「対戦型ではあるけど、対戦格闘じゃないと思うんだけど」
 システムはどうあれ、格闘してるし対戦してるからOK。
「その定義だと、当てはまるゲームはかなりの数に…」
 アニメーションのFXならではのアニメーションゲームで、技を出し合って相手のライフを全て削れば勝ちという単純なルールです。
「あらゆる行動をセルアニメで収録しておいて、対戦相手ごとに食らった技用に作ってあるから凄い」
 普通は攻撃アニメだけ用意しておいて技を受ける側は共通やられパターンとか使うもんだが…。それが原因なのか登場キャラは10と割と少ない。
「ちなみに登場キャラは、ジライア、ツナデ、卍丸、カブキ、絹、マントー、菊五郎、カンビエ、猫姫、ヨミ」
 猫姫はこのゲームオリジナルで、声は八雲と同じ折笠さん。マントーは13人衆時代のバカマントーですね。
「ヨミ様が格好いいよね。池田秀一さんの声も渋くて」
 本物じゃないんだけどね。本物はマリ様と一緒にどこぞに旅立っちゃったから。あぁ、ちなみに今回のストーリー設定は、当然ながらカブキ伝の後です。一かけらの細胞から復活(?)を果たしたヨミがかつて火の勇者に敗れた者達を復活させたって設定です。
「一刀涼談とあんまし変わんない」
 カブキ伝の後にヨミだのガープだのが復活してたってんですから凄いですね。真伝も正規のストーリーに組み込まれているのだとしたら、ルシフェラーも復活してたってわけで…火の勇者はどうもツメが甘いようですな。マサカドだけは復活してませんけど。
「でもカンビエって元々、ガープに操られてただけで、悪い人じゃなかったような…」
 多分、復活といってもヨミと同じくクローンなんだと思う。だからマントーも昔のマントーなんだろう。でもヨミも案外無能だな。カンビエはまあよしとしよう。サングエとかカルネの方が強いと思うけど、金さえ与えてやればカンビエは裏切りそうにないからな。ガープだと言う事聞かないだろうから強くてもダメだし。
「でも、ガープって一刀涼談じゃ使い魔だったし」
 うーん、アンクよりヨミが弱いとも思えないな。でも、クローンだから結構弱いのかもな。実際、他のキャラより強い事は強いけど、それほどでもないし。
「そりゃ、対戦型だし、当然なような」
 まあな。で、さっきの続きだ。だからカンビエはOK、しかし菊五郎ってのは…アンクもそうだが、あいつを復活させてどーする!そして最悪なのがマントーだ。3博士でさえ見放した、あのバカ猿が戦力になるとでも思ったのか?それともお笑い部隊でも作りたかったのか?だからカンビエや菊五郎なのか?
「猫姫は?」
 あれもどう見てもバカだろう。ストーリーとキャラはこんなトコにしてゲーム内容の説明と行こう。
「取れる行動は、攻撃、技、術、防御、回避、挑発の6つで、それぞれがFXの6ボタンに対応してるので、素早く取りたい行動はとれるようになってて操作性はいいと思う」
 ではその行動を1つづつ解説しよう。まずは攻撃!
「格ゲーでいうなら通常技。スキが小さいけど威力は低いし相手が術や技を使うと負けちゃう」
 まぁ、あんまし使い道ないな。ちなみにゲームそのものはリアルタイムに近いターン制で行われて、お互いに選択した行動によってそのターンの結果が決まる。ただし、選択した行動は画面に表示されるので後出しが基本的に有利。普通、この手のターン制の対戦ゲームはお互いに何を選ぶかを見越して相手が必殺技を使ってきそうだから回避選択しておこうとかするもんですが、このゲームでは相手が大技を使うのを確認してから回避する事が出来るわけです。対人戦は成り立ちにくいかもしれません。
「技は、いわゆる必殺技で、技ポイントを消費して行う攻撃。大技である程、消費ポイントが大きくなるの」
 威力はそこそこで、技を連発すると疲労状態に入ってしまい、しばらくの間、攻撃力防御力が落ちて、かつ術も使用不能になっちゃう。かなり不利な状態なんだけど、それを恐れてたらこのゲームは成り立たない。
「技が一番使う事が多い行動かな?」
 んで術は超必殺技かなぁ。最も威力の高い攻撃で、相手の攻撃や技は潰せる。逆に言うと、相手が術を使うのがわかったら、こっちは回避しとくのが無難ってわけだ。ただし、術はボタン押しっぱなしで術ゲージをためないと使えない。で、ゲージは大技(大術?)である程、たまるまでの時間が遅い。ゲージをためてる間にダメージを受けるとゲージは元に戻っちゃうので、やたらとゲージを溜めるのに時間がかかる最大の術はそうそう使えない、というか対人戦では使用不能でしょう。相手が挑発するのを見てから溜め始めれば何とかなりますけどね。
「ちなみに術を使うと、確実に疲労状態になっちゃいます。ただ、術は相手に当てれば相手は1ターン攻撃できなくなるから…」
 全キャラ、回復の術も装備してますが、はっきりいって使い道ないです。回復する位なら攻撃した方がマシです。
「防御はそのまんま防御。攻撃と技のダメージを軽減しつつ、疲労状態を少し回復させます」
 基本的に使わない行動だな。術をガードできんってのがイタい!回避は防御の上位バージョンで技ポイントを消費して、術を含めたあらゆる攻撃を完全回避。大技である程、消費ポイントは大きくなるけど、相手に無駄な攻撃をさせたという点で、こっちの方が有利。回避後はすぐに攻撃に移れるのも利点。
「で、挑発は技ポイントを3回復」
 相手の行動を見てから使わないと危ないです、相手に術ゲージを溜める時間を与える事になっちゃいます。術を相手に当てた後なんかだと安心して使える。相手が攻撃を選択したのを確認してからってのもいい。
「勝ちたかったら後出し!」
 相手が挑発したら、こっちも挑発。相手が攻撃するようだったら、こっちは技。技を使うようだったら回避。そして術を使うようなら、相手の術ゲージのスピードを見て、それより1ランク上の術を使う!術のアニメーションにもそこそこ時間がかかるんで、1ランク上程度の術なら後から溜め始めても間に合う。
「相手が最上級の術を使いそうだったら?」
 すかさず技を出して止めさせるか、挑発でゲージを溜めておいて回避。後出しをし続けてる限り、圧勝し続けられるはず。完勝は難しいけど。先に行動開始しても一切、得はない!戦闘システムを作り間違えてるな、これは。
「結局、お互いに何にもせずににらみ合うっていう状態になっちゃうもんね」
 何をしようと、ほぼ確実に無効化されちゃうからな、先に行動すると。自分の行動が画面に表示されないなら先に行動しないと危なかったりしただろうけど。まぁ術だけはゲージが見えないと使う本人すら使えるかどうかわからなくなるけど…これも工夫すればどうにでもなる。ゲージを使うからいけないんだ。ボタン押しっぱなしで溜めるという概念はいいとして、溜まるまでは画面に変化がなくて、溜まったらキャラが光るとかにすればいいんだ。
「せめて、画面に行動が表示される機能をカットできればよかったのに」
 こんなの対人戦出来ねぇよ。かといってCPU戦が面白いわけでもないが…エンディングもないし…。