「今日はですね、特別雑記って事で、ネオジオの思い出なんかを」
 特別?
「らいぶらりぃのその他テキスト用って事で。まずはネオジオとの出会い」
 それは何回も聞いたー。餓狼の話の時に。
「でも、ここから始めざるを得ないんで」

 対戦格闘に興味無くて…当然、餓狼伝説にも興味なんかなくて。メガドラファンだっけ?
「えぇ、メガドラファンの読者投稿コーナーで餓狼伝説の感想とか読んで「ほぉ、SFC版より出来がいいのか」と。当時、普通の「任天堂嫌い」な学生だった私としては、それだけで興味持ったんですね、えぇ」
 っていうかさ、タカラのアレと比べれば、そりゃ、ね。
「でも、2とかSPに比べればまだマシですよ」
 それは初代のオリジナルが出来悪いからだ。
「まあ、詳しい事情は当時わからないし、ホアとビリーがいないとか言われても、知らないキャラがいようがいまいがそんな事どうでも良かったし」
 ホアはともかくビリーを外す選択がわからないとか、当時から言われてたのに、何の事か意味がわからなかった。ステキすぎです、それ。
「でも、興味こそ持ったけど、買おうとは思わなくて…でも、ゲーム好きだけど、オタク的ではない真面目な学生さんだった私はね、バイトもしてたし金が余ってたんですね。で、プレイするゲームも無くって…」
 っていうか、オタク的じゃない人が当時のゲームハード全部買うとかするんでしょーか?
「どうでしょうか?まぁ、何か買うゲーム無いかって時に見かけてしまったのがメガドライブ版餓狼伝説」
 そして伝説が始まるわけですね。運命の出会いってヤツですね。
「ちなみに吉祥寺のとあるゲームショップ。金余ってるし、プレイするゲームも無いし、何か評判も悪くないしと…」
 餓狼、SNK、ネオジオ、対戦格闘…ここで出会わなきゃ無駄遣い起きなかったんだろーなー。

「途中省いて、らんまの爆烈乱闘篇がかなり好きなゲームだったんで、対戦格闘は初めてだったわけじゃないですが、コマンド入力式は初めてなわけで…まぁ、戸惑いつつもギースとテリーに惚れたわけですよ。スト2のクソなキャラと違って生きてるキャラに。
 いきなりカプコンファンに喧嘩売らないで下さい。
「スト2も少しだけ触れてはいた。でも、キャラが生きてない。バックストーリーが貧弱。そもそものキャラ作りが下手すぎで、ネタキャラしかいない…惚れ込む要素が全く無いゲームでしたんで、対戦格闘との接点は断たれたはず…だったのに」
 餓狼伝説に出会っちゃった。
「最初からキャラとストーリーを全面に押し出してましたし、ギースの格好良さは異常ですよ」
 初代のギース様は格好いいよね。アメリカンなのに袴っていう。烈風拳と当て身投げも格好いいし。
「で、テリーはテリーで素直に格好いい。OKの勝利ポーズは惚れるに十分。しかもヒーローでありながら割とダーク。スト2はガイルは見た目とか戦闘スタイルいいかなって思ったんですが、他のキャラが濃すぎて…」
 ファイターズヒストリーが濃い濃いって言われるけど、実はスト2キャラの方がよっぽど濃いっていう現実。
「濃いんですよねぇ。未だにスト2キャラは好きになれませんし。ZEROキャラは好きなキャラ多いけど」
 ネオジオの話じゃないよ、それは、でも。
「えとねー。餓狼2にはギース様がいないっていう事実があったんで、いくらテリーがいるって言ってもまだ餓狼シリーズとネオジオに興味を抱くには至ってないわけっすよ」
 でも、その判断をした直後に………餓狼伝説SPECIALのタイトル発表。…ワナだよね、これ。
「ワナですよー。ギース様が登場!?…計算始まりましたね。SFC移植されるのはほぼ確実。でも、餓狼伝説の出来の悪さは聞いてる。ロクな出来にならないのはほぼ確実。しかも…」
 未だに餓狼2でさえSFC版は発売されてない。餓狼SPはタイトル発表されたばっかり。半年後くらいにゲームセンターでデビューしたとしてSFCに移植されるのは普通に考えて1年以上先。
「待てるのか?そんなに待てるのか。ゲーセンに行くなんて選択肢は無い。計算します…選択肢は3つある、と」
 5つぐらいあったと思うけどなー。
「3つでした」

 買わない。ゲームセンターデビュー。メガドラに移植されるのを待つ。
「そんな選択肢は無かった。期待してたのはPCエンジンだったんですよ」
 アーケードカード…ね。
「今回の雑記では割と大事な部分なんです。当時の私はPCエンジンが一番好きなハードでした。でも、アーケードカードなんて代物に興味は無かった」
 だろーね。ゲームセンターのゲームの移植?対戦格闘が主?あんまし用は無いよねー。
「記憶曖昧なんですが、アーケードカードがいつ発表されたかは覚えてません。ただ…記憶に残ったのは」

ハドソンとSNKが協力!ハドソンはCD−ROMの技術をSNKに提供する。その代わりにSNKはSNK作品のPCエンジン移植に全面協力

「つう」
 実際、SNKは多分かなり力貸してくれたんだろーねー。PCエンジンなんて性能悪いマシンで…当時のマシンでネオジオ版にかなり近い代物作っちゃったんだから。
「PCエンジンのネオジオ移植作品は読み込みこそ遅いですけど、凄い完成度ですよね、実際」
 PCエンジン…ハドソン、NECサイドは餓狼2の人気にすぐに目をつけて「売り」に出来るタイトルだって判断して、SNKは「家庭用ネオジオでの餓狼2の売れ行き」で「これならもっと価格下げれば…CD−ROM媒体で提供出来ればもっと売れる」って考えたんだろね。この時点でもうネオジオCDの構想があるってのがわかるなー。
「そーですね。でも、ネオジオCDが公式発表されたのはこの後、もうちょっと経ってからですし。つうわけで、私としては天外3が発売されるであろう媒体であるアーケードカードを購入して、それで餓狼SPでもって思いもあったんです」
 っていうか最有力?
「ただ、餓狼2が未だに発売されてない現状っていうのがどうしたって気になって。で、頭に浮かんだのは「ネオジオが安くなった」っていう記事。いつ読んだのかは覚えてないんですが、その記事でネオジオって存在を初めて知って…そのまま記憶から消えたんですが」
 ネオジオって選択肢も有り得る。…いや、有り得ないって普通。どーいう頭してるとそーなるんだ?
「その記事だと、業務用ゲームと同等の性能のモノがこの値段。安いと感じるか高いと感じるかはその人次第みたいな記事だったんですが、はっきりいってね…PCエンジンの値段考えると」
 ……安い、ね。PCエンジン本体なら大した価格じゃないだろーけどさ、CD−ROMハード込みってなると…。
「DUO−R、DUO−RXってどんどん安くなっていきましたけど、それはそれとして。はっきりいって本体価格はそれ程でもないと思いました」
 問題は…買う価値があるのか。餓狼SPだけの為に買う価値があるのか。ソフトも高い。
「いや、そこは問題じゃなかった。餓狼SPつうかギースの為にだけ買う価値はあるって思ってましたから」
 …………金の余ってる学生はこれだから。
「でも、余ってるって言っても土日にバイトしてただけだし、今まで貯めてた分とあわせて実際、ネオジオ買った時点で消えましたよ」
 ギース様の魅力か。ん、知ってるよ、祐里が買うかどうか悩んだ部分がどこかって。何度か聞いた話だから。レバーだって。
「レバーなんですよね。どうやらネオジオのコントローラはレバーらしい。今までパッドしか使ってきてないんでかなり抵抗ある」
 …ネオジオCDの標準コントローラがパッドって市場調査の結果だったのかな、もしかして?
「実際、当時の家庭用ゲーマーはレバーに抵抗ある人いっぱいいたと思いますよ」
 PCエンジンに移植されるのを待つか、レバーに耐えてネオジオを買うか。
「ただ、ネオジオ売ってるようなマニアックな店、どこにあるか知らなかったんですがね」
 ところが…近所のディスカウントショップでいきなりネオジオ扱い始めた!どーいうディスカウントショップだ。
「驚きですよねー。主な利用客は小中学生なフロアで何故かネオジオ。1日悩んで…結局、翌日買いにいって」
 でも、餓狼2が置いてなくて買うのやめて…。
「そうなんですよねぇ。いきなり餓狼SPはまずいから、まずは餓狼2でレバーに慣れてと考えて、テリー以外用無いけど、まーいーやって」
 っていうか誰がいるのか知らない。どーいうゲームかさえ知らなかったって前に聞いた。
「知りませんでしたね、えぇ。事前に知る必要なんか無いっつうか、どこに情報あるんだかわからなかったし」
 開発中の移植版の記事とかさー。
「とりあえず、ゲーメストなんて雑誌は知らなかった。ショップ側はさ、ソフトの値段が高いんで、注文があったら取り寄せるとか言っててさ。でも、翌日だったか翌週だったか次に行ったら餓狼2置いてあんですよ、普通に」
 即買い。
「即買い」
 オタク要素十分です。
「つうわけで、とりあえず第1部完って事で」
 第1部って何だ…?
「ネオジオ買ったとこまでが第1部」