「ドラゴンボール」だと思うと…「何これ?」ですが、実のところファンタジーRPGの王道的設定と展開なので、ドラゴンクエストみたいなイメージで見ると違和感が薄まります。
主人公は「何か特別な生まれ」であり、18歳の誕生日に全てを伝えられる…はずだった。そして18歳の誕生日に事件が起きる。
遥か昔に古の賢者達が封印した「大魔王」が復活し、再び世界征服の為に活動を開始する。
大魔王に祖父を殺され幸せだった誕生日も一瞬で崩れ…そして「7つ揃えると力を発揮するマジックアイテム」を集める為に旅立つ。旅立つ主人公の前には様々な理由をもった仲間達が集う事となる。
正に王道!ピッコロ「大魔王」…「大魔王」とはいえ、ドラゴンボールを王道的ファンタジーRPGのようなストーリーにしてしまうそのセンス(の悪さ)に完敗。
ドラゴンクエストIIIとIVが近いんですかね?誕生日の日に旅立つIIIの主人公。「オーブを集める」IIIの主人公。勇者の村に隠れて育てられていたIVの主人公。幸せな暮らしも「ラスボス自らが攻め込んできて村人皆殺し」で一瞬で崩れたIVの主人公。
実際、ストーリー設定どうこうというのは「これはこれでアリ」だと思うんですが、何で大魔王が復活したのか、そもそもドラゴンボールって何よ?とか、「願いをかなえる」はずのドラゴンボールが何で「孫悟空」にだけ「未来を見せる」んだよ?とか、何で復活したばかりの大魔王様がカカロットなんて名前知ってんだよ?とか、2000年も前の事が普通に「歴史的事実」として、ほとんど「歪み」もせずに現代に伝わってるだとか…説明不足というより「考えてないだろ?」という「ほとんどノリだけで」やってしまってる展開に問題があるです。
大魔王唯一の部下である「マイ」はおそらくは原作のピラフ一味のマイをモチーフにしているんでしょーが…原作であればピラフ一味が大魔王を復活させて仕えていたので、マイが大魔王の側にいてもそれはわかる。ところがエヴォリューションでは大魔王が復活した理由もわからないし、「アンタ誰?」なんですね。そもそもナメック星人なる異星人が何だって地球にまで攻めてきたのか。何故にサイヤ人なんてものを手下として従えていたのか。そのサイヤ人ってのが何だって現代の地球に「1人」だけいるのか。他のサイヤ人やナメック星人はどこにいるのか?何もわからないんですね。サイヤ人が怪物に変身する条件とかも。まるで小学生の作文かのような稚拙さなのですよ、これ。
第一のルールは…ルールなどないということじゃ。 ………って、悟飯じいちゃんは、いつも、修行の度に言っていたんだ。 | |
孫悟飯 | さぁ、修行をはじめるぞ、悟空!先に倒れたほうが負けじゃ! |
孫悟空 | 分かってるよ、じいちゃん。望むところさ! |
NEXT FIGHTER! 孫悟飯 | |
孫悟飯 | ほぉ、やるのぉ、悟空! だが、まだまだじゃ! |
孫悟空 | あいてててててて…… |
孫悟飯 | 大丈夫か、悟空? |
孫悟空 | うん、なんとか… |
孫悟飯 | 影の鶴の突き…… また引っかかったのう。 |
孫悟空 | うん………でも、動きが見えないんだから、避けるのは難しいよ、じいちゃん。 |
孫悟飯 | 悟空、お前は外からの感覚に頼りすぎとるんじゃ。見たり、聞いたり、触ったり… じゃがな、本当の力というのは、そこからではなく…お前自身の内側から来るもんなんじゃ。 |
孫悟空 | 内側… |
孫悟飯 | うむ。体の中に隠された力……それが気じゃ。気は闘いにおいて、最大の防御であり、そして、最強の武器にもなる。 やってみろ、悟空。体内の潜在エネルギーを感じ取るのじゃ。 そして、それを一箇所に集めろ。 |
孫悟空 | …………………… |
孫悟飯 | 気を使うには、自分自身であるだけではなく自分の敵にもならなくてはならん。 悟空よ、精神を集中し、お前の中にあるエネルギーを集めるんじゃ! |
孫悟空 | …………………… ……………ごめん、じいちゃん。オレにはまだ分からないよ。 |
孫悟飯 | ……そのうちな、悟空。そのうち、お前にも分かる日が来る。 |
孫悟空 | うん、そのうち。そのうちオレは、じいちゃんにも勝ってみせるよ。 |
孫悟飯 | はっはっは!70のじいさんになんて、早いとこ勝ってもらわんとのう!もうお前は一人前の男なんじゃから。 |
孫悟空 | ! |
孫悟飯 | そうそう、これはそのじいさんからなんじゃが… 誕生日おめでとう。忘れたと思っとったか? この四星球はお前のものじゃ。 |
孫悟空 | 何だい、これ? |
孫悟飯 | これはドラゴンボール。四星球は四ツ星の球という意味じゃ。世界中にあと6つしかなく… それぞれ、1つから7つの星が入っているんじゃ。 わしの宝物じゃよ。 |
孫悟空 | いいの?そんな大事なもの… |
孫悟飯 | はっはっは!もちろんじゃ。お前もわしの宝物だからの。お前に持っていて欲しいのじゃ。 |
孫悟空 | ありがとう、じいちゃん。大事にするよ。それで、これって…何に使うものなの? |
孫悟飯 | これひとつだけでは、何にもならん。だが、7つのドラゴンボールが集まれば、集めた者の願いを何でも叶えると言われとるんじゃ。 |
孫悟空 | へぇ〜。すごいんだね。 |
孫悟飯 | うむ。いつも大切に持っとるんじゃぞ。 |
孫悟空 | うん! |
孫悟飯 | よし!今日は学校から帰ったら二人でお祝いじゃ!悟空の好きなご馳走を全部作ってやるぞ! |
オレの名前は孫悟空。 当年とって18歳の、ごく普通の高校生… と、言いたいところなんだけど…… | |
孫悟空 | ! 危ないっ!! おいファラー、脇見運転も大概にしろよ。オレの自転車、壊しやがって… |
ファラー | アグンデス、お前屁でもこいた?オレなんか聞こえたんだけど。 |
アグンデス | いや、お前の聞いた音はあのケツの穴からみたいだぜ。 |
ファラー | ぶっ!ははははははは!!! |
孫悟空 | くそっ、今に見てろよ、ファラー… |
ファラー | おっ?なんだよ、やる気かよ? はは。やってみろよ、オタク野郎。なんなら、ハンデをつけてやったっていいんだぜ。 ほら、お前から先に仕掛けてこいよ。どうせ、オレが軽くひねってやるんだからさ。 ほらほら、さっさと来いってんだよ。お前がどんなもんか見てやるぜ。 |
孫悟空 | ……………… (ダメだ……じいちゃんと約束したんだ。ケンカはしないって…) |
ファラー | 何もできねえだろ。お前みたいなダサいヤツが指一本でも動かしたら、虫みたいにつぶしてやるよ! |
孫悟空 | ……………… (くそっ…こんなヤツら、指一本で叩きのめしてやれるのに!) |
??? | ケイリー、何してるの? |
孫悟空 | !!?? (い、今の声は………) |
??? | 授業に遅れちゃうわよ。早く行きましょう。 |
ファラー | ああ、チチ。今、行くよ。 |
孫悟空 | (や、やっぱり、チチ…!!今の、全部…見られて……!?) |
ファラー | じゃあな、オタク野郎!おまえのガラクタのせいでオレの車に傷がついてなきゃいいんだけどな。 ぎゃははははははは!! |
孫悟空 | ………………!! くそっ…! (チチに見られてたなんて……!!) |
…………オレの現実はこの通り。周囲はオレのことを、弱っちい奴って思ってる。 それに、じいちゃんに教えてもらっていることは、学校じゃ何の役にも立たない… 女の子をナンパする方法とか、普通に役に立つ事を教えて欲しいのになぁ。 じいちゃんはいつも、「お前は特別なんじゃ、悟空」とか言うけど… こんな毎日が続いていると、普通の方がよっぽどいいんじゃないかって思えてくる。 | |
孫悟空 | (それに今日は、憧れのチチにあんなトコを見られちゃったし……) 最悪の誕生日だ… |
チチ | もうっ、ロッカーがあかない!!次の授業の宿題が入ってるのに…! |
孫悟空 | (チチ、困ってるみたいだ…幸い誰もいないし…助けてあげたいけど…でも……) (ダメだ。うまくできないかもしれないし…) |
チチ | ちくしょうっ!! |
孫悟空 | ………! (やっぱり、助けてあげたい……!) (体内の潜在エネルギーを感じ取って…) (それを一箇所に集める…!) !! |
チチ | !? ロッカーが…全部…あい…た……? |
孫悟空 | (わわっ!できちゃった!!) |
チチ | ! ねえ…悟空、でしょ? 今の…あなたが? |
孫悟空 | う、うん……まぁ。じいちゃんが教えてくれたことなんだ。 |
チチ | 『気』を使ったのね。 |
孫悟空 | 『気』を知ってるの!? |
チチ | ふふ、チチ、なんてバカみたいな名前だからって、頭までバカなわけじゃないのよ。 |
孫悟空 | そ、そうだよ、他にもっとバカみたいな名前はあるし…いや、チチって名前がバカなんじゃなくて… その、普通じゃないっていうか、普通ってのはそんないいもんじゃないとか…君がバカだとかいいもんじゃないって言ってるわけじゃなくて… ………もういいや、やめとこう。 |
チチ | 待って、悟空! |
孫悟空 | えっ? |
チチ | 今日うちでパーティがあるの。来てくれないかしら?ね? |
孫悟空 | う、うん!もちろん行くよ。 |
孫悟空 | (ここが、チチの家か……すごい豪邸だ……) (……………………) (あ、そういえばじいちゃんご馳走作ってくれるって言ってたっけ!) (悪いことしちゃったよな…どう謝ろう……) |
アグンデス | ここで何してるんだ、オタク野郎? |
孫悟空 | オタク野郎じゃない、悟空だ。今からパーティに行くところだけど… なんだい、大勢で。変なトラブルはごめんだからね。 |
アグンデス | トラブルの方がお前に用があるんだよ、バカが。ほら振り向いて帰れ。誰もお前がここにいたって知らねえよ。 |
孫悟空 | (黙って通してくれる気はなさそうだな…しかたない……帰る、か。) |
アグンデス | じゃあな、オタク野郎!!尻尾巻いて逃げる姿がお似合いだぜ!ギャハハハハハハハ! |
孫悟空 | (いや、本当に…しかたない、か?) (こんなヤツらに馬鹿にされっぱなしで、本当にオレはいいのか…?) (……………………) 闘わない、って約束したんだ。 |
アグンデス | はぁ? |
孫悟空 | でも、もうやめだ。 |
アグンデス | ぶはは!安心しろよ。闘いにはならねぇ。こっちが一方的にボコるんだからな。 |
孫悟空 | ……そうなるかな? |
アグンデス | あ、ありえねぇ…この人数相手に、何て動きしやがる… |
孫悟空 | 無駄な動きが多すぎるよ。そんなんじゃ、オレには当たらない。 |
アグンデス | くそっ…… |
ファラー | おい、一体なんの騒ぎ…… な、なんだコレは!!? |
チチ | ご、悟空…? |
孫悟空 | やあチチ、今日はパーティに呼んでくれてありがとう。ちょっと騒がしくしてゴメン。 |
ファラー | てめぇが、コレをやったのか!? |
孫悟空 | ああ。お前の友達がオレに見せてくれたよ…自分自身が空っぽだってところをね。 |
ファラー | 殺すぞ。 |
チチ | だめ、ケイリー、やめてよ! |
ファラー | いててて…し、信じられねぇ… |
孫悟空 | もう終わり? |
チチ | 悟空、あなた…… |
孫悟空 | 今のは正当防衛だよ。見てたでしょ? |
チチ | …………………… ぷっ。あはは! 悟空ったら。 |
孫悟飯 | 悟空はどこに行ってしまったのかのぅ… 悟空のことじゃ。何かトラブルに巻き込まれた訳では無いと思うが… ふう……やれやれ。すっかり料理が冷めてしまったわい。 ……………………む? (今の足音は…?) 悟空か? !!! なんだ、お前は!? |
??? | 知る必要は無い。死ね。 |
孫悟飯 | ! ふぅ…… いきなりナイフを投げてくるとは…行儀の悪いお嬢ちゃんじゃな。 |
??? | !ほぅ、老いぼれがよく受け止めたな。 |
孫悟飯 | なに、そう難しいことではない。 |
??? | なるほど。なかなかの達人と見たぞ。手を抜いてすまなかった。 だが、すぐに楽にしてやる。 |
孫悟飯 | はっはっは。まだまだ若いもんには負けんよ。 |
NEXT FIGHTER! マイ | |
??? | ちっ……思った以上にやるな、老いぼれ。 |
孫悟飯 | はっはっは。 |
??? | …………… |
孫悟飯 | さて。こんなところまで、何をしに来たか教えてもらえんかの、お嬢ちゃん。 |
??? | 答える必要は……… |
??? | マイよ、何をしている。 |
マイ | !ピッコロ大魔王様! |
孫悟飯 | ピッコロ大魔王……じゃと? ま…さか……… !!!!!こ、このプレッシャー! |
ピッコロ大魔王 | ほう。この人間に手こずっていたわけだな。 |
マイ | 申し訳ございません、大魔王様。 |
ピッコロ大魔王 | よい。だが、この人間に興味が湧いた。 かかってこい、人間。普段はハエごとき気にもせんが、特別にこのピッコロ大魔王様が相手をしてやる。 |
孫悟飯 | (こやつが真のピッコロ大魔王とすると…………!………………まずいのぅ…) |
ピッコロ大魔王 | ……………ん?震えているのか人間よ。私が恐ろしいか? |
孫悟飯 | (確かに恐ろしい…じゃが…こやつをこのまま野放しにする訳にはいかん!) ふん。心配するな。ただの武者震いじゃよ。 |
ピッコロ大魔王 | 威勢はいいようだな。安心したぞ。せいぜい楽しませてくれよ、人間! |
NEXT FIGHTER! ピッコロ大魔王 | |
孫悟飯 | ぜい…ぜい…………や、やったか……? |
ピッコロ大魔王 | やるな。人間ごときが、ここまでやるとは大したものだ。 |
孫悟飯 | くっ……まるで堪えておらんか…… |
ピッコロ大魔王 | 敬意を表し、お前に本当の力というものを見せてやる。 はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! |
孫悟飯 | !!!!! な、なんという気じゃ……!動くことすらできん…!! |
ピッコロ大魔王 | はぁっ!!!! |
マイ | お言葉ですが、大魔王様… |
ピッコロ大魔王 | ふむ? |
マイ | 少々やりすぎたのでは?家を潰してしまっては、アレが探し辛くなります。 |
ピッコロ大魔王 | 案ずるな。ここにはない。 |
マイ | !左様でございましたか。いつお気づきに? |
ピッコロ大魔王 | あの人間と対峙した時に探ったのだ。 |
マイ | お見事でございます。 |
ピッコロ大魔王 | うむ。では次を探すぞ、マイ。 |
マイ | はっ。 |
チチ | こんなことしたのは初めてでしょ。ね? |
孫悟空 | いや、何回もあるよ…頭の中では。 |
チチ | まあ!ふふっ… あなたはどこか違うわ。 普通の人と違うってところ、私は好きよ。あなたにも秘密があるように、私にも秘密がたくさんあるの…そう、私たちはとても似ているのよ。 |
孫悟空 | 今までで最高の誕生日だ。 |
チチ | えっ、今日が誕生日なの?おめでとう! |
孫悟空 | ありがとう。ああ、でも正確には……たった今、誕生日になったよ。 |
チチ | たった今? |
孫悟空 | 覚えてる限り、じいちゃんとオレは誕生日をきっかり同じ時間にお祝いしてきたんだ。じいちゃんは大いなる入り口、って言ってたな。 |
チチ | ご両親はどうしたの? |
孫悟空 | …………知らないんだ。じいちゃんはオレが18になったら全部話してくれるって言ってた。 |
チチ | そう…大変だったのね… |
孫悟空 | いや、そうでもないよ。じいちゃんがいてくれたから… ……………………!? 何か変だ… |
チチ | 分かってる。今まで、こんな気持ちになった人っていないもの… |
孫悟空 | 違うんだ。じいちゃんになにかよくないことが起こってる。 |
チチ | えっ? |
孫悟空 | じいちゃんの身になにか……オ、オレ…オレ、帰らなきゃ。 |
チチ | 悟空? |
孫悟空 | ごめんチチ、また後で! |
チチ | えっ!?えっと、あっ!うん!! …………………… 悟空、急にどうしたのかしら… |
孫悟空 | な、なんだ、これは…?一体何があったっていうんだ…!? じいちゃん! じいちゃん!どこだ! じいちゃ………! じいちゃーーーーん!!! 待ってて、じいちゃん!今、外に…… じいちゃん、助けを呼んでくる。 |
孫悟飯 | いや………ここにいてくれ、悟空。もう時間が残されておらん… |
孫悟空 | じいちゃん、ごめん…オレが出掛けてたばかりに…で、でも、いったい誰が、こんなことを…!? |
孫悟飯 | ナメック星人じゃ…ピッコロが帰ってきたんじゃ。 |
孫悟空 | ピッコロ!? |
孫悟飯 | 悟空、四星球は無事か? |
孫悟空 | うん、ここに…… |
孫悟飯 | うむ…… 始まってしまったのじゃ… 悟空、パオズ・シティで…武天老師を探すんじゃ…彼に伝えろ…ピッコロ…が…帰ってきたと…彼ならするべきことを知っている… 7つの…ドラゴンボール…必ず…見つけなければ…死と恐怖に…全ての人類の…運命が…闘うため…そして…神龍を…呼び出す… |
孫悟空 | じいちゃん、もういい、しゃべらないで……休まなきゃ… |
孫悟飯 | 悟空…お前は…日食よりも前に…ドラゴンボールを…見つけなければならん…その旅の…力になってやれずすまん… 覚えておけ、悟空…自分自身であることに…誇りを持つのじゃ… |
孫悟空 | じいちゃん……? じいちゃん、じいちゃん、じいちゃん!!!!! じいちゃーーーーーん!!!! |