アノニマスコードを始めようかと思いつつ時計仕掛けのアクワリオ

 すっごい昔のアーケードの没ゲー。これを復刻させた作品。そういうコンセプトらしいのでガンガン復刻してくれるのかと思ったらアクワリオ以降さっぱり動きが見えない。アクワリオが売れなかったんだろうなぁ。

 作者がワンダーボーイと同じで見た目もそれっぽいのでワンダーボーイ風とか解説されがちだけど、ワンダーボーイよりはマリオかな?ジャンプで下から頭突き、上から踏むと敵が気絶。触れると持つことが出来るのでそれを投げて敵を倒せる。…あまり面白いゲームではない。

 イージーモードでロボット使ってクリアしたけど、クリアトロフィー取れなかった。イージーモードではダメって事?結構難易度高いんで慎重にプレイしないと無理。ラスボスとか攻略法はわかるし、難しくもないけど面白いとも思えず残機でゴリ押したんだが…うーん。微妙だなぁ。プレイヤー3キャラの内、少女のキャラが可愛い。そこだけは良。それ以外はすっごい微妙。少女キャラ押しなのにロボットでクリアしてるってのもアレだが。いまいちキャラ性能差わからなかった。メイン主人公っぽい少年は何かルイージみたいに滑るんでちょっと使ってやめた。

時計じかけのアクワリオ トロフィーコンプリート

 難易度に関係なくクリアトロフィーは取れる。ただコンティニュー時のキャラ選択で1回でも他のキャラを「表示させてしまう」と無理。クリアトロフィーは難易度問わない、コンティニュー回数も問わない。ただ同じキャラで最後までプレイしないといけない。そして同じキャラでプレイし続けても、前述の通りキャラ選択時に少しでも浮気するとNG。実際浮気じゃなくて、操作ミスだけど、そんなの。

 クリエイターは違うけどアレックスキッドと同じような欠点。マリオのコイン、ソニックのリング的にアクワリオにはバルーンがある。集める事出来なくて壊す事しか出来ないけど。ただこのバルーンを壊す事にゲーム的にはスコア加算以外に特に意味が無い。壊すのが難しいところとかあるけど、無理して頑張っても意味が無い。アーケードゲームはクリアして当然でスコアアタックこそ本命という高レベルの人達がいて当時の雑誌ゲーメストでもスコア募集は行ってた。とはいえ、そういうスコアラーなんてごくごく限られた存在なのでスコア増やす要素なんて多くのプレイヤーにはどうでもいいんですよね。

 集めると1UPする要素としてジェムがあるんだけど、こちらのジェムは敵を倒すと出現。ランダムではなく固定っぽい。このデザインがもうゲームとして面白くない。ステージに散らばってるバルーンを特定の数壊せば1UPだとか無敵になるとかならバルーンに意味がある。ある程度慣れるまでは敵は割とかたっぱしから倒していくので、ジェムは「集めている」という感覚が全く出ない。

 救済なのか何なのかランダムに無敵アイテムが出る。何か法則あるのかもしれないけどプレイする度に違うとこで出るので多分ランダム。この無敵が出るとゲームバランスが崩壊する。ボス戦でも普通に出るのでボス戦で出ると色々台無し。

 ボス戦の基本は雑魚敵を倒してそれをボスにぶつけるスーパーマリオワールドのクッパ戦方式。でも、アクワリオはパンチ攻撃を基本装備。直接殴る事も出来る。ジャンプ力の関係で大抵無理だけどボスを踏む事も出来る。制限時間短いってのもあってちまちま雑魚ぶつけるより残機ゴリ押し。本作は1回のダメージは耐えられる、この時の無敵を利用して敵に重なってパンチ連打。ミスして死んだときは復活地点をその画面の好きなとこに出来るので、高空で復活、するとふだん踏めないボスを踏める。中ボスもそうだけど、基本戦術としては「踏む」が無いからなのか、多くのボスが踏まれる事に無防備。連続して踏みつけてこちらも一気に大ダメージ。多分、狙ってそういうデザインにしたのだろうけど、残機を犠牲にしてゴリ押しで倒せるようにするのはゲームデザイナーのする事ではないと思う。正直、全然ボス戦面白くないんでゴリ押しで瞬殺してしまう。それがよりつまらないプレイになる原因かもしれないけど、真面目に戦ったからって面白いわけじゃないから。同じ事を繰り返すだけだから。

 対戦格闘全盛期だから人気を得られなかったとかデタラメすぎる。1992年って黎明期だぜ?確かにストIIは流行してた。でも、それだけじゃん?SNKが対戦格闘界で名を知られるようになったのは餓狼2から。龍虎は対戦格闘としてヒットしてない。その餓狼2が1992年12月。ロケテ時にはつまり、ストII以外ヒットしてた対戦格闘作品なんて1つもない。カプコン以外というかストII以外でヒットした初めての作品が餓狼2だから。

 単純に「出来が悪かった」だけだよ、これ。ロケテ時にどんなゲームだったか本作発売の10年ぐらい前に書かれたサイトがある。本作の資料にロケテ時の資料みたいなものもあって、確かに「無敵ボタン」とか書かれてる。このサイトの記述は貴重。ただ、製品版ですらこの出来なんで、ロケテ時の出来は…読むだけで「ヒドい有様」だったのがわかる。ステージ1すらクリアさせる気が無かったみたいだし。カプコンですら殺しに来るのはステージ2だぞ。ステージ1で殺しに来るゲームもあるけどさ。

 開発者としては没の原因を対戦格闘になすりつけたかったのかもしれないけど、あの時代はまだまだアクションとシューティングが主役の時代。不遇な封印作品ではなくセガ上層部の判断かな?それが珍しく正しく機能した当然の没。復活させる価値は特に無かったかと思う、これ。