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嘉納亮子

ファイターズヒストリーダイナマイト

 カプコンにストIIに酷似してる、プログラムソースが流用されてると訴えられた事で有名なファイターズヒストリーの続編。

 ネオジオにリリースされたため、1作目の6ボタン方式から4ボタン方式へ。この作品がリリースされた頃はネオジオをけん引するSNKの対戦格闘が絶好調でカプコンを超えて対戦格闘界の頂点に君臨していた頃で、直近1年前後に「ワールドヒーローズ2」「サムライスピリッツ」「餓狼伝説スペシャル」「龍虎の拳2」「ワールドヒーローズ2JET」「痛快GANGAN行進曲」「真サムライスピリッツ」「ギャラクシーファイト」「ダブルドラゴン」と実に大量の作品がリリースされており、この後も最強は1人でいい餓狼3、うぉぉぉぉぉ風雲黙示録、我が道に敵無し天外真伝と名作だらけ。見た目が地味な本作はどうしても埋もれてしまった。あまりにも作品数が多すぎた。

 SNK以外であっても、ワーヒーやギャラクシーファイトなどはゲーメスト増刊が発刊されたりしたのだが、本作は残念ながら痛快GANGAN行進曲やダブドラと同等以下の扱いでほとんど注目される事も無くひっそりとリリースされ、ほとんどプレイもしてもらえず闇へと消えてしまった。

 元々の初代ファイターズヒストリーの出来が微妙だったというのもあっただろうとは思うけれど。が、超必が存在せずダッシュも存在しないオールドタイプの対戦格闘としては軽快でなかなか良い出来であった事からリリースから年を経てからそこそこ人気を集め、セガサターンへの移植が実現。大会の開催が行われる等それなりに盛り上がりを見せる事となった。

 ただし、CPU戦はその当時のSNKよりヒドい超反応で無敵技での割り込みであればともかく、的確に通常技で割り込んでくる。逆に言うと異常なまでに反応が良いため、龍虎の拳2と並ぶ「パターンゲー」と化していて、対人戦と比べるとCPU戦はかなり人を選ぶというか、正直あまり面白くない作品ではないかと。

 ストIIもどきで同時期の作品、何かキャラのノリが近いワールドヒーローズ2、JETと発売時期が近く、2JETとはまさかの「牛被り」。ワールドヒーローズ2JET、ファイターズヒストリーダイナマイト共に対戦格闘に「牛」がいるのだ。背景ではなく。PCではなくどちらも「倒す」ボーナスゲームという形だが(ファイターズヒストリーダイナマイトのは隠しボスという扱いで一応キャラの形はとっているため改造すれば使う事は出来るが)。

 なお、実質的には本作の移植版だが、ストーリーは本作の続きという形でSFCに続編がリリースされ、ファイターズヒストリーシリーズはその作品を持って完結を迎えている。SFC版は本作の移植版というにはまあ色々と問題あってまともに対戦なりたたないけれど。

解説

 当時の人気アニメ「YAWARA!」をイメージした女子高生柔道家。名前はその「YAWARA!」後にまるでYAWARA!の主人公猪熊柔のごとく突然出てきた天才柔道少女という事で中学生から高校生にかけて「ヤワラちゃん」の愛称で親しまれた田村亮子からである事は疑いの余地はないだろう。が、モデルは田村亮子ではなく猪熊柔、祖父やら何やらがその辺りわかりやすい。

 ほぼ同時期にワールドヒーローズに女子高生柔道家の「リョウコ」がデビュー。リリース日は1か月程度しか差がないため、同じ発想で同じようなキャラを同時期に作っていたという事になる。なお、こちらのリョウコは後に「出雲良子」とフルネームが設定され、柔道家ではなく柔術家と設定された。が、まあどこがどう柔術だよだが。

 ワールドヒーローズは歴史を超えて英雄たちが戦うという荒唐無稽な作風なのに対して、ファイターズヒストリーは極めて現実的な…ネオジオでは餓狼伝説に近い実際に存在する格闘技の使い手がそれなりにリアルな技を使うという形のため、このリョウコもまた「一本背負い」や「縦四方固め」が必殺技扱い。それどころか「前回り受け身」までもが必殺技である…攻撃判定つきの。

 唯一のトンデモ技「超山嵐」はダイナマイトで改良され、絶対柔道の試合で使えねぇよというトンデモ技に進化。その一方レバー上方向を半回転という立ち状態では絶対入れる事が出来ない、かつダメージがゼロの謎のコマンド投げ「肩車」が追加された。肩車はそんな技じゃねぇから。シリーズ最終作では更なる大技を身に着け…え、いや、それ出雲良子の…まあ、何も言うまいて。

 ちなみに設定上の誕生日は出雲良子と同世代。6か月ぐらい年下か年上かのどちらか。多分、年下のはず。まあ、同学年だけど。

あなたに勝っても私の修業は終わらないわ
おぢーちゃんを超えるまで

 PS4ではファイターズヒストリーダイナマイトを購入していないのでネオジオ版で作成したキャラ紹介にリンク。

スクショを基にAIに描いてもらった亮子
勝利ポーズ。昔の女性用の黒帯の再現が全然出来なかった。

キャラセレのはシリーズ最終作である溝口危機一髪のエンディングから貴重な制服姿の亮子。