銀河鉄道の夜

 107分。宮沢賢治の代表作のアニメ化作品。性別不詳気味のキャラクターが多い事と、幻想的な雰囲気を出す為か、ほぼ全てのキャラが中性的な「ネコ」で表現されてます。
 友情と人生…そして「ほんとうの幸せ」とは何かを訴える名作。

ジョバンニ(CV:田中真弓)

 主人公。♂。
 病気の母を養う為に毎日毎日バイトをしている良い子。姉がいる事がはっきりと語られているものの未登場。
 何故かザネリに「いじめ」られている感じ。
 カムパネルラの事が大好きで、カムパネルラが他の人と親しくしたりしてるのが気に入らなかったり。
 カムパネルラとどこまでも一緒に行く為に、誰にでも優しく、ほんとうの幸せを求めて生きていく事になる少年です。
「待って、どこまでも一緒だって言ったじゃないか」

カムパネルラ(CV:坂本千夏)

 ジョバンニの幼馴染で親友。多分♂。
 とても優しくて礼儀正しい良い子。ジョバンニ以上に親友との銀河鉄道での旅を楽しんでます。
 いつかジョバンニとまた二人で楽しくいられる日が来るのを待っているのではないでしょうか?
「ボクはお母さんが幸せになるならどんな事でもする。けれども一体どんな事がお母さんの一番の幸せなんだろう?」

ザネリ(CV:堀絢子)

 ジョバンニの級友。多分♂。敢えて言おう、ザネリ萌えと。ジョバンニをからかうのが趣味?子供達のリーダー格っぽい子。
 原作ファンの間で男の子なのか女の子か一部で論争が起きてる子。描写や名前から考えて多分、女の子で…ジョバンニの事が好きなんだと思います。
 銀河鉄道には乗り遅れてしまった為、序盤のみの登場。原作小説を読んだ時の「ザネリ萌え雑記」を下に転記しておきます。カムパネルラが女の子だと考えると尚、萌えます。
 色々検索してみたら、ザネリに萌えてる人が結構いた…ツンデレかよッ。名作もオタクの手にかかると萌え作品と化す例。しかし、それにしてもザネリは萌える。
「ジョバンニ、お父さんがらっこの上着を持ってくるよ」

学者(CV:金田龍之介)

 プリオシン海岸で化石を発掘している学者さん。
 発掘現場に訪れたジョバンニとカムパネルラに色々と解説してくれます。
 誰もが思った事があるに違いない「他人から見た何かは自分と同じに見えるのか」を。
「僕らと違った奴から見てもやっぱりこんな地層に見えるかどうか。あるいは、風か水やがらんとした空に見やしないか…という事なんだ。わかったかい?けれども…」

鳥捕り(CV:大塚周夫)

 原作の「鳥を捕る人」。ネコだから「鳥捕り」。トリトリ?
 銀河鉄道の常連客。ジョバンニ達に親しく接してくるものの原作では邪険に扱われてしまっていた可哀想な人。アニメではそれ程でもない。銀河鉄道について興味深い事をいくつか語ってくれる重要キャラ。
「あーーーー、せいせいした」

灯台守(CV:常田富士男)

 銀河鉄道の常連客で鳥捕りとは知り合いらしい。終盤、突如、老人(老猫)と化してます。
「何が幸せかわからないです。ホントにどんな辛い事でもそれが正しい道を進む中での出来事なら峠の上り下りも、みんな本当の幸いに近づく一足づつですから」

無線技師(CV:青野武)

 アニメオリジナルキャラ。盲目の無線技師。序盤に銀河鉄道の切符を持ち現れる事から「銀河鉄道」が夢の世界の産物ではなく実在する事を示している。
「そこまでだ。後はまた雑音だ」

車掌(CV:梶哲也)

 目が光っていたりはしない銀河鉄道の車掌さん。検札を行いに現れ、ジョバンニの切符が他の乗客のモノとは明らかに違う「スゴイ」ものだという事がここで判明します。一応、次の停車駅の案内も。
「これは3次空間の方からお持ちになったのですか?」

青年 (CV:菊池英博)
ただし(CV:渕崎ゆり子)
かおる(CV:中原香織)

 某豪華客船の乗客。氷山にぶつかって船が沈んでしまった為、銀河鉄道に乗り換えてきた人達。ネコではない。青年は子供達の家庭教師で、子供2人は姉弟。
 ジョバンニ達と仲良くなるが…。
 青年とかおるの声優さんは何げにジョジョとチュルル。
「だけど私達、もうここで降りなきゃいけないのよ」

「何となく萌えキャラです、ザネリ」
 どーいう子かもよくわかんないのに…有り得ない、そんなの。
「登場は3回で、台詞は2回ですね。2回目に登場した時に1回、ザネリの最初の台詞」

ジョバンニ、お父さんから、らっこの上着が来るよ。

「深いです」
 3回目に登場した時、2回目…ザネリ最後の台詞。

ジョバンニ、らっこの上着が来るよ。

 短絡的かなって思うんだ、自分でも。でも、間違ってるとも思わない。ザネリってジョバンニの事が好きなんだよね!
「何かジョジョ調ですね」
 そーかな?
「で、答えですけど……違うんじゃないですか?」
 そーだよぉ。絶対、絶対に!
「何で絶対かな?ザネリが登場した場面を抜き出しましょう、まずは」
 …まさか、本気でザネリの事、語るとは思ってなかった。予告した時っていっつもやんないくせに、何でこーいうのだけ実行するかな。しかも敢えてザネリ。
「ザネリが萌えキャラだからです。実のとこ、どこにも女の子とは書いてませんが」
 ん?そっか、そーなんだ。言動とか名前で勝手に性別決めちゃってたけど、実際、ザネリもカムパネルラもジョバンニでさえ性別不詳なんだ。だからだったんだ…。
「いや、ジョバンニは疑う余地無く男ですが?」
 アニメ化されてるんだよね、銀河鉄道の夜って、実は。でね、何かしんないけどみんな猫。カムパネルラは犬、飼ってるけど、それでも猫なの。幻想的な世界描く為なのかなって思ってたけど…
「いや、だからジョバンニは男ですってば。カムパネルラは性別不詳というか男の子でも女の子でもない…「特定の誰か」ってわけですら無い存在みたいですけど。「ジョバンニの幼馴染で親友」っていう不特定の存在ですね…解説見ると、双子がどうとか、もう1人のジョバンニとも書かれてますが。っていうか、アニメ?図書室で読んだってのウソなんじゃないですか?」
 そんな事無いよ。全然。で、ジョバンニはともかくとして、カムパネルラがそーだっていうなら、猫にした意味はある。
「最近、ウソうまくなってきてるからやだな。ウソなのかホントなのかわからない」
 それでそれで、あのタイタニックの犠牲者3人だけ人間で出てきて、見てた時、何でこの3人だけ人間かな!?って思って…でも、謎は全て解けた。あの3人は性別がはっきりと示されてる。そうじゃなかった人達が中性的な猫で描かれてたんだ!!見る人が好きに判断して下さいって感じで。
「好きにして下さいな。ただね、この本の用語解説によると「ネリ」っていうのが宮沢賢治の「妹的なものの名前」なんだそーです。ザネリって名前の解説が無いのが残念ですけど、まあ、ネリが女の子だというならザネリも女の子でしょう」
 むぅ、じゃあ何で猫なんだよ!!名探偵ホームズの犬もよくわかんなかったけど。
「ふむぅ、一緒に収録されてる作品に猫の事務所というのがある。それと関係あるという可能性も」
 猫の事務所へようこそぉ♪…バロン?
「ん、いかにもって感じな身もふたもない作品でした。どんなに努力しても報われない。世の中、生まれつき力を持った者、調子のいい者だけが利を得るってう」
 猫も大変なんだねー。
「有能なんだけどみんなに嫌われてて、好かれようと努力するけど、結局…風邪で事務所1日休んだスキに唯一の味方だった所長が同僚だった三毛猫とかに騙されて、翌日出所してみると、仕事も与えてもらえないっていうか存在を無視されていたっていう」
 現代の予言かな?宮沢賢治の大予言。
「予言ですね。流行したのは3、4年前…いや、もっと前ですけどね。職場でのイジメと、自主退職させる為の陰湿な行為」
 で、報われないまま終わるんだよね?
「当然ですな。猫の話はここまで。ザネリ初登場場面」

 ザネリが前の席からふりかえって、ジョバンニを見てくすっとわらいました。ジョバンニはもうどぎまぎしてまっ赤になってしまいました。

 ザネリに関して判明した事その1、どーやら学校での席はジョバンニの前らしい。2回目の登場は。

 大股にその街灯の下を通り過ぎたとき、いきなりひるまのザネリが、新らしいえりの尖ったシャツを着て電灯の向う側の暗い小路から出て来て、ひらっとジョバンニとすれちがいました。

「ザネリに関して判明した事その2、身が軽いらしい。最後の登場、同級生達と一緒にいるとこにジョバンニが現れたって場面」

「ジョバンニ、らっこの上着が来るよ」さっきのザネリがまた叫びました。

 中略
 ジョバンニは、遁げるようにその眼を避け…中略…町かどを曲るとき、ふりかえって見ましたら、ザネリがやはりふりかえって見ていました。


「これがザネリが登場した場面の全て」
 この後は名前が2回登場してるね。

 ザネリもね、ずいぶん走ったけれども追いつかなかった。
 ザネリはもう帰ったよ。お父さんが迎いに来たんだ。


「カムパネルラのセリフですね。ザネリは銀河鉄道に乗り遅れちゃったから出番が少ない」
 乗り遅れたっていうのかなぁ?あとは、最後の最後。

 ザネリがね、舟の上から烏うりのあかりを水の流れる方へ押しやろうとしたんだ。そのとき舟がゆれたもんだから水へ落っこちたろう。するとカムパネルラがすぐ飛びこんだんだ。そしてザネリを舟の方へ押してよこした。ザネリはカトウにつかまった。

 ザネリに関して判明した事。泳げないのかもしんない。
「急流だったんでしょうかね?カムパネルラは勇気があって優しいですね」
 銀河鉄道に乗る資格があったって事かな?
「乗車資格ですか?切符ですね…けど、そんなのあるんですかね?…いや、今更、銀河鉄道の夜の考察をする気は無い。ザネリだけで十分」
 んー、ジョバンニのザネリ評もあるから、それも。

 ザネリはどうしてぼくがなんにもしないのにあんなことを云うのだろう。走るときはまるで鼠のようなくせに。ぼくがなんにもしないのにあんなことを云うのはザネリがばかなからだ。

「失礼な」
 ザネリがばかなからだ。漢字変換すると「ザネリが馬鹿な体」になった。ザネリがもう登録されちゃってるから面白い変換起きなかった記号。
「走るときは鼠のよう…つまり、身軽でかつすばしっこい。舟の上でちょっと無茶をする。いいですね」