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天王寺綯

STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム

 人気ゲームで人気アニメなシュタインズ・ゲートの公式同人。

 今までは鳳凰院凶真の世を忍ぶ仮の姿であるところの岡部倫太郎がプレイヤーキャラクターだったけれど、本作はシナリオ毎にプレイヤーキャラが変わる。

 シナリオ毎に作者が違うので作品の出来に大きな差がある。極めて公式に近い人、一番最初にプレイさせられるシナリオが原作設定すらまともに理解出来てない上に、それを無視しても極めて出来の悪いクソシナリオなもので、そこで見離した人も多いかもしれない残念な作品。

 その最初のシナリオはα世界線で「まゆりを失ったけどβ世界線に帰らず1年経過した後の話」なのにα世界線においてはまゆりと同時期に死亡する運命にあるミスターブラウンことFBが生きている。そしてFB率いるラウンダーはSERNから給与を受け取っているどころか、むしろSERNに上納金を収めているという「暴力団と暴走族」かよという、まるで小学生みたいな発想。命がけの任務だけど給料無し、むしろ毎月?膨大な金額を収めないといけない…一体何をやらかしたんだ、ラウンダーって奴らは。各個人個人で払っているのではなく、FBがラウンダーを指揮して「発売されたばかりのゲーム」だとかの転売を行うという「お前らかぁぁぁぁ」と怒りをぶつけたくなる人が多そうな方法で金儲けしてますよ。儲からないだろ、それ。…ラウンダーという優秀な戦闘員をゲームの転売に使うFB。これでギャグじゃないんだぜ?このクソシナリオが「良シナリオ」言ってるシュタインズ・ゲートファン多くて笑うしかなかった。ゴミみたいな本編設定を神扱いするだけあってバカばっかりなのな、この作品のファン。

 次のダルシナリオも割とクソレベルだよ。綯シナリオは最後の最後に解放される。こちらは上記最初のクソシナリオと世界線変動率がほとんど同じ世界でのアレから2年後の話。ただし、こちらは普通に2年前にFBは死亡している扱い。というか何でほとんど同じ変動率に設定したのか不思議なぐらいに、最初のシナリオをは設定が異なる。2年前に「ラボメン」は全員、綯の前から姿を消してしまったという設定で物語が始まる。

解説

 上記の通り、アレから2年経過しているので綯さまも中学2年生。いや、綯さま知ってる前提で書いちゃいけないのか。

 本編は大体大学生、後は高校生と社会人がメインキャラの中、貴重な小学生、ロリだった子。ゲームが得意だという事ぐらいしか特徴は無いけれど、別の作品で「掃除」好きで、掃除の事となると人が変わり鬼となる事が発覚した。お掃除軍曹の誕生である。

 シュタインズ・ゲートと同じ世界の未来を舞台にした作品ロボティクス・ノーツにもシュタインズ・ゲートから唯一続投、社会人になった姿を見せてくれた。一応、ヒロインの1人扱いだけど、最も格下。

 シュタインズ・ゲートという作品は何度も何度も過去に戻り歴史をやり直そうとする主人公の物語。ただし、何度やり直しても「一度確認してしまった事象は変わらない」。世界は様々な可能性世界が重なり合っていてどの世界も本来は未来は不定。ただし、タイムマシンで過去に戻った場合は「確認されたその時間」までは些細な違いはあっても大きな事象に変化はない。一応、量子論に沿って電脳世界で実験した結果として「未来は変わらない」事は確認されてはいるけれど、その実験がどこまで信用出来るものかはわからない。ここで「アイテムドロップとかがランダムなものを事前にセーブしてロードすると結果が変わるじゃないか、確定してないじゃないか」とか言い出す人は根本的に勘違いしてる。それはもう量子レベルじゃないんだ。「猫は半分だけ死んでいる」という有名なアレが誤解を招く元になってる。アレは確認するまでもなく猫の生死はもう確定してるからね。

 上記世界観において綯は父親が死亡した原因は主人公にあると、遥か未来からタイムマシン(正確にはタイムリープマシンだが)から作中の時間にまでさかのぼってきて復讐を遂げる。ただし、遥か未来から過去に来る=その遥か未来の時間までは「運命が確定」してしまっている。既に主人公が「いつ死ぬか」は確定しているので、過去に戻ってきても「殺害は出来ない」。ただ、むしろ「何しても死なない」というのはある意味都合いいよね。特定の歴史、ルートだけの話とはいえそんな怖い存在になる可能性を持っている事もありネットでは不必要にネタ的に恐れられている。が、割とほとんど誰だって復讐に我を忘れる心ってありそうだけどな。

 そのルート以外においては愛らしい普通の少女キャラで、本作の綯シナリオは父親が死亡するのと前後して、綯と仲良くしてくれていた主人公とその友人仲間たちのほとんどは姿を消してしまい、そこから2年経過したという設定のお話。

 綯本人は本編主人公の友人であり、本編でのヒロインの1人、そしてとんでもない富豪の秋葉さんの家に引き取られ養女として最低でも生活には不自由なく暮らす事が出来ている。ただし、2年前に一体何があったのか、あの楽しかった日々の事を思い出す日々。

 そこで偶然にも2年前に姿を消した「主人公とその友人…ラボメン」の内の1人と再会した事から、失われた過去を求める彼女の物語が始まる。2年前に主人公達は一体何をしていたのか…自分は何故仲間に加われなかったのか。

 中学生となり学校の制服であるセーラー服を身にまとった綯さまも描かれているので、ゲーム本体はクソだが綯さまファンは買うしかないだろう。

2年前のあの夏──
私は、当事者になれなかった。
私はあのときも今も、まだ子供で。
周囲で、私の知っている人たちに起きていることを、なんにも知らなくて。

スクショを基にAIに描いてもらった綯さま
開始直後の黄昏綯さま。独特の瞳表現に近い感じで。何故か左腕が無いけどそれは上のオリジナルを見ればわかる通り、元からだ。

キャラセレのはエンディング直前のやつ。ただ、その場面を知ってる人からすると「その表情は無いだろう」という感じかもしれん。