ダチュラ

 銀の髪を持ち、銀のオーラの力を使う天使の女の子。胸の膨らみがなく男の子と見分けがつかないそうだが、雰囲気は女の子のそれで男と見間違いはしないらしい。彼女自身の自己紹介によれば月の天使。

月の天使ダチュラだよ♪
目的は、えーと、ニンゲン同士を憎しみあわせたり、争わせてたくさん殺すことかな?

 魔王配下の海王により封印されていた(正確に言えば人間が近づけないようにしていただけですが)が、次代魔王候補により海王が打倒された事により覚醒。その第一声が…。

ふぁ〜〜あ。良く寝たぁ

 全く緊張感の無い子であるが、彼女にしてみれば本当に眠っていただけなのであろう。
 彼女の口から物語の核心ともいえる主人公の正体が語られる。基本的にただの「アホ小説」でしかない「魔王、始めました」だが、この子が登場している場面では雰囲気が一変してしまう。それ程に強力な力と凶悪な性質を持った存在が天使である。
 主人公である魔王候補「ソーマ」の使い魔「過去の記憶を失った堕天使フェンネル」をお姉様と呼び慕っているが、記憶が無い以上、フェンネルからすればダチュラは敵でしかなく、容赦なく攻撃を仕掛けてくる…ダチュラからするとそれが一番納得がいっていない様子。
 人間の勇者「エクスレイ」と組んで主人公を倒そうとしたりしつつ、フェンネルが自分を思い出してくれる事を願って。
 作中、最も恐ろしい存在といえる「月の天使」ですが、エクスレイとのやりとりはほのぼのしてましたし、恋愛関係とは違うようですが、お互いを気に入っていたみたいですし、個人的にはエクスレイとの恋愛ストーリー見てみたかったなーと。
 ネタバレになりますが、初登場時の神秘性はどこへ行ったやら、アイドルやってみたり、すっかりバカ小説に溶け込み、愛すべき「ボク」と化したのは喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか。

「お姉様……まだ、そんなことを言うの?なんでボクを受け入れてくれないの?」