町田秋鹿−刺青の国 戻る

町田秋鹿

刺青の国

 かつて日本の首都として栄えた東京。今や見る影もなく荒廃し、日本から切り離された存在となっている。そこに現れたのが「刺青」を持つ美少女たち。それが何の力なのかはわからないが刺青の力は絶大。23区の乙女たちは各々の力で相互不可侵にて東京を治め始める。刺青の国となった東京には平穏が戻ったのだ。

 だが、腕の高い彫師が現れた事で状況が一変する。23区の支配を良しとせず「立川市」「町田市」「多摩市」「武蔵野市」「調布市」「八王子市」の6つの市の少女が立ち上がり23区に侵攻を開始、東京支配をかけて戦争が始まったのである。

 非常に面白い設定で、30人もの刺青少女達はセリフ量も少なく出番は少ないにも関わらずしっかりキャラが立っており、この1作で終わらせるにはもったいないぐらい。そこらのギャルゲーよりよっぽどキャラの見た目のバリエーションは多く、個性も豊か。

 刺青を増やせば増やすほどに強くなる6人の市の少女たちのゲーム的な設定も面白い。まあ、せっかくのキレイな肌が刺青まみれになるのが何か「うーん」なんだけど。

 問題は「まるでゲームになっていない」事。いわゆる「国盗り」系なんだけど、侵攻先も侵攻タイミングも自分で選べないし、どれだけの戦力で侵攻するかとか…とにかく何も選べない。何もかもが自動で進む。

 ごくわずかに使えるコマンドで微調整するぐらいしかプレイヤーには出来ず基本眺めてるだけのゲーム。が、ホントに眺めてるだけだとあっさり負けるという、意外と厳しいバランス。放っておくととんでもない勢いであっちこっちに侵攻して周囲が敵だらけになり、どうしようもなくなってしまう。6人の少女の中には「侵攻タイミングを早くする」コマンドを持つ子までいるけど、本作では早くする事には「ゲームが早く終わる」事以外メリットがない。出来る限り侵攻は遅らせゆっくり侵攻するのが基本。基本と言っても勝手に侵攻してしまうんだけど。

 ランダムに発生する賭場は極めて理不尽なルール。掛け金徴取のタイミングが間違っていて「負けて失う額」も「ドロップで失う額」も同じ。以前、書いたのをそのまま使うか。ちなみにゲームはチンチロリンのみ、そしてダイス目は明らかに操作されており、まともに勝負するとほぼほぼ負ける。事前にイカサマ用のピンゾロ賽を購入しておくのが基本となる。シゴロ賽も売ってるけど、シゴロ賽じゃ負ける確率高いので買うだけ無駄。

 負けると賭け金は没収。勝つと賭け金がそのまま返ってくる「1倍」で。いやホントに。滅多に勝てないのに勝っても賭け金がそのまま返ってくるだけという理不尽。親の目を見てから勝負を降りる事が出来るけど、この場合賭け金没収…「降りる」の利点を教えて下さい。勝負すればするほどに損をするチンチロリン。賭け金を決めた時点で「プレイヤーの金」が減るというのが多分バグというかルール設定ミスだと思う。「倍付け」で「賭けた金額分増える」のは正しいけど、一度「減らされてる」からね。だから「負け」でも「降りる」でも同じだけの額が減ってしまう。降りる権利があるなら本来金はその勝負では減ってはいけないわけで。こんななので勝負をする場合、事前にピンゾロ賽を購入しておいて、親が役を出さない事を祈るのみ。ヒドい賭場だな、ホント。ごく稀に親がヒフミで自爆してくれるけどそんなのに期待しちゃダメだぜ、滅多にないからな。ダブルアップは引き分けでも負けなので、親が六の目を出したら負け…ヒドいよね、ホントこのルール。

 後は侵攻先での刺青少女相手の3択が「こんなの答えわかるわけない」という代物。キャラの性格に合わせて「この子ならこの回答がいいんじゃないか」とか考えるだけ無駄。もうテキトーに「これが正解」としたんじゃないかと思うぐらいにどれがアタリなのかさっぱりわからずプレイを重ねて答えを覚えるしかない。6人で23人づつなので138パターン覚えろ…意外と覚えるよ。うん、このゲームトロフィーコンプリートしようと思ったら最低でも120周必要だから。ほとんどすることがないとはいえ、黙って見てるとすぐゲームオーバーになるゲームを120周、1周を高速30分で終わらせても60時間かかる。

解説

 町田市の刺青少女。町田に存在する純喫茶で働く看板娘。愛用している和傘の「ジョバンニ」さんと会話出来ちゃう大正浪漫溢れる生粋のスピリチュアル美少女。…いや傘と会話するのをスピリチュアルの一言で済ませないでくれ。

 ほんわかしてて世の中平和。ゆっくり生きようか、みたいな感じで実際にキャラ性能も防御主体…でも東京制圧はしちゃうよっていう。

 町田さんに限った事ではないけど、本作の主人公は姿を見せないプレイヤー=彫師で少女たちは公式には「パートナー」という扱いなのだけれど、全く姿も見せないしコマンド入れて命令するのもプレイヤー。23区の少女との3択の受け答えをするのは少女たちだし、実質動かしているのは刺青少女なので今回のこの企画にも入れさせてもらった。

 彫師との出会いで「路上で脱いだりできない」と笑顔で答えるのが可愛い。いや、そこで脱げとはさすがに言ってませんよ?でも、彫師役得すぎる。キャラセレの方の画像見ればわかる通り、刺青を入れる時は少女達には全裸になってもらう。全裸になる必要は無くない?と思うがなってもらう。彫師の権限で全部脱いでもらうぜ。

 侵攻襲撃をかけておいて「相手の警戒度があがった。私たち何もしてないのに〜」としれっと言い放ったり天然なのか真っ黒なのか。「ちんぴらさんが寝返りました〜。構成員増えました〜」と笑顔でのたまう町田嬢。ちんぴら言うなよ。あなたの可愛さに惚れて寝返ったちんぴらをちんぴら呼ばわりは可哀そうだろ。結果、「傘を振り回しながら23区を荒らしている女」として警戒対象に。…何で?何もしてないのに〜。

 その他、襲撃かけていきなり「突然ですがあなたは精霊を信じますか」など頭おかしいんじゃないのかという素敵な言動を繰り返す。CAさんを見て「スチュワーデスさんですよ」とはしゃいでみたり、昭和ですか、生まれ?突然脈絡もなく実家の喫茶店の宣伝もする家思いの素敵な看板娘でもある。可愛いのに残念すぎるぜ、この子。美処女しかいない本作の中で純正の美少女で、エンディングの一枚絵なんてとてもこんな残念な子に見えない美しさ。でも、中身は傘と会話する女。

実家は町田駅近くで喫茶店を営んでます。
珈琲はサイフォンで1杯づつ丁寧にいれていますので
ぜひ一度遊びに来てくださいね。

 その他の画像はスクショ集へ。

スクショを基にAIに描いてもらった町田嬢
普通の立ちシーン。ちなみに実家の喫茶店の制服との事。でもそれで出歩くんだから私服だよな。

キャラセレは当然刺青シーン。