来生 愛

声優:坂本 千夏
個人データ
名前来生 愛(きすぎ あい)

…パパ…?ホントにパパ? パパ…? ボク……パパ…

 喫茶キャッツアイを経営する来生三姉妹の末妹。連載開始当時は私立長浜高等学校に通う高校1年生。
 連載開始時と終了時とで最も変化したキャラですかね。

 世間を騒がす怪盗キャッツアイ。その正体は来生三姉妹。
 この子が直接、盗みを担当する事はあまり無く、裏方…メカニック担当。どこで身につけたのかわからない技術で改造、発明…。ついでに贋作を見破る鑑定眼能力。作者からすれば困った時に動かしやすいコマ…ですかね?
 このような役柄だったからなのか、キャラが薄いと感じたからなのか、あからさまなボーイッシュキャラに変更され一人称まで「あたし」から「ボク」に変更(文庫コミック3巻「指紋をねらえ!」より)されてしまってます。
 間違いなく存在していたボーイフレンドも姿を消してしまう事に……。河野クン、キミは一体どこに…。姉の恋人に婚約者役を頼んでみたりしちゃう以上…「マンガには出てないけど」じゃなくて普通に「別れた」んでしょうね。

 基本的にはイタズラ好きの普通の女の子。ただし母親は既に亡く、父親も姿を隠してしまっており、顔さえ知らない為、「親の愛」というものにコンプレックスを持っており、授業参観、クリスマス、合格発表と毎度毎度同じようなイベントが発生します。
 姉や、姉の恋人である「内海」に親の役を求めつつも、それを隠して強く振る舞う。でも結局、寂しくて…

どうせきてくれないもん 小学校の時からずっと……父兄会なんてキライよ!

 精神年齢自体が低いというのもあるんですが、この手のイベントではとても弱々しくそして子供ですね、来生愛。
 80年代の作品という事で当然と言えば当然なわけですが、高校生の愛相手に「ロリコン」だの「問題外」だの「恋愛対象になってない」扱いを受けているのは現代からすれば違和感ありすぎなんですが、愛の子供っぽさがその違和感を抑えているのである意味、永久に通じるキャラ作りという点で成功してるのかもしれません。
 先の父兄参観は文庫コミック3巻。そして文庫コミック5巻…もう高校2年になっているんですが…成長してません

……ふん なにさ ガキじゃあるまいしクリスマスプレゼントだって 来年は三年生なんだぞ!!

 まあ、高校生にもなって父親からクリスマスプレゼント貰ってる河野クンも確かにアレなんですが、どこまでも強気でいようとする愛もまた子供です。ちなみにこれを最後に愛の恋人だった「河野クン」は姿を消しました。父親からプレゼントもらった彼をそんなに許せなかったのでしょうか。
 内海さんにプレゼントを貰って喜ぶ姿はとても可愛いんですが…その後がよろしくなかったです。

でも やっぱりパパじゃなかった!!
ボク 姉さんたちみたいにパパにクリスマスプレゼントもらったことないもん!!

 結局「愛」という名前が父親から贈られたクリスマスプレゼントであった事が残されていたレコードで知り、「いい話」としてここは解決するわけですが……コンプレックスというものはそうそう消えるものでもなく。まあ、この「父親の愛」を求める少女…これが来生愛なわけですが。
 年齢があがるにつれて、言葉遣いも行動も乱暴になっていく…どーなってんだか。20歳になる頃にはきっと立派な槇村香になりますね。
 子供っぽいのに「子供」だと思われるのをイヤがる属性を持っててメカに精通してて父親の愛に飢えてて一人称がボク。何がなにやらわからないキャラですな。
 かと思えばこんな一面を見せたりも…。

太る……ボク…太ったと思う?

 そして体重は…48kg。…………い、いや太ってないですよ。マンガのキャラとしては重いような気はするけど。身軽なキャッツアイにしては重いような気もするけど…軽ければ身軽ってわけでもないし。いや、だって…ほら!身長の問題もあるしっ。

 連載開始当初は高校1年生だったこの子も連載終了時には大学生。しっかり時が流れ、そして成長してるんですが、それでも父親へのコンプレックスだけは残ったまま。
 大学合格…誰も祝ってくれない。そこで愛がとった行動が、父親の肖像画に語りかける。

パパ……大学うかったのよ わたし……

 北条先生はなかなかにわかってらっしゃる。元々の一人称が「あたし」だったという事実。それが何故「ボク」になったかは知りませんが、父親に語りかける場面で復活を果たした「わたし」という一人称。「あたし」も「わたし」もまあ、大差無い…。
 そして以後はまた「ボク」に戻る。彼女の中で父親に対する誓いというか何かがあって封印していたんでしょうね、「わたし」「あたし」という一人称。

 最初に書いた通り、来生愛というキャラは連載開始時から終了時でもっとも変化したキャラです。
 メインは父親探しと、次女の「瞳」の恋愛にあるわけですがその影で愛の「女性としての成長」が綴られていました。
 女性らしさというものが何なのか、それはよくわかりませんし、「女性らしさ」という言葉を嫌う女性も多くいます(男性にもいますが)が、それは性差別だとかでなくて…来生愛の場合は先に書いた通り、随分と乱暴になったと思います。でも、女性らしさは増していったと思います。

出展
コミック:集英社文庫 キャッツ♥アイ 1〜10巻 /集英社
著者:北条 司