジオは残虐度固定なのだけれど、本作では本来そんな設定が無い「絶命奥義の演出だけ残虐度が低い」状態に無理矢理されていて結果妙なバグまで発生してしまった。
当時の家庭用ネオジオソフトはもう店頭販売されてなくて予約限定。事前告知があったところでどうしようもなかったのだけれど、それでも告知無しに「最後のネオジオソフト」でこんな事をしたものだから元々、SNKプレイモア社がSNKファンに盛大に嫌われていた事もあり「お前らは買ってないじゃん」な奴らまで暴れ結局、「絶命奥義の演出を入れた」特別版に交換というかつてない対応がとられる事に。
が、その絶命奥義は演出がMVS版とは違う。元のバージョンであれば「非公式」な代物ではあるけど改造した本体でMVS版と同等のものに戻す事が出来る。結果、本作は「修正版」「無修正版」の2つが中古市場に出回る事となり、当然無修正版の方が高額となった。が、あくまでも「改造した本体なら」なので、事情を知らずに無修正版買って「絶命奥義の演出無いじゃん」となった人がもしかしたら…まあいないわな。当時家庭用ネオジオソフト買ってた人間なんてホント限られてるから。ちなみに当方は当然、修正版と無修正版両方所有してますぜ。改造してない本体と改造した本体と、それとは別に改造した本体とネオジオもいっぱい持ってるからな。
本作が問題だったのはかつてネオジオCDを発売した時のように「他の家庭用ゲームハードには移植しない」と宣言が出された事で、傑作でありながら事実上封印状態となってしまった事にある。その挙句に本作には「SNKプレイモアに無断で作られた」完全版なんてものまであったり、ネオジオ最後の最後に闇を大量にばら巻いた作品なのであるよ。結局、その後移植されたけどな。その最初の移植版では普通にプレイしてるモードではMVS版と同等の絶命奥義演出。プラクティスモードでは修正版の絶命奥義演出という「何でそんな事になった?」という不思議な状態となっておりました。いや、ホントに何でそうなった?
なお、本作のCPUキャラは強いと言われがちだけど、シリーズの中では実は弱い方。確定状況以外では投げを回避して反撃してくるのと、斬り技を高い確率で弾いてくるのが「強い」と感じる理由。つまりは投げを使わずに弾かれるような事をしなければほとんどのキャラは弱いのである…実は。ナコルルとか水邪みたいにヤバイ奴も中にはいるけど。炎邪もちょっとヤバいか。
サムスピ史上最強のラスボスの座にいるミヅキちゃんだけど、初めて正式なプレイヤーキャラとなった本作では下から2番目ぐらいの残念すぎる弱いキャラとなってしまいました。
真侍魂の強さを再現しろとは言わないけど、アンブロジァの思念獣が実質存在しない。それを使う技は死に技となっているのが決定的に弱い理由だろう。ロクな技が無い。
一応、本作でもラスボスの座にいるけど当然ながら弱い。プレイヤーとして使う分には弱いからこそ面白い面はあるのだけれど。
このキャラ自体は初登場の真侍魂時点で結構細かく設定されているのだけれど、結局のところ正体不明、その肉体の持ち主は「美州姫」という人間の女性だというのははっきりしているけど、じゃあその肉体を使ってるのは何者なのか?となると「さあ?」と。「みづき」というアンブロジァと契約をかわした人間という事になっているけれど、やっぱり何者なのやら。もうどうしようもなく邪悪な存在なので改心の余地とかどこにもないキャラ…なのだけれどKOFではナコルルと一緒に現代で楽しくショッピングするというろくでもない姿が描かれた。肉体の持ち主たる美州姫ではなくあくまでも羅将神ミヅキとしてなのでいくら何でも無茶苦茶だよ、ホント。
ごらん、憎悪に満ち満ちた暗闇を。
ごらん、絶望が溢れ出す暗黒を。
ごらん、永遠に続く争いの世界を。
お前の望むものなどありはしない。
その他の画像はスクショ集へ。
スクショを基にAIに描いてもらったミヅキ
何故か等身が微妙に低い。邪悪さを色々と指定したけど上手く反映してくれなかった。
キャラセレのは真侍魂の狂死郎エンディングの阿国さん。こちらも等身が低い。