風雲黙示録の紹介

 タイトルの知名度だけなら武力よりも上。でも、真面目に紹介される事が無いという点で、ポリゴン侍よりも地位が低い本作。
 今回は少し真面目に何で「人気が無かった」のかを紹介してみようと思います。現実としては中身がどうこうという話ではなく、見た目の印象が大きくて触れてさえ貰えてないんで的違いだったりもするのはわかってますが、敢えて。まずは昔書いた雑記を。風雲に関してはかなり書いているんですが、その中から「何でプレイして貰えなかったのか」を語ってる部分を。

 何でそんなにウケなかったのか疑問!
「んー?雰囲気っていうかイラストがまず、ね。こぉぉぉぉ」
 波紋練ってる?
「こう、何ていうか餓狼3は痛かったね…ヴァンパイアハンター面白いよね!ってとこで、いきなりアレ出されてもねぇ。っていうかキャロルがね、うんキャロルがね…見たくなかったね、うん。キャロルはダメだよね、キャロルは」
 んー…何がそんなにウケなかったのかよくわかんないんだよね。ボクから見て…餓狼とか龍虎とキャラの濃さって一緒に見えるし。今、プレイして見て…普通に餓狼SP系のゲームに思えるし。
「そーですね、ゲームは「意外すぎ、っていうか意外だろ」っていう感じで完成度高いですね。餓狼よりはライン逃げしにくいですし。避け攻撃と書いてよけ攻撃だし、超必殺じゃなくて逆転だし」
 超必勝技とか意味わかんないのよりは逆転技の方が意味わかりやすい。逆転出来ないかもしんないけど。
「まあ、だからキャロルなんですよ。アレがですね、人避けになってたんです、こぉぉぉ…沖縄のシーサーとか…魔除けみたいな」
 …そんな、キャロル1人でそこまで効果あるとも思えないし…そんなに濃くないって、イラストも。
「ナコルルとかユリとか美少女に見慣れてしまった当時の対戦格闘プレイヤーから見てキャロルは一目見た瞬間に却下。っていうか空手+ブーメランは却下。まあ、後は…実際には…当時のスタッフが言ってた通り、初心者向けというか初心者救済みたいな感じで「わかりやすい」ゲームになってるんですが、あの特殊操作系は見ただけで「覚えろというのか、これを?」と拒否反応示します」
 多いよね、見た目は。実際のとこそんな事無いのに。ラインアタックだけで大量にあるからいけない。
「ただ、あれを通常技と考えれば別にどうって事も無いんですよね。で、やっぱりね…ライン間で高低差があるっていうのも…「面倒そう」っていう。実際…見た目だけなんですけどね、所詮2Dなんで」
 …何かつまり「キャラがだめダメ…システムも複雑そう…何かつまんなそう」って。
「ある種の奇跡ですよね」

 でもさでもさ、風雲黙示録の公式ストーリー…21世紀に入り20世紀では考えられなかった組み合わせの格闘技が次々と誕生した!っていう。これって…RODの予言だったんだね!!
「ボクシング+悪魔払い、体操+悪霊憑き…確かに20世紀では考えられなかった組み合わせ。っていうか体操+悪霊憑きに至ってはどっちも格闘技でない」
 で、それを見たジャンリュックは、これだ!私の求めていたものはこれだったんだ!で、ジムナスアーツ誕生。
「何てこった。ブレイカーズとかアシュラバはまだネタにしてもらえた分、幸せと言えば幸せ。風雲は…基本的に無視されてましたから。空手+ブーメランっていうネタだけはちょこちょことあったりはしましたけど。ダンの新技とか」
 所詮…所詮、その程度…風雲の扱いはそんなもんか。

 というわけで、キャロルの事はともかくとして、ゲーム全体からひしひしと伝わる「複雑そう」な雰囲気がかなり「不人気」に影響していたと思います。
 この基本操作を見て「プレイしてみよう!」と思えますか?(当時はKOF94や餓狼3等の時代です。今ならこの程度大した事ないんでしょうが)

 前方ダッシュ      :→→
 後方ダッシュ      :←←
 超前方ダッシュ     :↙→→
 超後方ダッシュ     :↘←←
 ラインアタック     :ABorD
 大ジャンプラインアタック:↓↑ABorD
 ステップラインアタック :↙or↘ABorD
 スーパーラインアタック :→←↙↓ABorD
 避け攻撃        :防御中→AorB
 殴り返し        :投げで掴まれた瞬間AorB
 投げ返し        :投げで掴まれた瞬間C
 武器投げ        :BCorABC
 武器跳ね返し      :武器攻撃で武器は跳ね返す事が可能

 こんな操作コマンドが記述されていて、画面を見ると「立体的」。餓狼であれば2ラインと言っても、手前と奥なのでわかりやすいんですが、風雲の場合は上と下。この「高低差」がゲームにどういう影響を与えるのか「考え」たくもないわけです。
 魅力的なキャラも見当たらず、結果…プレイする気がしないという事になります。
 紹介のされ方も「今までのネオジオ対戦格闘の集大成」みたいなものでしたので、わかりにくさが倍増です。  実際には高低差のあるラインは、ほぼ見かけだけであり、一部ステージでは一応「上ラインから下ラインに落下する」という概念がありますが、餓狼2、餓狼SPのラインシステムと大差が無いものだったのですが。
 問題だったのは、これが「風雲」だったことであり、「餓狼」で行っていれば、さほど抵抗は無く受け入れられていた可能性が高いです。実績が全く無いタイトルでいきなり「こんなこと」をしてしまった事が…。

わかりにくい武器という概念

 知っての通り、風雲は武器という概念があります。それだけをもって「餓狼+侍魂+…」などと書かれてしまったりしたのは問題なのですが、実際わかりにくかったわけです。

 A:パンチ B:キック C:武器殴り D:ライン移動

 これを見ると「武器」というのは何に使うのかよくわかりません。
 武器格闘は通常、Pの代わりに武器攻撃が割り当てられていて、武器という概念を持つ必要が無い場合がほとんどです(素手になった場合は武器攻撃がパンチ攻撃になるとかそういう認識でいればいいので)。
 今までの経験でPとKはわかります。が、武器というのはどういう役割があるのかが理解出来ないわけです、これでは。PとKには弱と強の概念もあったので、強Pと武器攻撃をどう使い分けるのか等、謎なんです。

 RBシリーズでは

 A:パンチ B:キック C:強攻撃 D:ライン移動

 と、なっており、風雲黙示録の操作性を引き継いでいます。そう、つまりは武器攻撃とはRBシリーズで言うところの「強攻撃」なわけです(強Pや強Kも別にありますが)。
 つまり、これは「風雲」だから受け入れられず、「餓狼」だから受け入れられたという事です(RBには強P、強Kが無いというのも理由にはなりますが)。
 黙示録以前にRBが出ていれば、少しは理解されていたかもしれませんが、新シリーズの第1作でいきなり提唱されたボタン割り振り…受け入れられなくて当然とも言えます。

 厄介な事にこの「武器」には、前述の基本操作を見ればわかる通り「武器投げ」「武器跳ね返し」等のシステムまで搭載されており、わかりにくさに拍車をかけています。
 他ゲームで必殺技に該当するものは「特殊体術」と「特殊武器」とに分かれていて、武器を使ったものは「特殊武器」扱い。
 結局、武器には「武器殴り」「武器投げ」「特殊武器」とあり、「特殊武器は軽く見るとどうやら飛び道具らしい…じゃあ、武器投げって?」と疑問ばかりが増えていくわけですね。

やけに多いラインアタック

 餓狼(2、SP)であれば、ラインアタックは高空ライン移動攻撃と低空ライン移動攻撃の2種類。それぞれにPとKがあるので4種類。意外と多いのですが、攻撃判定が違うだけの事で、実質「1種類」です(実際、4種類あるなどと紹介する人いません)。
 ところが、風雲黙示録においては、はっきりと…。

 と、4種類提示されているのです。でも、どう使い分けるのかがさっぱり分からないですよね、そんなもの提示されても。
 元々わかりにくそうな「立体フィールド」。そこに追い打ちをかけるかのように「使い道がよくわからない4種類のラインアタック」。正直、私はこれらの「一気に提示された基本システム」を見ただけで、「このゲームをプレイする事は無い」と思いました。
 実際、プレイしてみても、いまいち使い分けがよくわからなかったりもするんですが。餓狼ともども「ライン」は無い方が良かったかと思います。それなりに性能差があるので本来は使い分けた方がいいんでしょうが。

実際のゲーム内容は?

 一言で言うと「餓狼SP+ワーヒー2」です。サムライの要素なんてほとんどありません。つまり、ゲーム誌でも、ロクに触れもしないで、適当な記事を書いていたという事でしょうね。
 ゲーム性は(餓狼3よりも)餓狼SPに近く、餓狼SPが有していた「ライン移動攻撃」「避け攻撃」「超必殺技」などが、ほぼ同じ形で採用されています(それぞれ「ラインアタック」「よけ攻撃」「逆転技」と名称は違いますが)。
 そこにワールドヒーローズ2の「ボタンを押す時間で技の強弱を決める」「投げ返し」「デスマッチモード」「跳ね返し」を………みょ〜〜〜〜〜な形で採用。
 その結果、登場キャラの濃さに見合った、奇妙なシステム構成という「ぜつみょー」過ぎるゲームが出来上がったわけです。

 餓狼のシステムに関しては普通なので、軽く説明して終わらせる事にします。ラインアタックは前述の通り。よけ攻撃は餓狼同様に上半身無敵でキャンセルも可能、違うのは威力が低い代わりにガード不能である点と、AだけでなくBでも出せる点。この辺りは改良と言えます。「逆転技」は体力が減れば使い放題な威力の高いコマンド技です。

ボタンを押す時間で強弱を決定

 古くはPCエンジン版ストリートファイターことファイティングストリートで採用された操作形態です。専用の圧力センサー装備のパッドなんてものを発売したらとんでもなく高価になる、かといってPCエンジンはセレクトボタンとランボタンを含めても4ボタンしかない。結果、生まれたのがボタンを押す時間で弱、中、強を決めるという操作形態。元々が大雑把なゲームでしたので、特に問題はありませんでした。
 そして、本格的にそれを採用したのがネオジオの初代ワールドヒーローズ。
 ワールドヒーローズでは餓狼伝説と同じくCボタンに「投げ」を割り振っていたので、残るは3ボタン。これではボタンが1つ足りません。結果、生まれたであろう操作形態がファイティングストリートと同じ「ボタンを押す時間で強弱を決める」というもの。連続技を決める時にはコツが必要で、これだけで少しプレイする気が失せたりもします(この操作は第3作「ワールドヒーローズ2JET」まで受け継がれました)。
 そして、ワールドヒーローズに続いてSNKも「龍虎の拳2」にて採用。龍虎2もワールドヒーローズと同じくCボタンに投げを割り振り、Dボタンに挑発を割り振っていますので、残るは2ボタン。龍虎のシステム上、挑発は1ボタンで行う必要があったので、結果的にこうなったのでしょうが。

 つまり、このシステムはネオジオでは割と当たり前のものだったのですが、決して馴染みやすいものでなかったのは事実。とっつきが悪いです。
 ライン移動はDボタンだけでなくABボタン同時押しでも可能なようになっていた以上

 A:弱P B:弱K C:強P D:強K AB:ライン移動 CD:武器殴り

 という操作も有り得たわけです。「弱P、弱K、強P、強K」という割り振りは餓狼2で提唱されたものですが、ユーザが多かったわけで、餓狼SPのシステムを引き継いでいた以上はそれに従えば良かったかと思います(KOF’94の成功は餓狼SP準拠の操作性にもあったのでは?…餓狼SP準拠のゴウカイザーは受けませんでしたが)。
 ボタン同時押しもあまり好かれませんが、ボタンを押す時間で、よりはマシでしょう。

デスマッチモード

 初代ワールドヒーローズで採用された「特殊ステージ」で戦うモードです(中にはステージ自体は普通で、負けた相手が断髪される断髪デスマッチステージなんてものもありましたが)。
 地面をガード不能の丸ノコが走っている、1画面しかない非常に狭いステージ、流れる水場でその場にとどまっている事が出来ない等々、様々なギミックがほどこされたステージが用意されており、ワールドヒーローズの売りでもありました。
 が……対戦格闘は上達すればする程に、そのような「勝負の邪魔」になる要素は不要と考えるようになります(サムライのアイテムだとか)。ワールドヒーローズシリーズの場合は対戦時に「ノーマルモード」と「デスマッチモード」のどちらを選ぶかを選択…2人の判断が分かれた場合はランダムでどちらかが採用されるというものだったのですが、最初から無ければ何の問題も無いという判断なのか、デスマッチモードは2作目「ワールドヒーローズ2」までしか採用されませんでした(正解だと思います)。
 では、風雲黙示録ではどうなのか?デスマッチモードなるものは存在しません。しませんが…ほぼ全ステージにデスマッチモード程派手ではないですが、ギミックが施されています。

 ………これらのギミックが拒否不能で襲ってきます。ワールドヒーローズの場合はノーマルステージで戦えますが、風雲黙示録では拒否出来ません。
 面白いゲームにしようと工夫したのでしょうが、前述の通り、対戦格闘の本質は真剣勝負。アイテム等がプラスに働いている対戦格闘はごくわずかです。
 風雲黙示録の場合、対戦そのものにはマイナスになっているとは言いがたいのですが、プレイして貰えるかどうかという点において大いにマイナスになっていると思います。
 デスマッチモードが拒否不能な対戦格闘…プレイしたいですか?

投げ返し

 ADKほど、対戦格闘について真面目に取り組んでいたメーカーは無いと思います。「プレイヤーのモラルに任せる」という判断なのか、まともにハメ対策をしなかった各メーカー(対策をしだしたかと思えば投げの威力を極端に低くする、飛び道具の威力を極端に低くするという根本解決になってない手段だったり)。
 ワールドヒーローズ2では様々な工夫が施されているのですが、その1つが、投げハメ対策の「投げ返し」。
 掴まれた瞬間に、通常投げコマンドを入れることで投げ返しが発動(コマンド投げも投げ返し出来ました)。ただし、これでは投げを仕掛ける側のリスクが大きすぎ…という事で投げ返しの投げ返しも可能。投げ返し合戦は最大で6回まで可能で、最大まで行うと投げを仕掛けた側が勝つという仕様です。
 ………………えぇ、その通りです。投げを仕掛ける側は常に「投げ返し」を準備しておけばいいわけで、実質的に投げハメ対策になってませんでした。コマンド投げの威力を下げる程度の意味しか無い(とはいえ、実戦でそんな投げ返し合戦が起きる程にやりこまれたゲームでもないです)。
 そこで風雲チームは考えたんでしょうね。ワールドヒーローズの投げ返しでは意味が無い…では、どうすればいいかと。そこで出した答えが…。

投げ返しはランダム

 という「はい?」といいたくなるもの。どういう事かといえば、投げ返しの操作自体はワールドヒーローズ2と同じく、掴まれた瞬間に通常投げコマンドを入れるというもの。ワールドヒーローズ2の場合は「レバー入れ強Por強K」が通常投げ。強P、強Kはボタンを少し長く押さないと発動しないので、投げ返しにはコツが必要だったのですが、風雲黙示録ではCボタンを押せばいいだけなので、連打で投げ返しが成功します。かなり操作が簡単になってます。
 が、成功するかどうかはランダムです。投げ返しの操作をすると30%の確率で投げ返しが成功します。
 もう、有り得ないとしか言えない「いや、ワーヒー2のもアレだけど、それよりヒドいだろ。どうするとそーなるんだ?」といいたくなるシステムです。
 先に書いた通り風雲黙示録の「投げ返しがランダム」とは文字通りの意味です。ただし、投げ返し受け付け時間中であれば何度でも入力を受け付けているので、Cボタンを連打すれば、それだけ成功率があがっていきます。1回押すと、30%、それで成功しなくても2回押されてればもう1回、30%。
 そして、投げ返しの投げ返しも同様で、ランダムで成功します。ただし、投げ返しが1度成立する度に成功率が6%減少します。つまり、投げ返しの投げ返しは24%、投げ返しの投げ返しの投げ返しは18%。
 確かに「根本的に投げハメ対策になってない」という事は無いです…が、それ以前のところでかなり間違ってます。
 CPUキャラも結構「投げ返し」を使ってくるんですが、防ぐ手段がありません。ワーヒー2であれば延々と投げ返しを繰り返せば最終的には勝てますが、風雲黙示録ではそうはいきません。CPUキャラの投げ返しを防ぐには「投げを使わない」しかないです(真・獅子王は投げが決まりやすいんですが、投げ返しも結構してきます。投げ返しの投げ返しが発動しないと悲惨な事に)。

跳ね返し

 飛び道具も「ハメ」の温床でした、その昔は。というわけでワーヒー2では飛び道具をギリギリでガードすると「跳ね返す事が出来る」という画期的な発明をしています(何故か、シリーズ最終作、パーフェクトでは消えて、CD版で飛び道具そらしとして復活)。ブロッキング発明より遥か以前に実に合理的なシステムがADKによって開発されていました。
 当然、風雲も真似してます
 「武器投げ」で飛んできた武器を「武器殴り」すると、跳ね返せます。それほどに悪くないシステムのようですが、実のところ、ただ単に全キャラが「飛び道具反射技を持ってる」というだけです、これだと。
 何故、ワーヒー2の跳ね返しが優れていたのか?それは「ガード可能」な状況なら跳ね返せたからです。画面端での、どうしようもない固めに対しても、対抗可能だったからです。
 ところが、「武器殴り」の場合、発動に時間がかかる為、システムとして「何を考えて入れた」のかがよくわからないわけです。何の為に「跳ね返す」システムが必要だったのか、そして、それは実戦で意味のあるものだったのか?
 武器殴りで跳ね返せるのは「武器投げ」のみで「特殊武器」の場合は「消す」だけ。この辺りは龍虎みたいなもんですが、あまり合理性は見出せません(特殊武器で攻撃判定が残っている間、放った側は攻撃出来ないシステムになっているので…)。

 以上、どう考えても自分達で考えたというよりは「ワーヒー2」を模倣したっぽいシステムでした。採用の仕方が無茶苦茶なので、どれもこれも「余計な要素」にしかなってませんが。

連続技について

 実のところ、風雲黙示録の連続技は結構特殊です。オリジナリティがあります。
 連続技のシステムを知らずに黙示録をプレイしていると「何でこれがつながらないんだ?」と思う事があるかと思います。どう見ても当たっているのに「餓狼2」のごとく、攻撃がすり抜けてしまっている事が。

 同様の現象はサムライスピリッツでも起きてました。サムライスピリッツではのけぞりポーズの後半が無敵だった為、間に合ってるように見えて間に合ってない事が結構あったわけです。
 では、風雲黙示録はどうなのか?違います、そんな理由でつながらないわけじゃないんです。

のけぞりの前半が無敵

 になってるみたいなんです。つまり弱P×3を連打で出すと、「1発目ヒット>2発目スカる>3発目ヒット」のような奇妙な連続技が出来てしまうんです、黙示録。
 当サイトにおいて「発生が早いので連続技に使えない(使いにくい)」と解説してる技があります。黙示録を知らない人には「ここの管理人は連続技を理解してるのか?」などと思ったかもしれませんが、間違ってないのです。風雲黙示録は世にも珍しい「発生が早いから連続技に使えない」という文章が成り立つゲームなのです。
 何故に、このような仕様なのかは謎です。

結局どういうゲームなのか?

 先に書いた通り「餓狼SP+ワーヒー2」です。
 武器投げ、特殊武器は別ラインの相手に攻撃可能な為、餓狼SPよりはライン逃げがしにくくなってますし、飛び道具は攻めの起点に使うには少し難しい事になっていて、遠距離、別ラインへの相手へのけん制用という感じで、飛び道具に脅威感もありません。そもそもが全キャラが飛び道具を装備しているわけですし。
 イーグルステージ、チュンステージの「上ライン」は初代餓狼のパオパオカフェのごとく、パイプがあり、このパイプに捕まっている相手を投げる事は出来ず、ガードに立としゃがみの概念が無い為、特殊武器で削る以外に実質的にダメージを与える手段が無く、かなり終わっていたりするんですが、それ以外のステージでは独特のギミックを楽しみつつ、気軽に対戦を出来る良作です。…そーいうものを作ろうとしたわけじゃなくて、真面目に作ったんだとは思いますがね。
 CPU戦の難易度は餓狼SPよりも低く、一部キャラ(ゴズウとかジョーカーとか)はかなりイヤらしい動きをするものの、対人戦同様、気軽にプレイ出来ます。
 決して出来がいいゲームではないですが、出来の悪いゲームでもなく、十分に「遊べる」ゲームとなってます。
 連続技に組み込めるものが少ない「逆転技」で、昔ながらの「単発」大ダメージの爽快感味わって下さいませ。ガード不能の飛び道具とか、やけに無敵が長いけど、発生が遅いのとか、打撃判定のレイジングストームとか色々ありますよー。