真かまいたち 魔女審問編の犯人探し

 まず、被害者はボイスメッセージを録音していたが、残っていたのは1つのみ。ボイスメッセージを最初に発見したのはオーモリ氏であり、彼が自分に都合の悪いメッセージを1件だけ発見したと言った時に消した可能性は考えられるが、彼が携帯電話を探るより先に手を出した人間がいて、それを制止していない。そもそも消そうと思えば犯行時に可能なため、可能性は極めて低い。

 被害者の生存が最後に確認されたのはバイト先への電話であり、これを確認したのもオーモリ氏のみであり、嘘の報告をする事は可能。が、バイト先に改めて確認の電話を他の人物が行えば、オーモリ氏がウソをついているかどうかなどすぐ露呈するため、これも可能性は極めて低い。陸の孤島状態でしばらくは警察が来ないので、今その時だけ言い逃れ出来ればいいとしても、その場ですぐ他の人間が確認する可能性もあるので、そんなウソをつくリスクはあまりにも高い。実際に18:35に被害者は電話をかけており、そこまでは生存していたと考えていい。

 殺害場所は被害者の部屋、2階203号室というのも疑うべき要素は無い。ここまでが前提。


頭だけで考えるより、簡単な形でもいいからまとめるのが鉄則

 18:50頃に殺害に使われた凶器が2階より投げ捨てられている。実際に投げ捨てられたのかどうかは不明だが、凶器発見の状況と証言からこれも特に疑うべき点は無い。証言をした黒井氏にウソをつく理由が特に無い。この場合、誰かと誰かが共謀してと考えると「ほぼ誰でも犯人たりえる」ため、ミステリとして失格。というより犯人をプレイヤーが突き止める事は無理になってしまう。これは現実の事件にはあてはめられないものの、「ゲーム」としては絶対に守られなければならない要素。

 まず、18;50頃にそんな事が可能だった人物は誰か。

 18:45〜18:50の間に警報は誤作動(ではないが)なので心配不要との連絡を雪乃が2階に伝達に行く。この際にオーモリ氏とミ・ユ・キィは雪乃と直に会いその伝達を受けている。池谷氏と被害者からは返事が無く、被害者の部屋の鍵はかかっていた。黒井氏が警報を作動させるなど誰も思ってもいなかった以上、これはアクシデント。雪乃が2階の自室に来るなどと自室にいた連中も思っていないので、雪乃と会話する前、会話した後に急いで凶器を投げ捨てたなんてバカげた可能性は考慮したくない。この「したくない」もミステリとしては重要。「理論上不可能ではないけれど、現実として不可能」な事を考慮してはいけない。電車乗継だとかで、たまたまその日は偶然、事故で本来止まっているはずの無い電車がまだ止まっていて、乗継出来るわけがないタイミングで乗り継ぎが出来た、これは「理論上可能であっても、現実として有り得ない」…まあ、それに近い作品は読んだ覚えあるけど、犯行自体が突発的で別にアリバイ確保しようとしたわけじゃないけど、偶然そんな事があったので、というある種、ミステリの裏をとった作品。ゲームでそんな事されても困る。

 つまりは、凶器を投げ捨てる事が可能だったのは、池谷と雪乃の2人のみ。ただし、雪乃が2階に行く事になったのはただの偶然。が、偶然死体を発見してしまい、咄嗟に何故か凶器を投げ捨ててしまった可能性は残る。鍵は閉まっていたとの証言は雪乃のものなので、鍵はかかっておらず自由に出入り出来た可能性はある。が、まあ、普通に考えて最初から2階にいて、雪乃が自室に来るなどとも思っていなかった池谷氏が最も疑わしい。

 次、殺害されたのはいつなのか。どのように殺害されたのか。どのように殺害されたのかは、その場に専門家がいなかったので不明、状況から見て「腹を包丁で深く突き刺されの」失血死。そして、被害者の悲鳴を聞いたものはいない。

 成人男性に包丁を深々と突き刺すのにどれだけの力がいるかはわからないので、明らかに非力な雪乃も犯人の候補からはこの点では外さない。つまり、どのように殺されたかは犯人を絞る材料たりえない、どうでもいい。

 いつ殺されたか。殺した直後に凶器を投げ捨てたのであれば、18:50前後。誰が犯人であったとしても、その時2階に雪乃、オーモリ、みゆき、池谷と4人もいたわけで、誰も悲鳴を聞かなかったというのは有り得ない。つまり、殺害された時刻と凶器が投げ捨てられた時刻は別。悲鳴をあげる間もなく殺された可能性はあるが、それも「理屈としてはありえるが」の話で、悲鳴をあげるかもしれないのに、「悲鳴をあげさせず即死させる自信がある」じゃあないと犯人は実行できない。「お前はプロの殺し屋か」と言いたくなるそんな人物がいてたまるか。

 つまり、殺害は18:35〜18:45までの間。被害者の録音されたボイスに、次の録音をするとの宣言があったのに録音されていなかった事。18:40に出されたメールが未読であったことから、18:35〜18:40の間が疑わしい。まあ、これは作中でも出された推理だが、この推理で問題無いだろう。

 この時間に犯行が可能だったのは、オーモリ氏とミユキー。作中では雪乃と烏飼も可能とされていたものの、この2人が共謀して互いを庇うだとかしない限りはアリバイははっきりしている。

 さて、こうなると、ボイスメッセージを真っ先に発見したオーモリ氏が最も疑わしい。が、オーモリであれみゆきであれ凶器を投げ捨てた人物候補と一致しない。

 そして、被害者の悲鳴。何時に殺そうと被害者を悲鳴をあげさせず即死させる自信がある人物を持ち出さないといけなくなるので、「誰も悲鳴を聞かない状況」と犯人がわかっていないといけない。咄嗟の犯行で「後になって色々と工作をした」ってのもありがちなパターンではあるけど。

 オーモリ氏の場合、とんでもない音量でイヤホンで音楽を聞いていて、外の音がほぼ聞こえない状況。雪乃の訪問に気がついたのは、その状況ですら気づく警報が鳴ったため、その時だけイヤホンを外していたとの本人の証言。が、そもそも2階で警報聞いた連中は何で警報聞いて揃いも揃って全員自室で大人しくしてるんだよ。「何があった?」とかけつけるだろ。音的にどうやら火災報知っぽいなと。そうでなくても、落ち着いて自室で待ってる状況じゃあない。これがまずおかしい。「2階に警報は届いていたのか」。警報が聞こえた事を報告したのは何故かオーモリ氏のみ。残るミっゆーきと池谷は警報について何も語っていない。が、聞こえなかったなら聞こえなかったと言う気はする。とりあえず保留。

 とりあえず、オーモリが犯行を行った場合、みゆーきには被害者が悲鳴が聞こえていてもおかしくない。その一方でみゆっきが犯行を行った場合、オーモリ氏には聞こえない。が、もちろん、みゆきに「オーモリは音が聞こえていない」なんて事がわかっていたはずもない。そもそもオーモリなんて人物の存在すら知らないはず。ペンションに来たばっかりの人物なんで、オーモリ。ん?

 まず、オーモリがペンションについたばかりなのかどうかは確認がとれない。突発的な犯行でないなら、事前に誰がどこにいるか覗って、殺害可能なタイミングをはかっていたという事になる。が、どうしても、みゆきが邪魔。機会はこの先も訪れるであろうに、無理して殺す理由はとりあえず無い。一方で、みゆきは突発的な犯行でないなら、全員の所在を確認した上で安全に犯行を行えた。この際に、オーモリなんて新キャラが2階に来る事は想定外だろう。

 現状、有り得るのは「オーモリ氏が2階についた時点で、既に被害者は死亡していた」イヤホン関係無いな。問題は、凶器が投げ捨てられた事だなー。

 作中の推理では、真正面から堂々と突き刺されている事から、顔見知りの犯行とされている。が、顔見知りなのは、主人公の京香だけ。が、犯人ではない。

 ふむ、凶器を投げ捨てた人物は池谷で確定。親バカなレベルで京香を心配していて、ある時間を境に挙動不審で京香を特に心配していた。…みゆきが被害者を殺害する場面を目撃。が、知人、かつての恋人が殺害されただけで精神的ダメージ大きいのに、殺された理由が何かとんでもないところにあったらもっとダメージを受ける。そのためには犯人がバレては困る。ダメだ、もうここまで来ると推理じゃなくて妄想だ。そんな動機だとかはどうでもいい、誰が可能だったかだ。

 池谷に殺害が可能だったか。悲鳴をあげさせず殺し、かつ、返り血を浴びずに殺す事が可能であれば可能だった。この場合、殺した直後に凶器を投げ捨てた事になる。何故かはわからない。池谷と被害者に面識はあったか、シナリオの途中まではミステリ編で被害者はこいつ誰なんだ?と嫉妬していたので、最低でも、被害者の側は池谷の事は知らなかった。それは面識があるとは言わない。

 面識があり被害者が油断する状態になる可能性があった人物。つまり、作中主人公が殺されるまで一切主人公と接点が無かった人物。オーモリ、みゆき、黒井か?。18:50に凶器が落とされたという証言は黒井のものなので、黒井が犯人なら18:50なんて何の意味も無い時刻になる。警報後の彼の行動は誰も把握出来ていない、本人証言のみ、時間には全然縛られない。が、18:40以降未読のメールと残っていないボイスメッセージの謎が残る。結局のところ、18:35直後に殺害されたというのはやっぱり動かない。「ボイスメッセージを消せた」のであれば「全部消す」だろうと。

 結論として、暖房入ったペンションで、何故かカーディガン着こんで食堂にいきなり現れ、雪乃と接触して服が汚れたと風呂に行ったミユキ。もう、色々理由つけなくても、正直このシーンだけでとんでもなく怪しいっす。返り血浴びた服をどうにかするためにカーディガンで隠してわざと接触事故かな。タイミングは見計らっていた。幸い、雪乃はこんなアクシデントばっかり起こしてる萌え系ドジっこなので全く何の違和感も無く遂行出来た。さて、じゃあ「みゆき」と名前入れて、答え見にいくか。この場合、外れていた方がおいしいんだよな。「もっともらしく色々書いたあげく、全然違う」っていう。

 というわけで、全部見終わった。うーん、出来悪くね?問題点がいくつも残るな。いや、真犯人自ら「犯行に偶然は無い」なんて大嫌いだとか言ってるけど、計画的な犯罪なわけで、で、解答通りなら偶然に助けられすぎだろうと。まず、アリバイ工作を全くといっていい程にしていない。警報が鳴ったのに、パニック起こさないどころか無反応で自室に閉じこもっていた事を誰も言及しない。凶器を投げ捨てた人間が凶器を投げ捨てる理由が全く無い。カード類を盗む理由も無い。「かばう」ための行動になっていない。が、その場面でだけ「何も考えてないバカ」扱いで終わらせるのはおかしい。「何も考えてないバカだからすぐに発覚した」って、それはヒドい展開だ。これで有料とかなめてんのか?これでミステリ大賞とかに応募してみろよ。審査委員に酷評されて終わるぜ。いや、犯人だとか犯行時刻そのものは、誰が可能だったかという点で導き出せて間違いようが無いけど、その他にばらまいてる部分におかしな点が大量にありすぎる。いや、結局、犯人がわかっただけで、真相とかは誰にもわかってない状態ではあるけれど。やっぱりそういう感想になるよねだな。結局、1つも確固たる証拠が無くて、「可能だったのはこいつだけ。でも、それを行う人間は普通いない」状態のまま、強引に進めていってる。結局犯人が「別にばれててもよかったけど、バレなかった。何か知らないけど、勝手に凶器捨てて怪しい行動とってくれた人まで出てくれた」とか、そんな真相でないと成り立たない。いっそ、藪の中ならいいのに、真犯人は結局みゆきだった、とか出るし。いや、何がしたかったんだろう、このシナリオ?解決篇の方にミスリードがいっぱいあるかな。結局、証拠が何1つ無いんで、探偵役の勝手な思い込みが解答かのようになってる。池谷が京香を庇ってというのは探偵役の推理ミスだな、勝手に推理ミスしてくれてる以上、池谷はそのまま真実は告げないで押し通せる。池谷の数々の発言から、池谷は京香が犯人だなんて思ってないのは明白。池谷氏は何故、被害者が殺害されたのかまで含めて真実を知ってしまっている人物だなー、やっぱり。で、その真実をプレイヤーにすら明かさない。だから池谷氏の行動がどこまでも不可解なままになってしまってる。まあ、被害者と真犯人の関係が被害者の事が好きな京香が絶対に知ってはいけない内容なんだろうなーと

真かまいたち 魔女審問編をもう少し考えてみる

 納得いかない点があまりにも多いので。

 まず、殺害は計画的なものだったのか、突発的に起きたものなのか。犯人は被害者の行動を知り、被害者が行く予定のペンションに同じ日に予約をとった。ここまでは計画的。ただし、当日どのように殺害するか、または殺害しないかは臨機応変。つまり、半計画的だった。

 殺害に使われた凶器は犯人が持ちこんだものとしか考えられない。つまり、ほぼ殺害は決まっていた。もしかしたら和解の道もあったのかもしれないが、多分その可能性はほとんど無く、計画通り殺害された。

 次。犯人は自らの犯行を隠したかったのか。バレても構わないと思っていたのか。犯人は指紋や返り血といった要素にはそれなりに対策を行っていた。つまり、最初から殺害するつもりで、被害者の部屋を訪問した事になる。が、一切アリバイ工作は行っておらず、また目撃者等の存在を気にかけていた節は無い。ここが多分「納得いかない」と感じる部分。あまりにも犯行がハンパ。が、バレても構わないと思ってたいわけではないだろう、やはり。

 次。犯人は何故あのタイミングで殺害を行ったのか。入浴直後に殺害を行っており、返り血対策として、食堂の接触事故で服を汚し、もう1度入浴を行っている。もし返り血対策をするのであれば、入浴前に殺害してしまうべき。入浴後に殺害したため、このような無理が生じた。つまり、最初に書いた通り、ペンション到着までは計画的であっても、その後の殺害は臨機応変に行われたもので、風呂から出たら、ちょうど「2階にはちょうど被害者だけがいる状況」になっている事に気づき、犯行決意といったところだろう。つまり、被害者が部屋にいたのは計画通りというわけではない。「○○の時間に話がしたい」等の事前の連絡を行い被害者を自室にとどめたというわけではないだろう。そんな事をしても、被害者以外の人物の行動が読めない。また、事前に被害者と連絡をするのであれば、もっと人が来ない場所、時間を選択する。

 次。いくら誰もいないタイミングとはいえ、いつ誰が来るかわからないのも確か。被害者と話をする時間など無い。そんな事をしていたら殺害するタイミングを逃してしまう。が、それでも被害者に抵抗を許す事なく殺害するのは「殺害のプロ」でなくては困難だろう。「どこまでやれば人は死ぬか」など殺した事の無い人間にはわからないう。そのため、現実の殺人事件では「めった刺し」のような事も起こる。が、この事件においては、腹を一突き。これで失血死を待てるほどに時間がある状況ではないし、「どうせ死ぬ」と死を見届ける事なく部屋を立ち去るような犯人は普通いない。「ギリギリ生きていたら困る」「死は確実だが、最後の最後に大声を出されても困る。ボイスメモ機能を使っていた以上、直にダイイングメッセージを残す事も出来る」。よって、犯人は被害者の死を確認してからでないと部屋を立ち去れない。

 次。別ルートの話ではあるが、1階で殺害された被害者の悲鳴は2階にまで響いてきており、またペンションの壁は薄く防音どころか、隣の部屋の音が漏れてくる程。この事から、「被害者の悲鳴を聞いたものがいない」のは「悲鳴をあげたが誰も聞こえる状況ではなかった」のではなく「そもそも悲鳴をあげなかった」と考えた方が自然。この場合、犯人は「オーモリ」でも有り得る事になるが。

 被害者はひ弱で、犯人は(別のルートの話なので同じ設定かどうかは不明だが、設定が違う場合は語られるため、敢えて語られていない部分は別ルートの設定でも同じと考え)空手有段者。まず、声をあげさせないよう気絶させ、その後、殺害。これであれば悲鳴はあがらない…かもしれない。ペンションの客は遺体を見て、「打撃を食らった後がある」等の判定など出来るわけもない。そもそも現場保存の思想と遺体に触れたくないとの考えでほぼ遺体は放置される。が、わざわざ気絶させるぐらいだったら夜を待ち、寝ている間に殺した方が良さそうなもんだ。口にタオルでも詰めておけばより安心だな。が、犯人は何故か「被害者しか2階にいない」というタイミングだったとはいえ、皆が起きている時間を選んだ。アリバイ工作をしたわけでもないのに。

 結論として、犯人は間違った方向のプライドを持つプロの暗殺者。一瞬で殺害する自信があり、誰にもバレない自信があった。実際、一切証拠は残っておらず、アリバイ工作もほぼ有り得ない状況で、各人にはアリバイがあり、みゆきとオーモリにしか犯行は出来なかった事が明らかとなった事から、みゆきがあぶり出される事となっただけ。…前述の通り、被害者が悲鳴をあげていないのであれば、犯人は「オーモリ」の可能性も出てくる。「風呂に入っていないから返り血云々」というのは素人レベルの話で、プロの暗殺者にそんな心配ご無用でござる。

 実際のところ、最後まで死因は明かされていないため、腹に包丁を深々と突き刺されたのは死後かもしれない。というか、腹に深々と突き刺された割に部屋に血は飛び散ってもおらず、被害者の遺体の下にたまっていただけ。血が飛ばないように何かでガードしながら刺したのか?何の為に?が、死後、わざわざ刺す理由はよくわからない。この殺され方であれば「顔見知り」のはずで「悲鳴もあげていたはず」と推理させるためか?ずさんだな。実際作中そう推理されたとはいえ。うん、真犯人はやはりオーモリ、そして黒井だな。何てこった共犯はダメだって言ってるだろー。…これ、ホントにプロの作家の仕事なんだろうか?手抜きしたろ、所詮ゲームと思って。

というわけで、魔女審問編最後のまとめ

 あの時、オーナーは厨房にいなかった、男湯にいた!とかヒドい回答編を見せつけられる魔女審問編。「ああ、そういえば男湯にいた」「そうえした、私男湯にいました」。神林さんボケるような爺さんじゃないし、本人まで何言ってんだよ。黒井も多分その時一緒にいたはず。こんな本人も一緒にいた人物も当日どころか、ついさっきの事なのに「忘れていて証言が間違っていた」なんて事をされたらミステリ成り立たねぇよ。「なぜ忘れておったのか」じゃ無ぇよ、その日の出来事だろーが。もうそんなに物忘れ激しいなら、お前の証言全部信用出来ねぇよ。「そうだ、あの時、オーナーは俺たちといた」とか、今更言いだす黒井もな。お前の証言も全部没。凶器が投げ捨てられた時間も不明に逆戻りだ。

 温泉だからルミノール反応が出ない。警察でもわからない!…と何か「やってやったぜ」的に回答編でやってるけど、その事実は犯人を突き止めるのに何の役に立つんだ?温泉入ればルミノール反応誤魔化せる!だから温泉に2度入ったあなたが犯人よ!!…アホか、お前は。何で「血液が染みついているであろう」とわかっている物件を相手にルミノール反応なんて見なきゃいかんのだ。直接、血液の検査するから大丈夫だ。もう、後は警察に任せろよ?温泉なんて要素なくても、ルミノール反応出た、お前犯人な!は無いしな、いくら何でも。血液検査して、誰の血液か調べなきゃ何の証拠になるんだよ、血液付着の事実が。「怪我して自分の血をふきました」という言い訳が通用しちまうぞ、それだと?返り血対策にタオルを使ったというなら、そのタオルを検査して、被害者の血液が確認できればいいだけの事ですよ、京香さん?警察の捜査舐めてますか?血痕の調査と血液の調査を混同してね、作者?

 というわけで、今回はスパイ編に出てきたペンションの見取り図を簡略化して、利用。あの画像にメモとか書くと何か著作権とか面倒くさそうだたんで、エクセルに簡略化して再現したぜ、全く。


18:30頃〜18:40頃まで(坂巻が死亡した可能性が最も高い時間)

 まず、確実に被害者、坂巻が生きていた、18:30頃。2階にいたのは坂巻だけなんですよね。

 18:35以降で1人で行動し坂巻を殺す事が可能だった人物は「みゆき」「オーモリ」「烏飼」。雪乃は1人で行動してる時間が多いとはいえ、客の多いラウンジで注文を受け、厨房と行き来しているので、有り得ないと考えていい。これでNGならトイレで少し出たとかでもNGになる。ただ、雪乃はドジなところを散々見せつけているので「多少厨房から戻ってくるのが遅くても」疑われる事は無かった。実際にはドジではないなら、少しは時間に余裕があるが…厳しいな、やっぱり。というわけで雪乃以外の3人。

 まず、真犯人とされている、みゆき。風呂からあがって自室に戻ったのが多分、着替え等考えると18:35頃。凶器は自室にあったんだろう。みゆきの部屋は坂巻と向かいですぐ近くなので凶器を取る事による時間ロスは極めて小さい。

 オーモリもいくら何でも受付もせずに自室に行ったりしないというか、鍵が無いから無理。というわけで、厨房にいた烏飼がカウンターまで出てきて受付をして、2階の自室に行くのがみゆきと同じく18:35頃か。ただし、オーモリが犯人であるなら、計画的だろう、多分。自室に行かず最初から凶器を持って坂巻の部屋に行けばいい。坂巻の部屋は受付した時に宿帳を見ればわかる。ただ、坂巻が部屋にいたかどうか、他の客がどこにいるのかわかってないといけない。となると、以前書いた通り。早くに到着して、外から様子をうかがっていた事になる。怪しすぎだろ。

 烏飼の場合、オーモリの受付をしているはずなので、オーモリ到着までのアリバイははっきりしている。とはいえ、その時間まで坂巻が生きていたのもはっきりしているんだが。状況はオーモリと同じ。オーモリが自室に入るのを見届けた後であれば、いつでも坂巻殺害可能。

 というか、回答編での「実は烏飼は風呂にいた」っていうのが正しいとしても、壊れていたシャワーを直す為に風呂場にいた、そして神林はシャワーを使った。京香は警報が鳴った時、烏飼は厨房ではなく風呂場から来たから早かったんだと推理している、が、「坂巻が死んでから凶器投げ捨てられるまでの10分犯人は何してたんだ?」以上に、「18:25頃にはもうシャワーを直し終えていたっぽい烏飼がその後20分も風呂場で何してたんだ?」だな。確かに烏飼は風呂場にいただろうけど、それは坂巻死亡前の事なんで「全くどうでもいい」事。風呂場にいようが厨房にいようが。むしろ、上述の通り、18:30頃に到着したオーモリの対応をした事の方が重要だろうと。対応したとはどこにも書かれてないけど、これも上述の通り「自分の部屋がどこかもわからない。鍵も無い」状態で自室に行けるわけも無いので、対応しているはずなんですよ、烏飼。一切証言出てこないけど。風呂場に行った事忘れていて、風呂場でシャワー直してるの目撃していたのに、それを忘れていた2人の客の存在を思えば、「オーモリなんて客記憶から消えていた」「ボッコちゃんの事しか覚えてない。誰が対応したかなんて覚えてるわけない」の方がまだマシ。というか、実際、オーモリの場合、本気で覚えてねぇだろ、誰が受付にいたか。顔見分けつかねぇとかとんでもない発言してるし。

 誰が殺したにしても、その時、最低でも1人は犯人以外の人物が2階にいた。そうでなくても1階のラウンジに人がワラワラいる状況なので、被害者が悲鳴をあげればバレる。やはり、「悲鳴はあげなかった」と考えるべきだろう。

 部屋には血は一切飛び散っておらず、被害者が倒れている床にこぼれている程度。生きている人間を「殺す」程度に刺して、部屋がとてもキレイ。以前書いた通り、いつ人が来るかもわからない状況で「失血死」を見届けてなんていられない、かといって「どうせ死ぬ」と死ぬのを確認せずってのも以前書いた通り、危険極まりない、どうすれば人は死ぬのかはっきりわかっていて、ダイイングメッセージなんて絶対残せないとわかってるなら話は別だが。即死させる何かの手段を用いて、その後、刺した?多分刺してないな…声もあげずに死んで、それを確認して即部屋を出た、所要時間1分ぐらいかな?。…でも、これ、もしかして、殺人者なんていないんじゃないか?「何か死体を見たら急にナイフで刺したくなった」とか、そんなだろ。真かまいたちなら。坂巻がどんな理由で死んだかはどうでもいい。「突然息を止めたくなった」で自殺に近い死に方をしたのかもしれないし、何か妖怪に取りつかれたのかもしれない。死因なんてどうでもいい。


18:40頃〜警報前

 おそらくもう坂巻は死亡した後。この時間に殺害されていたのだとすると、「みゆき」「オーモリ」「烏飼」に加えて「池谷」も犯人候補に加わる。ただ、誰が殺したにしても「何故このタイミングを選んだ?」になる。悲鳴もあげさせず殺す、もしくは謎の完全防音装備か何か付き。坂巻が凶器を持っていて、それを奪ったというのでなければ、殺害目的で坂巻の部屋に入った事は確かだろう。みゆきとオーモリの場合、自室で5分程何やっていたんだ?だし、オーモリの受付を済ませて全ての客が揃った事を確認した後の烏飼も同じ。このタイミングを選ぶ必然性が無い。それであれば30分〜35分の方がマシ。池谷も同じく。ラウンジで沙都美くどいてるヒマあったら、とっとと殺しにいけよと。…この時間帯に殺害されたとするのは無理がある。が、「突然殺したくなった」なら仕方無いと思う。もう、真かまいたちはどう接すればいいのやらだな、ホント。

 オーモリの部屋は消去法から、この部屋となった。みゆきの隣かよ。オーモリの体型で階段登ったりすれば、みゆきも気づくだろうし、坂巻の部屋のすぐ近くすぎる。悲鳴どうこう以前に、かなり勇気あるな、これで殺害するとは。理屈の上では可能なんだけど。


警報後〜18:50頃

 ほとんどの客が2階の自室。警報前から2階にいた客に雪乃が警報は誤報である事を伝えに。順番としては、「みゆき」>「オーモリ」>「坂巻」>「池谷」の順かな。みゆきとオーモリが対応して、坂巻と池谷は対応しなかった。池谷は雪乃が来た事には気づいたけど、無視したと発言。警報も聞こえていたらしい。

 警報前から2階にいた客が警報鳴っても自室に閉じこもったままというのは、未だ謎のまま。どうやら、警報は2階にも届いていたようだ。

 ちなみに、坂巻の部屋は玄関の真上なので、坂巻の部屋から凶器を投げると、玄関にいた黒井がそれを目撃するのは当然という事になる。

 凶器を投げ捨てたのは自分であると語った池谷の証言。どこまで信じていいかはわからないけど、40分過ぎに2階にあがり、坂巻の部屋にいく、42分頃かね?そこで坂巻が死亡している事に気づく。そして特に何も考えずに坂巻の財布やらを奪って凶器を投げ捨てたと。…ウソくせぇな。死体見て、悲鳴あげたりはしないだろうが、大声は出すだろ、ミステリ編とか見る限り。つまり、死んでると最初思わなかった。というか、刺されている坂巻を見てすら「ふざけてる」と京香は勘違いしたんで、池谷が見た時点では、「刺されてはいなかった」「死んでるかどうかわからなかった」。それで何だかんだで数分。残されていたボイスメモやら何やらを確認。彼は小説のアイデアを録音していただけだが、その内容が可愛い可愛い姪である京香への裏切りを思わせるものだった事から「削除」。削除している最中に警報。そこで雪乃が2階にやってきて、みゆきに伝えてる事に気づく。もう「自分の部屋に戻れない」し、この部屋を見られるのもまずい。坂巻の部屋に鍵をかけて閉じこもる。

 雪乃をやり過ごした後に、偶然何故か持っていた凶器で一突き、ついカッとなってやった。血流が止まっているので、血が大きく飛び散る事もなかった。何となく凶器を投げ捨てる。