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出雲良子

ワールドヒーローズ2

 ヤバいぐらいにストIIをコピーし、ガイルに相当するキャラの↓溜め↑Kの無敵対空技は地上から全く足を離さないのに空中判定になっていたり、実のとこストIIのプログラムコードも盗用したんじゃないかとさえ思える程度には…正直な話、実際にカプコンに訴えられたファイターズヒストリー以上に「ストIIじゃん」だった作品「ワールドヒーローズ」の続編。

 タイムマシンを使って歴史上の英雄を集めて誰が一番強いか確かめてみようという実に下らない欲望で開催された大会の第2会大会。

 1作目がストIIもどきで出来も微妙だったけれど、この2作目で大きく進化。まだ対戦格闘黎明期だったというのに「投げハメ」対策として「投げ返し」。主に画面端での飛び道具での固め対策としてのギリギリガードによる「跳ね返し」。そして、弱P連打で「オートコンボ」とでもいうべきものが発動するという21世紀になってから採用した作品が多いシステムをいち早く搭載していた作品である。

 キャラはボス含め7人追加で計16キャラと当時としては多い部類。特殊ルールのデスマッチモードの採用など、実に挑戦的な作品。髪切りデスマッチなんて負けたキャラがハゲにされるからね。女の子でも。どんな判断でそれ実装に至った?

 ふざけたノリでありながら極めて真面目に対戦格闘に対して接し、当時問題とされたものを「マナー」の問題と作り手が真面目に取り組まなかった事に取り組み、結果として(元はヤバい連続技を作らせない為に導入した)前述のボタン連打のオートコンボシステムが数々のヤバい連続技を生み出してしまったが、それはただの結果である。まあ、オートコンボ>弱スライディング>オートコンボとかつながるのはホントどうかと思うんだけどね。そう、本作のスライディング系の技はものすごく隙が小さいのだ。スライディングヒット後に地上の通常技がつながるぐらいに。スライディング自体対空に使えるので、引き付けてスライディングで落としてそのまま連続技とかヒドい事も出来るよ。

 CPU戦の難易度もなかなか高いですよ。そして当時はそれなりに当たり前だったとはいえ、ラスボスはどう見てもバオーだ。が名前がディオで、セリフも(ジョジョの)ディオのものがそのままだ。シュラという名前のキャラは修羅の門の主人公のセリフそのままだ。

解説

 ワーヒー2当時はフルネーム無しの「リョウコ」名義。当時の人気アニメ「YAWARA!」をイメージした女子高生柔道家。名前はその「YAWARA!」後にまるでYAWARA!の主人公猪熊柔のごとく突然出てきた天才柔道少女という事で中学生から高校生にかけて「ヤワラちゃん」の愛称で親しまれた田村亮子からである事は疑いの余地はないだろう。が、モデルは田村亮子ではなく猪熊柔、祖父やら何やらがその辺りわかりやすい。ちなみに同時期の餓狼伝説2に登場したお爺ちゃん柔道家の山田十平衛の初期デザインはその猪熊柔の祖父「猪熊滋悟郎」そのものだ。まあ、そのデザインを使う程にSNKは壊れてなかったのだろうが、当時のYAWARA!という作品の人気の高さがわかるだろう。「柔」という名前の女子高生柔道家が出る対戦格闘もあるしな。

 ほぼ同時期にファイターズヒストリーに女子高生柔道家の「嘉納亮子」がデビュー。リリース日は1か月程度しか差がないため、同じ発想で同じようなキャラを同時期に作っていたという事になる。

 嘉納亮子が超山嵐という大技を覗けば一本背負いが必殺技扱いになる程度に地味なキャラだったのとは違い、ワールドヒーローズのリョウコはとんでもない投げ技を使う。転がって高速移動する。カラー柔道着。(当時の女性柔道家と違い)黒帯に白い線が入ってない男性用の黒帯使用。趣味が道場破りなどなど、無茶苦茶なキャラとして作成されている。技のモデルは柔道一直線や柔道賛歌といった辺り。

 シリーズ最終作で「出雲良子」とフルネームが設定され、実は(講道館)柔道ではなく出雲流柔術という謎の格闘技の使い手であった事が判明した。が、柔道も普通にやってます。ワールドヒーローズ大会で使ってる荒唐無稽な技の数々は多分出雲流柔術の技。どこが柔術だよだが。

 あまりにもスタイルが違うので同じ技が全然無い嘉納さんと出雲さんだけれど、肩車だけは2人とも必殺技として使用する。嘉納さんは空中に相手を放り投げる技で、出雲さんは割と本来の流れに忠実…ただし、当て身投げ。いや、肩車が何で当て身投げやねん。ただし、2人とも最初は「通常投げ」として使っていた。何で2人ともそれを必殺技にしたんだい?

 なお、初登場時のワールドヒーローズ2では当時ナコルルと並ぶ貴重な「清純派」キャラに分類されていて、実際にエンディングでの道場破りを除けば口調も真面目でまともなキャラだった、これが続編でキャラの方向性変化。ハートマークをやけに使い頭の悪い発言をするキャラに。最終的には好きなものも嫌いなものもお爺ちゃん。プロフィールの知能指数は「推薦入学できるからいいも〜ん」、エンディングでは探し続けていた父親をようやく見つけたけどクセで放り投げてしまうというどうしようもないバカなキャラに。何でそうなった?

 アニメイトカセットブックでは清純ボイスの岡本麻弥さんが声を担当。

あなた強いのね・・・!!
私、強い人・・・好きよ!!

 PS4ではワールドヒーローズ2を購入していないのでネオジオ版で作成したキャラ紹介にリンク。

スクショを基にAIに描いてもらったリョウコ
勝利ポーズ。腕がどうしても太くなって困った。胸元の日の丸は再現出来ず。

キャラセレのは貴重な制服姿のリョウコ、ワーヒー2の公式ストーリーの「キャーッ遅刻しちゃうよ〜っ」の場面。よりによって嘉納さんと同じようなデザイン。カードゲームではセーラー服姿が描かれたけど、多分この制服デザインを知らなかったんだと思う