ALL ABOUT SNK対戦格闘ゲーム 1991−2000

価格本体2200円+税(2006年4月現在2310円)
発行人/編集人山下章
企画・編集・執筆株式会社スタジオベントスタッフ
発売株式会社電波新聞社
ページ数400

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 既に「情報がかなり古い」状態になっているというのに、新版が出る事もなく未だに重刷が続いてるらしい書籍。

 昔からのファンでない人間には貴重な資料らしいが、餓狼2辺りかそれ以前からのファンには「あまり価値が感じられない」1冊。
 とりあえず、当サイトを作るきっかけになった本です。そのあまりな出来に「こんなもんファンが望んだものじゃない!」と。

 同系統の書籍として、少し前に「AAカプコン対戦格闘」が発売されており、なかなかに良い出来だったのである。が、後発だというのに、SNK版は…。
 カプコンもSNKも基本構成は同じ。以下から解説する。

 業務用で発売された「対戦格闘」を全て網羅し、その派生である「家庭用移植時」に追加されたキャラやエンディングはフォローするという形。完全に家庭用専用なソフトはカプコン作品は(そもそもが作品数が多いからなのか)扱わない、SNKにおいても、携帯機ソフトは扱わない。
 扱う要素は「エンディング」と「中間デモ」。そしてそのゲームの基本操作と隠し要素の解説と「移植版」の簡単な解説。そのゲームにおける「各キャラ」の簡単な「ゲーム中の性能」の解説。そしてちょこちょことコラム。
 巻末には「大事典」なる「用語辞典」付きで、その他「ハードの公式スペック」や「声優一覧」「システム一覧」等、細かなデータ一覧。

 実際、コンパクトによくまとまっています。定価以上の価値はあるかと思います。が…。
 AAカプコンとの最大の違いは「大事典」の完成度。結局は編集部の能力ではなく、作成時に「カプコン」「SNK」両社からどれだけの情報を貰えたか、その違いなのだとは思います。
 が、それにしたって、SNKの大事典は「まるでなってません」。
 カプコンの場合であれば、確かに「事典」とも言える内容でしたが、SNKのは「キャラ辞典」でしかなく、そのキャラの情報にしたところで…。
 当時、多くの情報は「ゲーメスト」や「ネオジオフリーク」に提供され、その情報を「知っていたとしても」勝手に掲載するわけにはいかなかったのだろうとは思います。が、その結果…多くの名前が設定されているキャラ、フルネームが設定されているキャラが無視される事となり…。
 パネマだのヒメーネだの…こんなキャラの名前は知らなくてもしょうがないです。ロデム…も、まあアレが正式名称と回答してるのは芸文社の書籍ですし仕方ないですね。でも、アースクェイクの子分は(チン平に至ってはゲーム中に名前呼ばれているというのに…フルネームではありませんが)?ボイスまで存在していキャラ「グロリア=リー」が無視されるのはどういう事なのか?(メストなんぞ、名前がわからなくても「リチャードの奥さん」だとか、そんな感じでキャラ事典に掲載したりしたというのに!!)。各雑誌とは関係なく「ネオジオCD」にて名前が明かされている「パコラ」がいなかったり、「半兵衛のフルネーム(国谷半兵衛)」が無いのは何故でしょう?その他、何人無視されているやら。クイズですか?SNKマニアを楽しませる為ですか?餓狼ファンディスクで公開されたリッパー、ホッパー、餓狼1オンリーキャラのプロフィールもフォローしてませんし(風雲STBも一部プロフィールが欠けてますね)。
 その他、誤字や誤情報も多く…しかも、「新しいファン」にとっては「他に資料が無い為」、この書籍のみを信じてしまうという弊害が。

 発売前に危惧した「間違った情報の氾濫」が実際に起きてしまい、「エセSNKマニア」が随分と誕生してしまいました(発売された当初はこの書籍を丸写ししただけの「データベース」サイトが次々と立ち上がっては消えていくという現象も)
 と、まあこの辺りがマイナス要素。(ゲーム毎の各キャラのゲーム中の性能解説は…論外なのでどうでもいいです、ほんの50文字程度で語れるわけもなく…また、語れるほどにプレイしてる事も期待してません。というか「ゲーム中の性能」解説は書籍の主旨から外れているというか…まあ、それにしたってEXアンディやEXマリーを餓狼3アンディ、マリーを基本にしてるだとか、RBSギースが対戦バランスを崩すほどじゃないとか…いくら何でも「有り得ないだろ!」レベルの事が書いてあるのはどうかと思うが…その一方で、よくわかってるなーという解説もあったりして…むしろ迷惑?どこまで信用していいやらっていう)

 コラムは読んで面白いという類のものではないものの、実に的確な事が書かれています。ゲーム中の裏要素のようなものから、初期設定のようなもの…これらも、実際……昔からメスト増刊だとかを買ってる人間にはいらないものが多いのですが、1冊の本にまとまっている事が大きいかと思います。
 ベンとスタッフ社はAAシリーズ第2弾で餓狼伝説SPECIALを発行して以来、龍虎2、KOF94、真侍、餓狼3、KOF95と出してきた(以後、別の出版社で…)だけあり、昔の作品のコラムも「当時から熱く触れていた」人間のそれである(書いた本人はどうなのか知りませんが、校正等は行ってるでしょうし)。
 どこまでの情報をフォローする必要があるかという「取捨選択」が重要ななか、いい感じに選択されてますんで、「情報には誤りと欠けが多い」「基本システムは紹介されているが技表は無い」…フォローされているのは2000年の作品まで、とこれらの事を理解した上で、であれば買って「損した」とか思う事は無いでしょうね。
 あら捜しをすれば、あっちこっちに「ヘンな事」は書かれているわけですが、全般的に丁寧に作ってあるので、それをする気は起きません。
 ネオジオ対戦格闘全てをフォローしてる当サイトから見ても「ハイパーネオジオ64」作品に関してはフォロー出来ていないので、その意味ではありがたい書籍です。

 正直、満足行く出来ではないんですが、それは「内容がいい加減」だからというよりは、もっと高価になってもいいから「もっと内容を濃くして欲しかった」という意味で。…大丈夫、買ってましたよ、SNKファンはそれでも、きっと。

 今更言う事じゃないですが「SNKプレイモア」以降のファンならとりあえず買っておくといいかなっていう感じ。SNKファンは…今更どうこう言う事でなくて、買っちゃってますよね、もう?満足したかどうかは知りませんが。
 最終評価は「4」。当サイトでは非常に低く評価されている書籍ですが、実際にはよく出来ている本です、KOFの部分だけ見ても「KOF完全読本」を超えてます(公式ストーリーはフォローされてませんし、2000までしか無いですけど)
 今回見てみて、今更気付いたが「96の通常技多段化」と「97のコマンド短縮」もフォローしてたんですね、この本。フォローしてるサイト無いならしょうがないかって面倒だなーって思いつつ表作ったのに…無駄だった(しかもこの本の表に比べると随分と不完全な)。