ネスツ編考察

 99と2000の設定を明らかに無視し、言い切ってしまえば「無かった事」にしてしまった感のある2001(しかも、そのストーリーは「アドヴァンストV.G.シリーズ」の悪質な劣化コピー。ストーリー説明は面倒なのでしませんが、別コンテンツで私が書いたクローン優香の紹介文にリンクしておきます。少しは設定わかると思います。そしてどれだけ設定を2001に盗まれたかも)。

 元々が毎回毎回「先の事を考えずに作ってる」そうですが、それにしても99や2000での伏線が全く活かされておらず、密かに設定されていたと思われる「裏設定」というものが、SNK消滅のごたごたで失われてしまい、結果あのような悲惨な代物が出来上がったと思われます。
 というわけで、今回の考察は2001の存在を無視し、本来はこういう設定だったのではないかという考察を。(…というか、考察自体が2000当時に書いたものなんですが)

クリザリッド

 K´のクローンであり、ネスツの幹部。KOF’99の開催者…というかネスツ組織に命令されKOF’99を開催した人。
 K´の記憶を移植されているが、K´が自分のクローンだと思い込まされていた。
 以上がクリザリッドの公式設定。

 ここで問題となるのは、K´の記憶が移植されていた事ではなく、K´のクローン体であるという事実。
 確かにK´とクリザリッドの外見は似ている。が、明らかにクリザリッドよりもK´の方が若い。肉体年齢はクローン体であるクリザリッドの方が上である。

 ネスツ組織が作り上げた「クローン京」を見るに、クローンを高速で成長させる事は可能なようである。が、だからといって、クリザリッドの肉体年齢を引き上げる意味がどこにあるのか?
 K´が自分のクローンだと思い込むにはK´よりもクリザリッドの方が老けている方が便利ではあるのだが、そもそもそんな事をする意味があったのか?クリザリッドに絶望を与える意味がネスツ組織にあったのか?

 クリザリッドがクローン体であった事は事実だろう。だが、だからといってK´がクローン体でないという証明にはならない。つまり…。

K´もまたクローンである

 という事。ネスツ組織が何らかの実験を行うのに適した強靱な肉体…仮に「K」とするが、K´もクリザリッドも同じくKのクローン体であり、K´の記憶もクリザリッドと同じく、Kの記憶を移植されているだけではないのか?

 Kとセーラは姉弟であり、その記憶はクローン体にも移植されている。つまり、K´とクリザリッドのどちらがオリジナルだったのか?という話ではなく、どちらもクローン体であったと考えられる。

クリザリッドが始末された理由

 ネスツ組織の意思なのか、ゼロの独断だったのかが不明な為、考察が困難だが…。
 プロジェクトクリザリッド(クローン体への記憶移植実験)が成功に終わり、プロジェクトK´が動き出した為、既に用済みとなった為だと思われる。生きていても構わないが、失っても痛くない駒。
 プロジェクト毎に新たなクローン体が使われているのではないだろうか?

ゼロの嫌いなものは「裏切り者」だが、裏切り者はゼロ自身ではないのか?

 2001を含めて考えるのであれば、ネスツ組織を裏切っている「イグニス」「オリジナルゼロ」の事を指しており、ネスツ組織が既に機能していないからこそ、独自に動き出していると考えられるが、今回の考察は「2001」は無視しているので、それは無し。オリジナルゼロなどという存在もいないという事で…。

ゼロの正体=K

 と、考察する。
 つまり「裏切り者=ネスツ組織」という考え自体は変わらない。
 ネスツ組織の実験によって、最愛の姉「セーラ」の命が失われ、それ以来、ネスツ組織への復讐の機会を伺っていた  なお、本考察では「ウィップ」と「クーラ」はセーラのクローン体であると考える。

プロジェクト’00の真の姿とは?

 リング、ハイデルン達傭兵部隊が行った「K´捕獲作戦」がプロジェクト’00と呼称されているが、公式設定において、プロジェクトクリザリッド、プロジェクトK´ともども「ネスツの展開した作戦」とあるので、プロジェクト’00の真の遂行者はネスツ組織である。
 その目的は「ゼロキャノンの完成」にあると思われる。  プロジェクト’00自体…傭兵部隊の行ったプロジェクト’00(K´捕獲)、ネスツが描いていたプロジェクト’00(ゼロキャノン完成)、ゼロが遂行したプロジェクト’00(ゼロキャノンによるネスツ組織壊滅)の3つ存在しており、それぞれが「何かを」利用しているつもりであったのではないか?

 そもそもがゼロキャノン自体、本当に「対ネスツ用衛星兵器」だったのか?
 ネスツの存在が発覚したのはKOF’99大会。つまり1年前である。
 衛星兵器を作り上げるには1年という時間はあまりにも短く、たかだが傭兵組織が所有するには危険すぎる代物であり、そんなものを開発して「各国」が黙っているものだろうか?
 ここから考えられる事はゼロキャノン自体、元々がネスツ保有のモノであった。
 つまり…。ネスツもゼロの裏切りにはとっくに気づいていた。ネスツもゼロもお互いに相手が自分の真意に気づいてないと思い込み…。
 ネスツ組織が行った、プロジェクトクリザリッド、K´、’00は公表されている(ゼロが認識していた)お互いにつながりがほんとんどない意味のわからない代物ではなく、全てが連携しており、「ゼロキャノン完成」の為に行われたもの。

真・プロジェクトクリザリッド(〜99)

 ゼロキャノンを稼働させる為のジェネレイター開発。格闘家の戦闘データからエネルギーを生み出すシステムの構築。
 クリザリッドの公式設定に、格闘家の戦闘データにより、中ボスから大ボスにパワーアップとあるが、それがジェネレイターの設計の基礎だったと思われる。
 幸いにして、草薙京の無式のデータを手に入れる事が出来た為、本来の計画よりも早く終わった。何故、無式で計画が早まったかは後述する。

真・プロジェクトK´(99〜2000)

 プロジェクトクリザリッドと一部並行。草薙京の捕獲により、プロジェクトクリザリッドの終わりが見えた為、99大会より開始。
 その狙いは極めて現実的。プロジェクトの障害となる対抗組織がどれだけあるか、そしてその対抗組織の力がどれだけあるのか、どれだけ素早く状況に対応出来るのか。
 クローン京を世界中にバラ撒いたのもプロジェクトの一環である。
 このプロジェクトにより「リングの傭兵部隊」が最も脅威であると判明。

真・プロジェクト00(2000)

 対抗組織の動きを封じた上でゼロキャノンを発射する。
 この際に「ゼロ」を敢えて使ったのは、ゼロの真意を確かめる為だったのではないだろうか?
 ネスツ組織は単純に悪の組織というわけではなく、崇高な目的の為に動いている。そして組織の為に今まで働いてきた「ゼロ」を出来れば殺したくはない。そのような想いがあったのではないかと。

 2000大会…ニセのプロジェクト’00を傭兵部隊に行わせたのは、KOF大会をネスツが開催した場合、傭兵部隊がどう動くかわからなかった為。
 内部から傭兵部隊を操り、KOF大会を開催させる事で全てが計算通りとなる。
 99大会の最後に敢えて「ネスツ」の名を出し、ネスツ組織を印象づけ、「対ネスツ行動」を起こさせやすく誘導。後は指揮官であるリングをネスツの者と入れ替えれば作戦完了。
 リングになりしました者が、プロジェクト’00を発案し、KOFを開催する。
 ネスツ組織を脱走した、「K´」の捕獲も同時に行える為、一石二鳥というか、三鳥か四鳥ぐらいの効果のある作戦である。
 主人公チーム…K´とマキシマに自由を与えない為、表向きの顔を持つネスツの密偵「ラモン」を同じチームに配置。
 ヴァネッサの正体は不明だが、何にしても主人公チームのキーは「ラモン」である。
 ラモンはクーラやゼロと面識がある様子(試合前デモ、勝利メッセージ「そうそうシナリオ通りにいくもんかね?」「かるーくいきますか、かるーく」「心配事なら片してやるよ。アンタのボスにはそう言っときな」等を見るに)であり、かなりの裏のある人物なのは確か。ネスツが選出したのか、ゼロが選出したのかは知らないが、主人公チームの一員に選ばれるだけの裏が。
 恐らくはラモンはゼロが信頼していた、ゼロ派の人間。が、その実はネスツ側の人間で、ゼロを見張る為に送り込まれた密偵。
 信頼してK´やヴァネッサの監視の為にチームに入れたが、実は敵だった…という。つまりは、ゼロの嫌いな「裏切り者」。裏切ったのと違って、最初から敵なんですが。

そもそものネスツの目的

 全人類の進化。人類を次のステップへと進ませる。そーいう組織だと思います。
 屈強な肉体を持つ「K」のクローンを使っての実験。人体改造も含む強化実験ですね。
 クリザリッドやK´は成果の1つ。
 そして、現時点での最大の敵は「オロチ」。
 オロチは97大会で封じられたとはいえ、人類にとって最大の敵対種族というのは変わらない。
 そこで目をつけたのが草薙一族の「払う力」。オロチを滅する「無式」の力。
 無式のデータがジェネレイターに加えられ、ゼロキャノンは「不死身であるオロチ」をも完全に滅する力を手に入れていたのではないでしょうか?
 ゼロの言葉によればゼロキャノンは「1人1人を打ち抜く事も可能」。そんな性能だったのは「世界を破壊する」為ではなく、「オロチ」「オロチの依童」のみを滅し、人類に被害を出さない為だったのではないでしょうか?

最後に

 この考察、言われるまでもなく「無茶苦茶」です。ツッコミどころ満載です。
 が、クローン京を大量に作っただとか、クローンに記憶を与えただとか…99と2000で展開されたネスツの作戦全てを台無しにした「私が神になるんだー」っていう、何のつながりも見せないアレよりはマシだと思ってます。もちろん、99と2000は表向きは「総帥ネスツ」の意思で行われたものであり、2001のみが「イグニス」の意思で行われたものなんでしょうが、じゃあ何でイグニスは2001で唐突に動き出したのかという。K´の肉体が2001の段階になってようやく「最強」だと認識出来たんですか?それを確認する為にしては随分と…。
 K´、ウィップ、クーラ、ゼロ、クリザリッド…この人達の関係だとか、99と2000で行われたプロジェクト等を含めて、もう少し整合性のあるものに出来ればいいんですが…もし、何かいいアイデアあればお願いします。2001でネスツ編が終わりっていうのはあんまりにもヒドいんで。真ネスツ編みたいな…ここは「こう考えた方がいいんじゃないのか」みたいな意見待っています。