宮 陽実

名前宮 陽実(みや ひみ)
種族エルフ
職業王女?
誕生日 7月 10日・蟹座
年齢21歳
身長・体重132p・ヒミツ
血液型不明
性格心優しい
趣味修業
好きなものおにーちゃん
嫌いなもの無理矢理召喚する人
好きな色
好きな動物
嫌いな動物
※21歳当時のプロフィールです。

 消滅した悠はどうなってしまったのか?
 その前に悠の心を受け継いだ、もう1人の悠「陽実」について語る外伝的な紹介を行う。
 とはいえ、「ボク」ではない陽実について長々と解説紹介する気は無い。した方が悠について理解しやすいのは確かだがする気はない。
 今回は、悠の心がどう働いたかを。なお、陽実21歳の頃の事である。ちなみに一般的には見た目は悠よりも陽実の方が可愛いらしい。また、本来の性格は真面目でかつ、頼れる「おねーさま」系だったんですが、悠の心を取り込んだ事で本人にも制御不能なヘンな性格になっちゃいました。

 異世界での冒険…ライア、ライフゥ、フィッカルと共に過ごした楽しく、そして辛かった日々。そんな事は今回一切関係ありません。異世界では陽実ではなく氷深という名前だったとか全くどうでもいい情報です。
 そう、始まりは悠消滅翌日。兄「祐里」との再会。

うー…もっと再会の喜びを…お帰りぃとか涙を流しながら抱きつくとかぁ

 いきなり別人!アンタ一体誰なんだ!?そう、これが悠ウィルスだッ!…別人言われても元々どーだったか知らないしなどという無粋なツッコミはまさかいれておらんだろうな?

ひみちゃんでぇす…よっろしくぅ

 恐るべし21歳。恐るべし悠ウィルス。おそらく、当の本人…「今すぐ忘れろ」と思っているに違いない。
 まだまだ子供だった悠の心の影響か?陽実は間違いなく悠本人。祐里を慕う…つうか恋する気持ち全然現役。悠と違ったのは自分の気持ち隠さないこと。

でも、一番好きなのは私だよねっ

 悠であれば、思っていても口に出来なかった言葉。陽実21歳積極的!でも、相手は兄だぞ?義兄だから問題ないけど。
 問題は陽実自身は自分が悠である事に疑問などない。ただし、祐里は違う。陽実は陽実であり、好きだった少女「悠」ではない。冷たいようだが、こればかりは仕方なかろう。

「一番好きなのは……悠ちゃん」

 祐里の答えは自分を想っていてくれるもの。悠として過ごした9ヶ月…祐里が自分をこんなにも想っていてくれた。でも、祐里にとって「悠」は自分じゃない。けどいつかわかってもらえるはず。今はこの答えに喜んでおくべき!
 とか思ったのも束の間。悠を失ったことで沈んだままの祐里。自分の家に帰った方がいいという言葉(陽実と祐里はこの時点では元々は同居してません)。悲しいねぇ。

私は…邪魔?

ウソだ!お兄ちゃん、私の事見てないよ!悠ちゃんの事ばっかり見てる

 実のところ、この後、陽実と悠は仲のいい姉妹のような関係となるんですが、結局…この時のこの言葉が全て。お互いに憎みあう事になっちゃったりもするわけです、オリジナルと分身なのに。ただ、フォローしておきますが、現在でも悠は、今回のこの陽実紹介書く時にも「じゃあ、お姉さまの事は極悪非道に書いておいてね」だとか言いましたし、その他、陽実の事を話す時、悪口ばっかりですが…まあ、わかるかと思いますが、悠は陽実…お姉さまの事が大好きです。陽実も当然、悠を可愛がってます。…いや、プルとプルツーじゃないってのさ。
 話それましたけど、この言葉ぶつけた事で気が晴れた陽実は祐里を立て直らせようと。…うわーっ、陽実ってこんな無茶苦茶前向きないい子だったんだ。悠をいじめる怖い人ってイメージしか無かったわ、私。

兄ちゃんだって、わかってるはずだよ…いつまで沈んでるつもり?
今、お兄ちゃんの前にいるのは私なんだよ!
いつまでも沈んでるなんて祐里らしくないよ ボクは…

 二人称が「お兄ちゃん」から「祐里」へと代わり、一人称が「私」から「ボク」へと。悠モード発動ッ!もちろん自然にではなく、彼女が意図的にやってるわけですが。祐里にとっては効果的でしょう、これは。
 そして衝撃の事実判明。祐里、実は陽実が悠の記憶受け継いでるの全然気づいてなかった!気づけよ!!あからさまに性格変わってるし。

私だって…悠なんだよ…

悠じゃない!

 どっちだよッ!複雑な心境なのはわかるが都合よく使い分けないよーに。「どっちなんだよ…悠なのか、悠じゃないのか…」うむ、わかる、そのツッコミは適切だ、祐里。私は悠じゃないと思うけど。

なんで…なんで…悠ちゃんは私の記憶を持ってなかったの!?
なんで…お兄ちゃんを好きになっちゃったりしちゃったの!!
なんで…何で…なんで…悠としての記憶を受け継いじゃったの?
…何でお兄ちゃんなの?他の人じゃいけなかった……の?
悠ちゃんじゃなきゃダメなの?私じゃダメなの?

 激白!でも、演技。どこまでも掴みづらい人だ。演技かよ、これ。言われるまでもなく、くさいけどさー。
 でも、これで祐里目覚めます。目の前にいるのは、あの時の悠じゃない。でも、悠であるのも間違いない、と。んで「おかえり、悠」「ただいま、祐里」っつう、前回の悠紹介のとこで書いた台詞が出てくるわけです。以上!!
 としてもいいんですが、この後…自分の中悠を受け入れた陽実をも少し追ってみましょう。ほんの数ヶ月だけ。

 悠の時みたいに大人しくしてるつもりなんてない。祐里が好きなんだから、祐里に自分の大事さを絶対に認めさせる!いきなり「帰る」発言をして惑わせてみたり、やりたい放題。適度に悠モード発現させるのも忘れない。祐里に「悠人格の使い方、心得てる」などと言わせてしまう暴走っぷり。悠本人が見たらきっと泣く。…とことん萌えない娘だな。
 悠モードは唐突に発動されるわけですが、本人楽しんでやってるので、こんなバカな事を言いつつ発動したことも。

はぁぁぁぁぁ…何言っても今のお兄ちゃんには通じそうにないや…しょうがないなぁ……ちぇぇぇんじっ…

 チェーーーンジッ。基本的に兄に甘い陽実ですが、悠モードでは容赦無し。平気でアンタ呼ばわりバカ呼ばわり…それはもう悠ですらないと思うが。単なるストレス解消だろ、これ!祐里…ステキな妹いてよかったね。毎日楽しくて。私はいらないけど、こんな妹さん21歳。

ひどい、お兄ちゃんがいじめる…いじめるぅ…
やっぱり私は邪魔なんだ…悠ちゃんの方がいいんだ…私だって、私だって悠なんだよ

 いじめてるのはアンタだーーーーっ。本気でやりたい放題だな、おい。「私だって悠なんだよ」を切り札に兄からかい三昧。おまえ…ホントに祐里の事、好きなのか?
 9ヶ月続いた、悠と過ごした幸せな日々…あっさり壊れました、祐里。しかし、毒舌では負けてない祐里。言葉の応酬。いや、なんとも凄い兄妹ですな。なお、このバカ生活の間に倒し損ねていた異世界の魔王出てきちゃったりもしたんですが、蹴り一発で倒しちゃいました。陽実、怖ッ。キャパを削ぎ落とされてない本気陽実にかかっては魔王といえど、その程度!…祐里、命が危ない!っていうか実際に祐里、陽実に殺されちゃうんですが、この数年後に。

 まあ、数年後の事は今回どうでもよくて、今は傍から見ると「何だこの兄妹?」状態でも、本人は幸せ……多分。
 ただし、そうはいっても、祐里を慕う心はやはり……生活していく上で邪魔。悠の心を消す事を決心する。

「悠の心…ちょっと始末つけてきたから…」
 …消したのか?
「怖い顔しない!そんな事しないよ…ただ決着をつけてきただけ。あのままじゃ精神不安定でいつ壊れるかわからなかったから」

 陽実が自身の内にある悠と決別したという事で、これをもって、もう1人の悠「陽実」の紹介を終了…しようかと思ったけどもう少しだけ。
 ちなみにこの後の陽実……祐里に恋する心が消えた事で、今までにもまして祐里を「おもちゃ」にするように…。

人が本性隠してれば調子に乗って!!言わせてもらうけど、こんなねじ曲がった兄なんていらないね!
もう、陽実ちゃん捨てちゃヤダよぉ
っていうか初めまして陽実ちゃんでーす。悠ちゃんは幸せにしてあげてね!
まあ、いやですわ…ザマス
お兄様がいけないんですわ!私を無視なさるから
あんな、ボク娘ごときが15歳です
クッ、バレてしまっては仕方ない…フハハハハ、本物の陽実はここだ。ほとんど死んでいる、だが、ちょっぴりだが生きている…さあ、どうするね?
オーホホホホ、愚民共にアタクシの性格が掴めるわけなくってよ!

 一番上は性格悪くなった祐里に本心一言。
 次は悠でなくなった陽実をいらないみたい言ったクズな祐里に脅した後の一言だったかな?
 次のは悠を引き取った朝陽と初めて出会った時の一言。…いや、初めてじゃないっつうか、貴方がかつて慕った実の兄なんだが…気付けよ。当時、レイゼ名乗ってたとはいえ。
 次は…ザマスしゃべりで遊ぶ陽実。
 その次はお嬢様しゃべりで遊ぶ陽実。
 次は分身の分際でどうにも自分より愛されてるっぽい悠。それだけで我慢ならないのに何か精神年齢も自分より上みたいで納得いかない!な一言。
 その次は陽実のニセモノ名乗って、カーズの真似して遊ぶ陽実。これだから精神年齢低いんだと思う。
 最後のはもうこんなんばっかしで性格わからないもんで、それを言う祐里に一言。でも愚民でなくても掴めません、アナタの性格。

 さて、悠と決別したこんな何が何だかわからない陽実ですが、悠が消滅を免れていた事には気付いた後には、悠の夢の世界に出向いて「姉」として悠を支えてました。他の人には絶対に見せない…悠にだけ見せた、もしかしたらこれが「本当の陽実」だったのかもしれないという優しい陽実。そして悠もまた、祐里にも朝陽にも見せなかった幼い心を。まあ、それは悠紹介第2部にて。

元々、同じヒトだもん…私にとっては妹みたいな感じだけど…

 ちなみに夢の世界とは異世界。泡のように浮かぶ異世界、時々泡同士がぶつかる事はあっても基本的にはその人だけの世界。異世界を行き来出来る陽実だからこそ、そして悠が自分の分身だったからこそ、多数の泡の中から悠の夢を見つけ出し入り込む事が出来たわけです。
 悩みの耐えない悠にアドバイスしつつ、時々、愚痴を言ってみたり。そんな陽実をお姉様と慕う悠。お姉様と言われるのを嫌がる陽実。

だから、何でお姉様なの!

 この頃の事を覚えてるから、一時期どんなに憎みあったんだとしても、表向き仲悪そうに見えても、お互いに信頼しあってる姉妹足りえるんでしょうね。

じゃあ、勇気を出して…ね!

 何でこれが、祐里に対して出来ないんだろうか。さて…最後……決別した悠の心…どうなったのか。実際のとこはわからないんですが……朝陽が考察してます。
 陽実が悠の心捨てた事で、すっかり自分に対して懐かなくなった陽実がイヤになって、朝陽と悠のとこに陽実捨てて来た祐里から事情を聞いた朝陽が(ちなみに祐里は追い返されました…かつて悠が恋した相手とは思えない最低男っぷりに涙です)。

 ここまで堕ちるとはな…冗談抜きで…陽実が可哀想すぎる。彼女は…今でも祐里を慕ってる…それは悠の心をかかえてるから…前に言った通り…彼女もまた悠だって事。
『でも、決着つけたって』
 そう、苦しいから押さえ込んだんだよ、無理矢理。だから…だから…今は祐里に対して淡泊に接してる。また悠の心が暴れ出さないように…わかるだろ、悠にも?
『…そういう事か…自分の心を殺してるんだ…』

 実の兄だからこそ何となくわかる陽実の心。でも、その妹を祐里なんかに任せていいのかとか思わなかったのか朝陽!?陽実と悠の不幸はこの頃から始まったわけですね。それはともかく、つまりは陽実は未だに悠の心をおそらくは抱えています。それを押さえ込んでいるだけで。