批判、否定記事は多数ありますが、「肯定する理由」「支持する理由」というのは「敢えて語る必要が無い」為、語る人が少なく、「賛否両論のゲーム」の場合、ネット上では「批判が圧倒的に大きく、支持されていない」と勘違いしてしまいそうになるので、「支持する理由」を書いていく事にしました。「書くの面倒だから」という理由で、今回1回キリで終わる可能性もありますが。

KOF2003を支持するいくつかの理由

・改革がなされている

 変化の無いゲームに意味があるのか?それであれば、旧作をプレイし続けた方が対戦レベルもあがるし、よっぽど良くないか?
 2002など存在意義が理解不能(製作側も作っていて面白くないとまで言い出すような代物。つうかそんな発言をするのもどうかと思うが)な作品でしたので。
 2003を否定する意見の多くが「今までとの違い」であって、「旧作」との比較でしか成り立っていないものが多いのですが、変化したものがホントに「改悪」かどうかは…話は別だと思うのです。餓狼、龍虎、侍魂等…大幅なシステム変更が行われてきている中、KOFは96以降変化が無さすぎだったと思います。それはそれで1つの味なんでしょうが、毎年出る作品でそれだと…。
 ちなみに私も新作を否定する時は「旧作」との比較になる事が多いですし、その否定の仕方を「否定」するわけではないです。

・押しっぱなし必殺技の削除

 確実にリバーサル必殺技を出せるシステム。決してそれを否定するわけではない。「起き上がりリバーサルで技を出すか/出さないか」という攻防は「起き上がりリバーサルで必殺技を出せるか/出せないか」よりも、個人的には面白いと思ってます。
 ただし…ガードリバーサルや、のけぞりリバーサル等は「出すか/出さないか」よりも「出せるか/出せないか」の方が優れてると思ってます。
 2002まではガードされると3フレ不利の技は、相手が反応さえ出来れば「3フレ発生」の技で(届きさえすれば)確実に反撃を受けていました。が、2003では「まず反撃を受けません」。ガードリバーサルで必殺技を出す事が他のゲームに比べて何故か困難な為、「3フレ発生の技」で反撃しようなどとは普通考えません。
 これは何を意味するのか?「必殺技の硬直を全般的に長く出来る」という事です。2002までは、反撃を受けない技を作る為には「硬直を短く」する必要があり、バランスが悪くなりがちです。が、2003では「ガードされると不利で、相手に先に行動する猶予は与える。が、反撃は受けづらい」という技を作りやすくなってます。
 確定反撃が多い=攻め手が減る(攻撃パターンが減る)&攻め損という事になります。
 2002と2003で硬直差が変化していなくとも、2003では割と安心して出す事が出来るようになっていたりします。…まあ、元々、攻めているのが強いゲームではあるんですが、「連続技専用」としか解説出来ない技ばっかりだとうんざりしてくるので。

・先行入力大ジャンプの削除

 安易な読み合い放棄ですんで。GCであればゲージという犠牲を必要としますが。
 別にこのシステムを使う事を否定するのではなく、そんなシステムが存在していた事実がどうなのか?って事です。
 まあ、これが無くなった事による弊害もあるようですが、まずは「抹消」する事が大事だと思うので、そこを評価します。

・ふっとばしの削除

 ジャンプふっとばしまで削除するのはどうかと思ったが。地上ふっとばしは…必要あるのか?餓狼のライン飛ばしであれば、相手を別ラインに送るという意味がありますし、新豪血寺のごっつい攻撃なんてのも、「受け身しないと回復可能ダメージが消える」というシステム(かつ、受け身がKOFやRODよりも困難)なので、存在意義あるんですが。
 GCふっとばしが削除されるようであれば、それは私は否定したかと思います(GCふっとばしを安易な逃げと考える方がいるのは知っています。まあ、考え方の違いですな)が、ダウンを奪うという目的であれば「足払い」が存在してますし、特殊ダウンを奪うわけでもなく、結局は通常技の一種。
 XIで復活してしまいましたが、「存在していても問題無い」ので、まあ別にいいです。ファンの希望に応えたという事で。

・一部の必殺技の演出の短縮化

 喰らってるのを見てるだけという無駄な時間が減るのは…それは単純にいい事だと思います。っていうか、私の場合、当てた側だとしても「無駄な時間」と感じます。
 地獄極楽落としとか、狂拳とか演出長い技が残ってるのが残念ですが、限界はあるってことで諦めます。

・ワイヤーダメージの高速化

 2001のスバラシイ発明の1つ。昔から様々なゲームで採用されてきた「跳ね返り」を堂々と「新しい連続技の形」と言い張ってたわけですが、結局は空中コンボでしかなかったという(壁までの距離で違いは出ますが)。
 2002でカウンターワイヤーのみとなり、少し改良されましたが、根本的には何も変化しておらず…2003で跳ね返りが高速化し、追撃が難しくなり、壁との距離でかなり追撃の難度と使える技が変化し、ようやく「ワイヤーダメージ」が意味ある代物になったと思います。
 …カウンターが発生しにくい技にばっかりカウンターワイヤーが設定されてるのは何か間違ってるようには思いますけどね。

・連続技のダメージ補正

 補正の仕方にはかなり問題があるんですが、補正を設けた後自体は評価出来ます。
 硬直の長い技が多く、連続技に使うべしという超必殺技がやけに多いKOFシリーズ。が、「単発」の技は連続技に組み込むと威力が半減してしまう為、「連続技に組み込めても直出しした方がいい」という技が多数生まれ、技の使い分けという概念が成立しました。

・最初から3ゲージ

 連続技を使えない初心者が逆転する為という名目だった「スーパーコンボ」。でも、初心者ではゲージが溜められず、結局は初心者と上級者の差を広げただけという。というわけでスパIIX当時から「最初からゲージはMAX」であるべきと考えていました。カプコンは結局、ストZERO3でそれを採用したわけですが、KOFでも2003でようやく導入されました。
 もちろんん、KOFにおいては「最初からゲージMAX」である必要は無いです。が、最初からMAXであるからこその緊張感ある攻防や、いきなりの大ダメージを狙えるわけで、これも評価高いです。まぁ、私は「斬紅郎無双剣は剣聖でプレイするのが常識」という類のプレイヤーなんで。お互いにゲージが無いからこその独特の攻防が存在するのはわかった上で「最初からMAXが良い」と。

・割と大胆なキャラ削除

 どうにも「94以来のキャラは削除してはいけない」みたいな伝統が出来上がってしまっていて、メンバーが固定されていたKOFですが、2003では「アンディ」「ケンスウ」「チン」「チョイ」と4キャラ削られました(チョイはSVCに出演したというのもあるんでしょうが)。
 どんなキャラにもファンはいるわけで、削除しないですむならそれがいいんでしょうが、それが出来るわけもなく…今までのKOFは「新キャラが消える」という事が繰り返されてきました。つまり「公平」じゃなかったわけです。ただ単に「1作目」に出たというそれだけで「保護」されてきた事自体が異常。
 他のどんな改革よりも、確実に「批判」意見が出ることがわかっている事ですから、単純に「拍手」してはいけないんでしょうが、私は拍手します。消えたはずのキングが復活した事は支持出来ませんが、龍虎チーム自体がキャラが固定されており、新キャラを迎えるにしてもストーリー上「李」「カーマン」「テムジン」辺りしか出せそうになく、それらのキャラは「KOFでは有り触れた戦闘スタイル(テムジンは相撲の事を言ってるのではなく、投げキャラという意味で)」。仕方無いという面もあります。タクマかキングがロバートか…誰でもいいですね、こういう選択になると。誰が削られるかの違いだけで。

・変化していない基本操作

 「改革作品」は「操作自体を大幅変更」してしまう事がほとんどです。
 リアルバウトや斬紅郎無双剣、龍虎2、龍虎外伝、WHP…「ボタンの機能」自体が大きく変わってしまってます。天草降臨だとかRB>RBS>RB2なんていうのも、覚える事と忘れる事が多すぎです(RB2に至ってはRBSと違いすぎるシステムも影響して低く評価する人も多いですし、その評価の仕方が間違ってるとも思えません、実際。RBSになれたところで、またシステム変えられちゃうんじゃ…)。
 その点において、2003はボタンの割り振りは(94から)変化していなくて、そしてジャンプ、小ジャンプ、大ジャンプだとか変わっていないので、システムを把握していなくとも、とりあえず動かす事は出来ます。

・総評

 私の場合、「何の為に存在してるシステムなのか」「どんなゲームを作りたかったのか」等、「思考」面で評価してしまうので、「実際のゲームの出来」とは関係なく高い評価になる事が多々あります。
 2003の場合は「チームバトル」を意識したスピードバトルを高く評価しています。
 あまりにも未完成なリーダーシステムや、強すぎるかなーっていう交代攻撃(攻撃が強いので交代攻撃自体は評価出来るんですが、リターンが大きすぎるかなーっと)、(相変わらずの)投げが強すぎるシステムや、(シリーズ特有のものですが)リスクがほとんど無い「受け身」の存在や、発動しやすすぎる投げ抜け、ゲージを費やしてダメージを増やす意味しかないスーパーキャンセル等、改善されておらず(一部、XIで改善されてますね)、あまりにもテキトーなコンボ補正だとか問題点も多く含んでますが、「KOFが好きでなかった立場」の人間としては「KOFに復帰するきっかけ」となるゲームとなったという事で、かなり重要です。旧ファンを見捨てるかのようなゲームの作り方は実際良くはありません…が、(結果的になのか狙ってなのかは知りませんが)、それをフォローするかのように「NW」が発売されましたんで、まあ問題ないんではないかな、と?認められないのであれば、餓狼ファンが餓狼SPやRB2を侍ファンが初代侍や真侍をプレイし続けるかのように昔の作品をプレイし続けるという選択をとるしかないんでしょうね。


・次回は?

 SVC CHAOSか闘婚でも。SVCは「面白くない」と思ってますが、評価は高かったりします。闘婚は当初はかなり評価低かったのですが、システム構成等、改めて見直してみると「かつてのKOFよりかなり考えて作られて」おり、実は結構良く出来ているという事で。