草薙京プロローグ
轟音が耳に響いた瞬間、辺りの景色は色を失い、やがて闇に溶け込んでいった。
闇の中で何か冷たい滴のようなものが全身を打つ感覚がしばらく続いた。
その感覚が不意になくなった時だ。全身はけだるかったが、瞼を開くことはできた。
ようやく得た視界に映ったのは、目の前に迫る何者かの手の平だった。そして、再びすべては闇に飲み込まれていった。次は意識もろとも闇に連れて行かれた。
どれくらい眠っていたかわからない。未だに辺りは闇に包まれたままだ。
しかし、今の俺は確かに目覚めていた。
時折自分の中から何かが吸い上げられていく感触がする。気分が悪い。その合間に今の自分の状況とは何ら関係ない知り合いの姿がフラッシュバックする。次にやって来たのは声だった。誰だかわからない声で『君は草薙京か?』とか『君のデータをいただく』といった、よく分からないことを言ってくる。かと思えば『クリザリッド』やら『K’』といった、誰かが誰かを呼ぶ声が耳を通じて頭に響いては通り過ぎた。
だが、俺は何を聞かれてもすべて無視した。自分から何かを答えることだけは絶対したくなかったからだ。
いつまでこうしているんだと思っていた矢先に変化は起こった。
『鼓動』が聞こえた。俺自身の鼓動だった。同時に体の中から懐かしい暖かみがよみがえってきた。血だ。血が通い始めている。鼓動は激しさを増し、耳をふさぎたくなるほどになっていった。その中で誰かが俺を呼ぶ声がした。鼓動の方が大きくてなかなか聞き取れない。鼓動は次に色々な音を取り込んで、何かが爆発するような音へと変化していた。呼び声はかすかだが確かに聞こえていた。誰かが呼んでいる。『京』と。
呼び声と同時に遠くにかすかだが、光が見えた。
俺はそいつが何かを確かめるために目を凝らそうとした。が、光は一瞬にして広がっていき、辺りの景色を映し出した。
辺りは一面火の海だった。煙が充満し、息が苦しい。警報も響いていた。目が見え、耳がはっきり聞こえるようになってから、烈しくなっていく鼓動が辺りで炎を吹き上げる爆発音だったということに気付いた。目の前に男が立ちふさがった。
「俺を呼んでいたのはてめえか!」
男は何も答えようとしない、と言うよりは完全におびえていた。男の襟首にマークが見えた。
『N・E・S・T・S?』
それが何を意味するものなのかを聞こうとした瞬間、爆風が俺とその男を襲った。
どれくらい意識を失っていただろう、いや、ほんの一瞬だった。煙がおさまったところで、俺は数ブロック先まで吹き飛ばされていたことに気付いた。
今度は爆風ではなく、そこらじゅうでガラスが割れる音がした。床には何か液体がこぼれ落ち、それが蒸発していたらしく、辺りはむせ返る暑さだった。なんとかここを出なければ、思ったちょうどその時、足元に何かが当たった。
「!」
死体だ。それも自分の死体だ。
足元だけじゃない、部屋中に俺が、俺の死体が転がっていた。
このときに俺は全てを悟った。闇の中、何者かの問いかけの意味の全てを。
「なめやがって!!!」
拳から炎が吹き出てきた。だが、一気に吹き出しはせず、煮えきらない炎がくすぶり続けた。
「やつら力まで!」
もうどうでもよかった。とにかくありったけの力でその部屋に炎を浴びせた。
轟々と燃えるその炎の奥から、俺を呼んでいたあの声が今度ははっきりと聞こえた。
「京ォォォォォォォォォォォォ!!!」
考えるまでもない、ヤツの声だった。
俺はその場をあとにした。さらに烈しい爆発音が俺をあおった。
「NESTS、高くつくぜ!!」
拳の炎は、俺に何かすがるかのようにくすぶり続けていた。
ゲーム内会話
対クリザリッド戦(中ボス)
京
「どこまでおりて行くんだ?」
「さあ・・・」
「・・・せよ!応答せよ!ラルフ!クラーク!返事をしろ!」
「だめか・・・」
「ロストしてどれ位だ」
「ジャスト三分です」
「コマンダー」
「世界各地で国籍不明車両が移動中!不審な行動をとっています!」
ハイデルン
「どういうことか?」
「鮮明ではありませんが、衛星からの画像を出します!」
「拡大します」
ハイデルン
「これは・・・草薙京!」
「不審車両からおりたところをとらえました」
「同じような現象が各国で確認されています」
『裏大会として開催されたとしか考えられない今回のKOF。各国に存在する草薙京。一体何が・・・・?』
「何とかラルフ達と連絡を取れ!ロストしたポイントは?」
「ポイント・・・・70599です」
「やっと止まった」
「どれくらいおりた?」
「さあ・・・。何!?」
『お待ちしておりました。ただいまより決勝戦を行います』
「どういうこと?」
京
「真打ち登場か・・・・。やってやるぜ!」
対クリザリッド戦(大ボス)
『戦闘データ転送完了』
「ご協力感謝する」
京
「協力したおぼえはねえ!」
「私はクリザリッド。君たちの戦闘データは私たちの兵器に転送させてもらった」
「データ?兵器?これはKOFじゃ?」
クリザリッド
「君達を呼び寄せるのにKOFの名を使った」
同時刻
「各隊配置完了しました」
ハイデルン
「よし、草薙京を全ておさえろ。ロストポイントにはアックス小隊を送れ。私も後から行く」
「コマンダー!ロストポイント周辺で衛星が音声をとらえています!」
ハイデルン
「スピーカーに出せ!」
京
「俺達のデータをどう転送した?」
クリザリッド
「先ほどの戦闘だ。私の体を通じて各地に転送された」
京
「何のために?」
「私たちの兵器を稼働させるためだ。これを見たまえ!」
京
「・・・・俺!?」
クリザリッド
「オロチ戦直後に捕獲した君から作った。どうかね?感想は?世界の重要都市に配置した彼らを一斉に動かし、世界を私達の組織の元でコントロールする」
京
「なんだと!?」
クリザリッド
「だが彼らを動かすには最後のトリガーデータを入力しなければならない」
「トリガーデータ?」
クリザリッド
「人をどう殺すかというデータだ。もうしばらく私につきあってもらうよ」
クリザリッド戦後
※主人公チーム参照
エンディング
エンディング一覧
個人データ
草薙 京(声優:野中政宏)
名前 | 草薙 京(くさなぎ きょう) |
格闘スタイル | 草薙流古武術+我流拳法 |
誕生日 | 12月12日 |
年齢 | 20歳 |
出身地 | 日本 |
血液型 | B(RH−) |
身長 | 181cm |
体重 | 75kg |
趣味 | 詩を書くこと |
好きな食べ物 | 焼き魚 |
得意スポーツ | アイスホッケー |
大切なもの | 単車、彼女(ユキ) |
嫌いなもの | 努力 |
勝利台詞
対主人公チーム
教えてやれることは何一つないぜ。こっちが聞きたい位なんだからな!
対八神庵チーム
ここまで追ってこれるとはな。あきれるどころか敬意を表するぜ!
その他
まさかとは思うが、偽物なんかにだまされてないよな?
やるべきことはまだあるはずだぜ!負け惜しみならその後にしな!!
どうしようもないのろさだな。動きが全部止まってみえるぜ!!
必殺技
百式・鬼焼き
お馴染み無敵対空技。安心して使える対空技があるっていいですねぇ。
「おおりゃ」
R.E.D.KicK
独特の軌道の飛び蹴り。
「こっちだぜ」
七拾五式・改
蹴り2連発での浮かせ技。大蛇薙で追撃できなくなったのは痛い。
「ふっふっ」
四百弐拾七式・轢鉄
琴月の代わりに追加されたダッシュアッパー。弱と強で全然別の技になるけど、とりあえず琴月よりは使いやすい。弱なら弱技から連続技になるし…
「もえろぉ」
百拾四式・荒咬み
炎のパンチ。
「ボディがあまい」
百弐拾八式・九傷
荒咬みから派生するアッパー。
「あめぇぜ」
百弐拾七式・八錆
荒咬みもしくは九傷から派生する中段の肘落とし。
「がらあきだぜ」
百弐拾五式・七瀬
八錆、九傷から派生する弐拾七式改といった感じがするステップキック。
外式・砌穿ち
八錆から派生するダウン攻撃。
百拾五式・毒咬み
炎のストレート。
「くらえぇ」
四百壱式・罪詠み
毒咬み後にのみ出せる…裏拳…
四百弐式・罰詠み
罪詠みの後にのみ出せる何だかよくわからん体当たり…肘打ちかもしんない。
九百拾式・鵺摘み
通常技感覚のアッパー。これだけだったらまるで存在意義がないが…アッパーが出る前に打撃技を受けると自動的に下の技に移行して反撃してくれる。つまり格ゲーでいうところの当て身技にフォローとして打撃判定も出現するという技である。
「なめんな!」
外式・虎伏せ
鵺摘みが発生する前に上段攻撃を受けるとこの技になる。
外式・龍射り
鵺摘みが発生する前に下段攻撃を受けるとこの技になる。
裏百八式・大蛇薙
草薙パワーを吸い取られた影響か、出が遅くなって使いにくくなってしまった。
「うおおおおおお くらいやがれぇ」
百八拾弐式
無式は吸い取られてしまったので…って技って吸い取れるもんなんかぁぁぁぁぁぁ!ってのはどうでもいいとして超轢鉄って感じのダッシュアッパー。轢鉄からスーパーキャンセルでつながるのが割とおいしい。
「うけろ!このブロォ」
八神庵プロローグ
粘りのある液体にまみれて何かが引きずられている音がする。跡をたどると、通路には真っ赤な、いがんだラインが遙か先まで続いている。
「止まれ!」
ラインをたどってきた男たちが銃を構える。
男が振り返る。
「俺に言ったのか?」
男の言葉に返事はなかった。
「いいだろう、だが質問に答えろ。ヤツはどこだ?」
答えはない。代わりに銃の数が増えていく。
「フッ」
意に介さずに歩き始めようとする男。銃の射撃動作に入る男たち。
「!!!」
一瞬の出来事だった。引き金を引こうとした男たちの前に重く生臭い塊が放り投げられた。塊は自分たちの仲間だった。次は風が吹いた。何か重くとがったものをはらんだ風が、ある者には顔に、ある者には腹をかすめるように薙いでいった。
瞬間、風になでられた者は、それぞれに己の人生の中でも高く、無惨な悲鳴を上げていた。警報が響く。男は歩みを止めようとはしない。目の前に現れる男たちの盾を軽くあしらっていく。そのあとには生臭い血の塊だけが積まれていった。
後ろで何かが爆発した。
一面は火の海。
男は臆することなく、前へ前へと進む。目の前に立ちふさがる炎も、己の拳から出す蒼い炎でなぎ払っていく。
なぎ払った炎の中に人影が浮かんだ。男の顔に笑みが浮かぶ。
「ここにいたか試させてもらうぞ!!」
背を向けたかのように見えた瞬間、
「いくぞ!ごぉぉぅぅぅぁぁああああ!!」
男がその影との距離を見る見るうちに縮めていく。炎をまとった拳はその影の頭部に叩きつけられた。骨の砕ける音がする。
『違う!』
違和感を抱きながらも手を首へと移し突き上げる。頂点で吹き出す炎。先ほどまで人影だったものは、燃える塊となった。
「違う!どこだヤツは!?」
先へ進もうとした男の前に扉が立ちはだかった。塊を投げ捨て、その扉を蹴破る。
「チィッ!」
顔、姿、全て同じ男たちが並んでいた。その姿に見覚えもあった。
「どういうことだ、京!」
背後から声が聞こえる。
「た、確かです。あの男です!や・や・やがああっ!!」
喉笛に深く食い込む指、いやな音をたてていく。
「お前は知っているのか?どこだ?ヤツはどこだ!」
「し・し・し・しぃっら!」
答えを言い終えるまでに男は息絶えた。
息絶えた男の装備品から手榴弾をもぎ取り、整列する『京』に投げ捨てる。烈しい爆発音が響き、『京』たちは黒い塊へと変化していった。
「ここも同じか。どこだ!?どこにいるんだ!!!」
塊に向けて炎が投げつけられる。煽られて炎の勢いが増し、部屋に爆発音が響く。
「京ォォォォォォォォォォォォオオオオオオ!!!!」
爆音がかすむ程の声が響く。理性を飛ばしてしまったあのときの叫声とは違う。腹の底から湧き上がる『八神庵』という男の絶叫だった。
ゲーム内会話
対クリザリッド戦(中ボス)
「どこまでおりて・・・・・?」
「さあ・・・」
「・・・せよ!応答せよ!ラルフ!クラーク!返事をしろ!」
「だめか・・・」
「ロストしてどれ位だ」
「ジャスト三分です」
「コマンダー」
「世界各地で国籍不明車両が移動中!不審な行動をとっています!」
ハイデルン
「どういうことか?」
「鮮明ではありませんが、衛星からの画像を出します!」
「拡大します」
ハイデルン
「これは・・・草薙京!」
「不審車両からおりたところをとらえました」
「同じような現象が各国で確認されています」
『裏大会として開催されたとしか考えられない今回のKOF。各国に存在する草薙京。一体何が・・・・?』
「何とかラルフ達と連絡を取れ!ロストしたポイントは?」
「ポイント・・・・70599です」
「やっと止まった」
「どれくらいおりた?」
「さあ・・・。何!?」
『お待ちしておりました。ただいまより決勝戦を行います』
「どういうこと・・・?」
庵
「面白い・・・・。けちらしてやる」
対クリザリッド戦(大ボス)
『戦闘データ転送完了』
「ご協力感謝する」
庵
「協力?おまえは?」
「私はクリザリッド。君たちの戦闘データは私たちの兵器に転送させてもらった」
「データ?兵器?これはKOFじゃ?」
クリザリッド
「君達を呼び寄せるのにKOFの名を使った」
同時刻
「各隊配置完了しました」
ハイデルン
「よし、草薙京を全ておさえろ。ロストポイントにはアックス小隊を送れ。私も後から行く」
「コマンダー!ロストポイント周辺で衛星が音声をとらえています!」
ハイデルン
「スピーカーに出せ!」
庵
「俺達のデータをどう転送した?」
クリザリッド
「先ほどの戦闘だ。私の体を通じて各地に転送された」
「何のために?」
「私たちの兵器を稼働させるためだ。これを見たまえ!」
「これは・・・」
キム
「京・・・・!」
クリザリッド
「オロチ戦直後に捕獲した彼のクローンだ。本物には逃げられてしまったがね。世界の重要都市に配置した彼らを一斉に動かし、世界を私達の組織の元でコントロールする」
庵
「ふざけるな・・・・!」
クリザリッド
「だが彼らを動かすには最後のトリガーデータを入力しなければならない」
「トリガーデータ?」
クリザリッド
「人をどう殺すかというデータだ。もうしばらく私につきあってもらうよ」
クリザリッド戦後
※主人公チーム参照
エンディング一覧
個人データ
八神 庵(声優:安井邦彦)
名前 | 八神 庵(やがみ いおり) |
格闘スタイル | 八神流古武術+本能 |
誕生日 | 3月25日 |
年齢 | 20歳 |
出身地 | 日本 |
血液型 | O |
身長 | 182cm |
体重 | 76kg |
趣味 | バンド |
好きな食べ物 | 肉 |
得意スポーツ | 全部 |
大切なもの | 新しい彼女 |
嫌いなもの | 暴力 |
勝利台詞
対主人公チーム
キサマが俺に勝つことなど無理だ。所詮はヤツの亜流なのだからな!!
対草薙京チーム
ここで出会えるとはな。今は神とやらも信じてやっていいくらいだ!!
その他
自分でどうにかすることだ。とどめまでさしてやるヒマはない
キサマらでは無理だ。・・・・ヤツでなければな!
おまえじゃない・・・・、ヤツは・・・・どこだ?
必殺技
百八式・闇払い
お馴染みの地を這う飛道具。この技もえらく性能が落ちたもんである
「どうした」
百式・鬼焼き
安定した対空技。無敵があるというのはいい事だ。
「おおぉぉ」
百弐拾七式・葵花
ダブルアッパーハンマーパンチ。
「ほっふっはっ」
弐百拾弐式・琴月 陰
突進肘打ちから相手を地面に押しつけ、そのまま爆発させる技。
「ごぉぉ しねっ」
参百拾壱式・爪櫛
小ジャンプ殴りで一種の突進技。キャンセルで葵花が出せるのが利点。
「チッ」
屑風
ダメージ0の崩し投げ。
「おあぁぁ」
裏百八式・八酒杯
どう見ても闇払いだが…本人が八酒杯だと言う以上は八酒杯なのであろう。
「らくにはしねんぞ!」
禁千弐百拾壱式・八稚女
MAX版でも暴走しなくなったが…それでも八神の代名詞的な乱舞技。
「あそびはおわりだ! なけっ!さけべっ!そして しねぇぇ」
裏参百拾壱式・析爪櫛
爪櫛で相手を地面に押しつけ、相手を持ったまま鬼焼きする技。プロローグで試しに使ってた技はこれだと思う。
「いくぞぉ おぉぉぉぉ」
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