赤坂 美月

声優:平松 晶子
個人データ
名前赤坂 美月(あかさか みつき)
身長160cm
体重44kg
スリーサイズB87 W58 H82
生年月日 9月30日
星座てんびん座
血液型O型
出身地東京(育ちは長野)
趣味テニス
好きなものスポーツ全般、掃除、洗濯
嫌いなものゴキブリ
好きな食べもの麺類(特におソバ)
嫌いな食べもの(海の)カキ

人は誰でも様々な顔を持っている

生きていくため……
仕事をするため……
そして恋をするため……

ボクはいったいいくつの顔を持っているんだろう

そしてどれがボクの本当の顔なんだろう



 正体不明の記憶喪失の女の子。酔って倒れていた主人公を助けた縁で、主人公の家での同居生活が始まる。
 って、主人公羨ましいというか有り得ないというか…記憶喪失で不安な状態の時に、どんな人かわからない男の家にいくか、普通?…男の本能なめてないか?
 まあ、良しとしよう、お約束だし。…とりあえず彼女が覚えていたのは『赤坂美月』という名前だけ。

そうだよ! 美月! 赤坂美月!! へんなの…名前だけは覚えてるなんて

 自分が何者なのかもわからない不安。それをこの子は見せようとしない。偶然出会って、そして同情してくれ家にまで招いてくれた主人公の為にも、常に明るく振舞う。
 自分の存在が主人公にとって重荷にならないようにしたい。自分のことで主人公にお金を使わせたりしたくない。
 いい子だとは思う…でも、それが特別な事とは思わない。それでも、それでも、そんな姿を見てしまえば、男は…ね。

また、ひとりの男性のココロを惑わせてしまった 罪つくりなボク…

 はい、惑わされちゃいました。この台詞が出てくるのはかなりの序盤ですが、私、もうこの時点で「美月いーなー。主人公羨ましいなー」ってなってました。
 いや、でもこれ、どうなんでしょうね?実際、何人の男どもが惑った事やら。

 記憶喪失…明らかに自分を狙って襲ってきた人物…赤坂美月の名が刻まれた墓石。不安を抱かずにはいられない、記憶が戻る事が幸せなのかもわからない。それでも、彼女は主人公の所属する映研の新作のヒロインとして演技を行う。そんな事やってる場合かなー?
 それほど、勘のよくない人でも、彼女が襲われた辺りで、彼女に関してある程度の想像はつく。

「この子は赤坂美月じゃないんじゃないか?この子はもしかして二重人格なんじゃないのか?」と。

 その想像が正しいのか。正しいとして美月とは誰なのか?ネタバレになりますが、この想像というか予想…ハズレです。
 もちろん、記憶喪失時の人格と記憶喪失前の人格というのは同じであるわけはない。が、二重人格とはそういうものではない。
 主人公に対して初めて自分の不安を語る美月。この時、「男っぽい」と評された美月の特徴でもあった位置に一人称が変化する。

ボク、この世に生きてたらいけない人間なのかな?
でもなんで、生きてるわけないなんて言われるの?あたし誰? 何者?あたし必要とされてるの?

 自分の事をボクという美月。自分の事をあたしという美月。どちらがホンモノなのか。
 記憶を失った美月は『赤坂美月』を演じているに過ぎない。記憶の無い人間は…自分自身を演じてるに過ぎない。
 自分の事をボクというのは美月の演技なのか。不安に耐えてきて、主人公の前でその不安を打ち明ける事で自分を解放出来た事で無意識に本来の自分…記憶を失う前の自分が少しだけ出てきたのか。
 自分の事をボクという美月は存在する。彼女にとって、それは演技ではなく、間違いなく自分自身、赤坂美月である。そして、自分の事をあたしという美月もまた、間違いなく赤坂美月である。

演技してる最中は、自分で演じてるって感じじゃないような…

 二重人格はともかく、美月は自分の名前じゃないんじゃないかというのは、彼女自身も感じていたはず。正直、この不安な状況で主人公の優しさに騙されてしまってる面あるとは思います。そこにいたのが主人公でなくて、他の誰かでも同じだった可能性は高いです。彼女が主人公に惹かれるのは当然、そしてきっかけは関係ない。他の誰かだったかもしれない、けど、それでも好きなのは主人公。
 間違いなく自分は主人公の事が好き…でも、その感情さえも信じる事が出来ない。記憶を失ってる自分は本当の自分ではないから。主人公の優しさも同情に過ぎない…なのにボクは…。いや、同情じゃないから、普通に。

おかしいよねボク、記憶なくしてるのに…
きっとホントのボクは、君のコトなんて、なんとも思っていないはずなのに…
なんでこんなに…こんなに悲しんだろ…

 もちろん、記憶を失う前、失った後では基本的に別人。記憶が戻った後にたとえ、記憶を失ってた頃の記憶が残っていたとしても、記憶を失っていた当時のその人はいない。私はそう考えています。
 美月が感じている「偽りの自分」という感覚。自分が何者かわからないという経験をしたコトのない私には恐らく理解は出来ない。理解が出来ないから、その今の彼女を認めたいと思う。自分の事をボクという赤坂美月はホンモノなのだと。
 クリアした人にだけわかる事を言いますが、私にとってエンディングパターン「ダブルキャスト」はバッドエンド。私にとってのベストエンドはエンディングパターン「志穂」です。  

ありがとう…あなたは私を愛してくれた…記憶をなくした…こんな私を愛してくれた…

 何がホンモノなのか。こんなものは誰にもわからないんでしょうね、きっと。
 私は赤坂美月を可哀想だとは感じていない。彼女が魅力的であるからこそ、その結果ではあるが、彼女は愛されている。人は誰でも不安を抱えている…もちろん、美月の抱える不安は計り知れない、けれど、その分、彼女は愛されている。恋した相手に自分がどう想われているかの不安ももっていない。美月は主人公に包まれている。自分の存在を肯定してくれる人がいる、これ以上の幸せがあるのだろうか?愛され認められる美月は、ある種、妬ましくさえもある。

 なお、本編の数時間前エピソードとなる番外編では何故か設定が異なり、主人公の親友の彼女という事になっており記憶喪失というわけでもないようである。これを考えるに「ダブルキャスト」という作品自体が「ドラマ」であり(いや、やるドラなんでドラマなんですが…)、赤坂美月を含めた全ての登場人物は実在せず、全員が役者であり、いつか赤坂美月役の彼女が別の役で出てきてもおかしくはないという事になる。あれほどの役を演じた彼女が役者として才能豊かなのは確かなのだから。いや、まあこういう風には思いたくないけど。
 とりあえず、現実世界において赤坂美月役を演じた平松晶子氏の好演はダブルキャストをプレイした多くの方の心に残ったかと思われます。
(当紹介文はエンディングは全27種クリア、達成率は約94%という状況で書いています)

「これからも、ボクのことよろしくね」

出展
プレイステーションソフト:ダブルキャスト
 製作:(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント
 制作:Production I.G


美月のプロフィールに関しては以下を参照させて頂きました
「やるドラ」攻略シリーズ ダブルキャスト公式ガイド(ソフトバンク)