今回は羅刹丸というステキすぎる名前について。

 羅刹丸の設定自体が不可解というのはキャラ紹介のとこに書いた通りで、魔界と覇王丸の関係を考えれば覇王丸を殺そうとする羅刹丸…反面の覇王丸を作る理由が無い。あるとすれば、アンブロジァ…ユガに恨みを持つモノですか?だとしても、覇王丸1人を殺したいのであれば効果的とは思えません。

 しかし、今回はそんな事よりもこの素敵な名前です。羅刹…ラクシャーサ。つまりは「鬼」ですね。では、丸は何なのか?覇王丸の丸なんでしょうが…そんな適当な名前の付け方でいいのか…

 知っての通り、覇王丸というのは本名ではなく、本人が勝手に名乗ってるだけです、設定としては。では、現実世界…つまりサムライスピリッツチームというか覇王丸の名付け親はどういう意図でこう名付けたのか。

 覇王丸のモデルは「どろろ」の百鬼丸。これも割と知られたネタだと思いますが、つまりは「覇王」は主人公として強そうなイメージで、そして「丸」は単純に百鬼丸から持ってきているかと思われます。

 さてさて、しかしこのネーミング、実は問題あります。学のあるという設定の覇王丸なので、かなりの問題が。つまり「丸」とは何か。

 歴史上の人物で最後に「丸」がつくというと「牛若丸」「梵天丸」「日吉丸」などなど。つまりは幼名に多く見られる「単語」です。

 この「丸」とは結論から言うと糞放る…転じて「おまる」。つまり、現代でも使われている「携帯用便器」。これは倭国だけではなくアイヌでも同じ傾向が見られるようでわざと汚いモノの名で子供を呼んでいたようです。というか、日本やアイヌだけでなく世界各地であるみたいですね。

 理由は簡単。子供は弱い、そして可愛い。その弱くて可愛い子供に対して「魔なるモノ」「悪しき神」が悪さをしないように「可愛くない汚らわしいモノ」として呼ぶ…つまりは「魔除け」の意図があったようです。だからこそ、「丸」は幼名に多く見られるわけです。

 では、百鬼丸は一体何なのか?…百鬼丸は親の陰謀により生まれてすぐに魔なるモノに体の部品を奪われてしまいます。そして100の鬼を倒しながら自分の体を取り戻すという設定。だからこそ「百鬼丸」なんだと思います。手塚治虫先生が「丸」の意味をわからずに名付けた可能性もあるにはあるんですが…。

 と、なると………学のある覇王丸先生は何故に自ら「覇王丸」などという恥ずかしい名前を名乗るのか。しかも魔なるモノにやたらと好かれてますし、さっぱり魔除けの効果がありません。でも、魔物に好かれる体質(半陽の男&黄珠魂の持ち主だからですか?)だからこそ、「強い」という事で「覇王」を名乗り、更に効果を高める為に「丸」をつけた…つまり魔除けの意味を込めた名前が「覇王丸」と受け取る事が出来ます。

 しかし羅刹丸はそうはいきませんよね。魔界出身の化け物が「羅刹丸」を名乗る。そしてその意味は「鬼+魔除け」という意味不明な代物。人間に対して「丸」など意味が無いという侮蔑を込めてるとも言えますが、だとしても「覇王丸」の影にしてはあまり面白い名前とは思えません、羅刹を名乗ってるだけに。人間界の事なんか知らんつう魔族がてきとーにつけた名前ですか?だとすると羅刹丸…かわいそーですね。こんな不可解な名前貰っちゃって。反面のナコルルはラセツルルですか?反面のズィーガーはラセツィーガーですか?反面の閑丸は…羅刹丸?