倉橋 しずめ

個人データ
名前倉橋 しずめ(くらはし しずめ)
 陰陽師「倉橋彦文」と護法実「護法院静」を両親に持つ、護法実の娘16歳。胸に「土蜘蛛」、背に「鵺」、右腕に「蛟」と三柱の九十九神を体内に憑依(寄生)させている。
 護法実として未熟である為、九十九神を制御しきれず、意識の無いまま九十九神を暴走させる事、しばしば。

 さて、この護法実の娘。三柱もの九十九神を遣いながらも「化け物なんて非科学的」が口癖かのように、「妖しい」ものを否定する。それは倉橋の娘である事への反発ではなく…。

「死病やコレラだってやっと今年原因の菌が発見されたんですよ さらに調べることで退治も可能になるでしょう でも それを神霊のせいにすれば人は調べも考え続けもしません それを「非科学」と言うんです 「科学」に答えはありません 求め続けるのが「科学」なんです」

 とのこと。九十九神もまた「化け物」でも「妖怪」でも「荒神」でもなく…「生物」…「寄生生物」であると。

 九十九神の暴走現象「眠り」…これに不安を感じていたしずめですが…。

このままじゃ本当におかしくなっちゃうよボク‥‥なんなんだろ眠りを誘うこの心の乱れは

 密偵「乾虎源太」に出会い、心に平穏を与えてくれる虎源太に惹かれ…そして、押しかけ助手というか相棒に。

ボクも密偵にしてください!!一生けんめいガンバリますから

 虎源太としずめの「九十九神」との戦いは始まったばかりであり、今後の活躍が期待される「ボク」である。
 なお、口癖は「うきゅう」。好きなものは「甘いもの」と「謎」。
 時代は明治…一人称「ボク」なんて存在するのかという疑問がありますが、広辞苑によれば「明治期から、初め書生言葉として、話し言葉で使われるようになった」とあるので、一応ですが時代的に「存在してない一人称」ではないらしい。まあ、しずめのような16歳の娘さんが使う一人称ではないのは確かですが、いいんです、このシーンを見て文句を言えるボクファンはいないはず。

ボク‥‥変ですか?ボクのカッコウおかしいですか?

 「ボク」名物、好きな人の前で普段と違う可愛らしい服装をしてきて頬を染めつつ「似合うかな?」とするこのシーン。そして誉めて貰えて素直に喜ぶ可愛らしさ。

本当ですか!!うれし‥‥

 まさか、高田先生の作品でこんなにもお約束な「ボク」に出会えるとは思ってもいませんでした。

「莫迦だなぁボクは 密偵さんとず──と一緒にいたいのに‥‥こんなにも自分が論理的じゃないなんて思わなかった」

出展
コミック:ヤンマガKCスペシャル 明治あやかし討伐伝 九十九眠るしずめ 1巻 /講談社
著者  :高田 裕三