名前 | 田村 悠(たむら ゆう) |
誕生日 | 11月 7日 |
年齢 | 19歳 |
身長・体重 | 149p・42kg |
血液型 | O型 |
資格 | なし |
性格 | ネガティブに前向き |
趣味 | 寝ること |
将来の夢 | 1日中家でゴロゴロ |
好きなもの | 図書室 |
嫌いなもの | ゴキブリ、KOF、地震 |
好きな色 | 白 |
好きな動物 | 猫 |
嫌いな動物 | 犬 |
好きな食物 | ミルクティー |
嫌いな食物 | 納豆 |
口癖 | にゃあああ、〜です!、だいじょーぶ |
好きな単語 | 兄妹 |
好きな言葉 | 冬だからな |
好きなキャラ | 斑目晴信 |
格ゲーの持ちキャラ | ユーニ、ボイド |
そう…夢…かもね…そんな顔するなよ…ボクの存在がなくなるわけじゃない…また逢えるから…いつでも
世界の管理者、魔法を統べる者「魔王」の代理であり、現魔王「陽実」の分身であり妹的存在。
幼き日の兄への想い。いつも自分を護ってくれる兄。自分も兄を護りたい、対等な存在になりたい。この想いから、自身を嫌う心から理想の自分として陽実が夢の世界に具現化させた存在が今回紹介する「悠」である。
人間の両親を持ちながら、エルフのプリンセス、魔王の娘として、異世界「エルフの隠れ里」へと陽実が連れ去られたこの時、兄15歳(ちなみに陽実は10歳)。悠の成長はここで一時、凍結される事となる。陽実の夢では兄は常に15歳であり、自分は14歳である。
なお、陽実の一人称は普通に「私」でありながら、悠の一人称が「ボク」であるのは、おそらくは「兄と対等でありたい」という想いと「兄の妹である」という事実を捨てたくないという想い、つまり「兄と対等…同年齢の男子」「兄の妹…兄より年下の女子」という矛盾した想いが結びついた結果だと思われるが、陽実にも悠本人にも何故に一人称がボクなのかはわかっていないようで、真実は闇の中に。
悠が成長を止めて約10年。陽実の妄想の産物でしかなかったはずの存在が1つの人格を持ち、この世界に姿を現す。
魔王の娘として、異世界で勇者稼業を続ける陽実。この際、陽実の巨大すぎるキャパシティはその異世界にとって害となる為、大きく削ぎ落としこの世界に置いていく事となる。「キャパシティって何よ?」とかっていうのは今回は無しだ。昔の雑記探れ。
さて、もうお分かりであろう。この放置された陽実の残骸を使って悠がこの世界に誕生してしまったのである!
過去は無い、自分が何者なのかも把握していない。あるのは陽実が残していった記憶の断片のみ。無意識下に残る自分が生まれた理由「兄への想い」。そして、悠はそれが当然かのように兄の下へと。
ところでこの娘「天然」「ドジ」という萌え系には属さないものの、どこかずれているというか抜けているところがある。
「受験票を手に持って『受験票無くした』と大騒ぎ事件」「兄を病院へ連れていこうとして何故か競馬場についてしまった事件」等々。痴呆症の老人じゃあるまいに…。
方向音痴の自分に何回泣いたか。うん!だから、ボクが悪いわけじゃない、中山競馬場とか
ごくつい最近の台詞であるが、本人も随分と気にしてるらしい、何で競馬場?事件はさすがに。ちなみ近道しようとして道に迷ったら競馬場だったっつう。
さてさて、陽実には2人の兄がいます。いや、もうこの時点で皆さんこの後の展開お分かりでしょうが、一応聞いて下さいな。
1人はかつての最愛の兄「朝陽」、もう1人はエルフの隠れ里で義兄として一緒に育った「祐里」。
まあ、言うまでもないんだろーけど、そーなんですよ。無意識下に残ってる「兄への想い」。兄…兄…兄、悠は兄である祐里の下へと。違うだろーが、生まれた最初の最初っから行動間違ってるだろーが。
陽実の話を聞いていた祐里には、その少女の正体がわかったんですよー。当然、真実を話せばどんな事になるのかも。兄と対等になりたいという想いから生まれたにも関わらず14歳相当、そしてその兄への想いはオリジナルである陽実には既に無い。悪くすれば存在意義を失い消滅、良くても朝陽の下へと行ってしまう。
この世界に心を持ち生まれてしまったものを消滅させたくない、妹の分身を護らなければならない。2つの理由から、少女に「自分の分身である」とあっさりウソを言いやがり、そして自分の名前の一部を与え「ゆう」と名づける。とんでもない男である。
生まれたばかりの「ゆう」は疑う事なく、それを信じてしまい、そして自ら「悠」の字を選び、更に「田村」の姓を名乗る事となる。本人曰く、悠は「キレイな字だったから」、田村に関しては「何となく」だそーだ。この際、自ら「愛菜」って妹がいそうな名前だなどと言ってしまう辺り、ロクでもない知識をもっており、実にバカな性格をしている事が伺える。
もういいよ、ボクが自分で考えるから、うーんと『田村悠』
生まれたばかりの心は純粋。幼い妹が兄を慕うのと同じく、自然と祐里に惹かれていく悠。違うのは幼い兄妹のそれとは違い、恋愛感情へと昇華されてしまった事。生まれたばかりの心でありながらも、20年以上生きてきた陽実の精神の一部を持つが故のアンバランスさと言えよう。
実際には違うわけですが、オリジナル…つまり自分相手に恋愛感情を抱いてしまっている事を悩み、それを隠そうとする悠。自分が祐里にとって「自分(祐里)の一部」でしかないと思われている事、1人の女の子として見て貰えない事に憤る悠。
でも、ボクを好きになったって水仙になるだけだぞ
自分、自分って…ボクは…ボクは祐里の一部なんかじゃない!
ちなみに水仙になるというのは、ギリシア神話のナルキッソスに由来する一言。水面に映る自分の姿に惚れてしまい水に落ちて死んで水仙になってしまったという事で、祐里が悠がいないと寂しいとか言った事に反応して、まだ素直じゃなかった彼女が照れて「ボクはキミの分身なんだから、つまりボクを好きになるって事は自分を好きになるってことだぞ」という事を、そのまま言うのも恥ずかしいって事で、彼女なりにアレンジして言ってみた結果のもの。つうか別に好きだとは一言も言ってないんだが……。悠ちゃん、早とちり暴走。
それでも自分がどんな存在であれ、今、存在している事が嬉しく、そして楽しい。今は祐里を独占している。それだけで満足。新しい分身「ユウツー」を作ると祐里に言われ、内心、焦りつつも、無関心っぽく必死に反対した悠はたまらなく可愛い。
ボク1人で十分だろ?
祐里と一緒にいるだけで嬉しい、祐里と話しているだけで楽しい。一緒に暮らしていて、いつでも楽しそうにしている彼女に惹かれない方がどうかしてる。でも、大事な義妹の分身…恋愛感情を抱いてはいけないとの思いが結局は両想いの2人の仲を進展させなかった。ただ、これを悲劇とは思わない、はっきりとした恋愛感情ではなく、両者ともに漠然と「好き」であり「異性として意識はしている」という程度。恋愛関係にならなかったからこその幸せがあったのだと思う、あまりお互いを異性として認識しないでいれたからこその、他愛の無い会話、ツッコミの入れあい。例をあげるのも難しいが、敢えてあげるならこれか?
祐里…前から言おうと思ってたんだ、ボクは祐里が…
実はボクは祐里が人間じゃないって知ってる
そう、ダメ人間だって
言わずと知れたCCさくらネタ。こんなバカな事ばっかり言い合ってた日々。この頃の2人は実に微笑ましい。悲しい結論になりますが、悠にとって最も幸せな時期はこの頃だったのかも。もちろん、悠本人は「今だってすっごく幸せだよ?」などと言うでしょうが。
私は、悠と祐里はどんなに長い事一緒にいても決して恋人のような関係にはならなかったと思います。それは男女の関係における1つの回答なのかなとも。
でも、そんな関係であっても時々はやっぱり女の子として見て貰いたくなることもある。祐里にもっと意識してもらいたくなることもある。もしかしたら、時々ではなくいつもそう思っていたのかもしれないですが。
祐里が悪いんだからね。いきなり胸触るなんて
ボクだって女の子だぞ
悪気はない、わざとじゃない。そんな事はわかってる。それでも思わず持っていた短刀で額をッ。いや、死んじゃうから、死んじゃうから。っていうか短刀?…えぇ、「可愛い」と思って貰いたくて魔法でリムルルコスプレ。当然、マキリ装備。本物ではないので危険度は低い…っつうのが真相。
この事件で最も許せないのは本当に触れたかどうかはかなり怪しい(祐里は服に触っただけなんで)ので、これはいいとして、「悠でも気にするのか」の一言は許せん。「ボクだって女の子だぞ」の一言で済ませてしまうとは何て優しい!しかもこの後、治療までしちゃってるんですよねぇ。
ここまで説明していませんでしたが、悠は魔法のスペシャリスト。「こおっちゃえ」だの「ファイヤー」だの、果ては「我は放つ光の何たら」だの「血の流れより紅き」だの、てきとーな「呪文」を唱えるだけでも、それに類する魔法が発動。何故か?陽実の巨大なキャパシティには無数の魔法が生まれつき登録されている…仕組まれた子供、故に魔法兵器「魔王の娘」となる。問題は異世界に行く際に殺ぎ落とした部分は空きキャパだけでなく、当然の如く、この大量の魔法も含まれる。
そして、悠が創造される時点で、この大量の魔法も「悠」に組み込まれ、結果、魔法の仕組みを全く知らずしてスペシャリストとなり、魔法が体に登録されている以上、本来不要である「呪文」をてきとーとは言え、唱える事で登録されている魔法を「使う」という意識が生まれ、無意識に自分で使いたいと思う魔法を放っていたわけである。…しょーじき、危険極まりない娘といえよう。いや、実際に祐里は何度も何度も攻撃魔法を食らっていたわけだが。それでいて、性格の問題なのか回復魔法は不得手だったのだからたまったものではない。い、いや、悠は優しい子ですよ?だから、えと…彼女の頭の中では「回復=神聖魔法」であって、特に神を信仰してない自分に回復魔法は使えないって思い込みがあって、つまりはそーいう事なんですよ。でも、そんな彼女が唯一見せた回復魔法は祐里を想う心が表れてました。「この魔法だけは使いたくない」という思いと、祐里を助けたいという想い。田村悠唯一の治癒魔法「傷口への口付け」。自らの魔力を生気として直接相手に流し込むという。…いや、ここ笑うとこじゃないから。うん、わかる、今の悠を知ってる人には想像が難しい。しかも、なんつー都合のいい魔法。まぁ、「こんな魔法を使いたい」って考えるだけでそーいう魔法を使えてしまう以上、この魔法にしても本心を自分自身さえも騙して「本当はこんな事したくないんだ」と自身を納得させつつ、祐里と恋愛イベント起こす為に選択されるべくして選択されたものだと思うけど。悠本人はそれを認めなくとも。
なんつー羨ましい奴だ、祐里。…この後、この魔法は二度と使われる事がなかった為、このシーンは貴重。照れて「もう二度とやんない」とか言う悠ちゃんともども、見逃しちゃいかんでしょうな。
でも、もうしないからね、魔力消費が激しいし、どうせ勝手に回復するんだから
そんな微妙な感じで半年以上の時が流れ、悠は自分がこの世界からもうすぐ消滅するという確信に近い予感を覚える。
まだ彼女は真実を知らない、自分が祐里の妹の分身であるという事を。それでも感じる予感。
所詮は陽実の残骸…陽実が異世界での冒険を終え、元の世界に戻ってくれば居場所を失う。もちろん、その意識、記憶は戻ってきた陽実と統合される、故に完全な消滅ではない。陽実は悠の記憶を受け継ぎ、その心を受け継ぐに違いない。ただし、それはあくまでも「記憶」でしかない。悠が何を思っていたか、何を考えていたか、どういう性格だったのか、それは全て陽実の記憶となる。陽実という人格にとっては、間違いなく「悠という自分」は存在していた事になる。だが、「悠」という独立した人格は消滅する、そして陽実に融合された悠のみを分離させる事は出来ない。次に悠が生まれたとして、それは先代の悠を内包した陽実の残骸から生まれる全く別の悠でしかない。
消えたくなんかない。でも、もし消えるんであれば、その日までは今まで通りでいたい。恋人のような関係になんてならなくていい、今まで通りでいい。だからこそ思わず聞いてしまった、あまりにも直接的な一言…。
祐里はボクの事、嫌い?
まあ、この台詞が出るに至るものが色々とあるわけですが、「好き?」ではなく「嫌い?」と聞く辺りがなんかね。
この後、祐里にもうすぐ自分が消滅することになると聞かされることになるんですが、彼女が望んだのは「いつも通り」である事でした。祐里は真実を語ろうとした。でも、真実なんかどうだっていい事。確かなのは今、自分がここにいること。
ストップ、ストップ!ボクにとって真実なんてのはどーでもいいことなの
これから消滅するまで…どれだけあるかわかんないけど…祐里が優しくしてくれれば、それで
それに少しはわかってるよ…ボクの存在が何なのか…存在が希薄だなって自分でも思ってたし…
でも、それでもボクはボクだよ…他の誰でもない
何事もなかったかのように、いつも通りの時が流れる。悠の望み通りのいつも通りの毎日が。
そして、祐里が悠消滅を語った3日後……悠は消滅した。祐里と出会ってわずか9ヶ月後の事である。
ボクは祐里とこれからいつでも逢える…でも、ここにいるボクは…
今ここにいるボクは…絶対に忘れないでね…ボクがいたって事
そう、悠は告げられるまでもなく、自分が何者なのか気付いていた。だから、今ここで消えても…陽実として毎日、兄に…祐里に逢えるであろう事はわかっていた。
事実…帰ってきた陽実は、悠を失い沈んでいた祐里に自分が悠である事を告げ……お約束の一言を放つ。
…ただいま……ただいま…祐里!
悠を取り込んだ陽実には消滅する瞬間までの悠の記憶がある。陽実にとっては兄との再会であり、そして恋心を抱いていた相手との再会。祐里にとっても陽実はまさしく悠だったわけである。
ハッピーエンドなのか?そんなわけない。祐里は約束を破った…あまりにもあっさりと悠という少女がいた事を忘れてしまった。悠が好きだったからこその逃避だったのかもしれませんが、悠があまりにもこれでは可哀想です。
でも、知っての通り、現在…田村悠は存在しています。消滅当時14歳であった彼女も今では19歳。これに関しては後日…。
「美少女って…ボ、ボク?」